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普段色々考えていることの日記です。

「ONE PIECE」の伏線について

2008年06月15日 | 雑記
One piece (巻1) (ジャンプ・コミックス)
尾田 栄一郎
集英社

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もうファンにとっては当たり前の話なんですが、尾田栄一郎の人気漫画『ONE PIECE』は緻密な伏線が張ってあることで有名です。
しかもその伏線、サブタイトルや表表紙、中表紙、はては単行本にのみ付随する「SBS」という著者と読者の交流コーナーにまで張られており、まったく油断ができない構成となっています。
だからこそ、「ONE PIECE伏線考察研究会」というサイトができたりしているのですが。

で、このサイトでもっともホットな話題がいくつかあるのですが、中でも一番ホットな話題は「○人目の謎」です。
どれぐらいホットかというと、この話題を振れば百発百中、「その話題は既出だから過去ログを読め!」と怒られるぐらいホットです。
の割には、1ヶ月おきぐらいにその話題を振る勇者が現れるという、とってもホットな話題なのです。
まぁ、とか言いながらかくゆう私もしゃべりたくてうずうずしているのですが、ベテランさんたちに怒られるのが恐いので黙っています。勇者が現れるのをひたすら待つのみ。

そもそもこの「○人目の謎」は、こういう伏線考察の掲示板が生まれたきっかけなのです。だからこの掲示板誕生当時からご在宅の方からすると、すでに議論され尽くされた話題なんですよね。

というのも、あれは今から10年ほど前、ナミがルフィたちの仲間になったとき、『ONE PIECE』ファンの中で激震が走ったのです。
その時の回のサブタイトルに尾田栄一郎氏は『2人目』と付けたからです。
それ以前にゾロが仲間になったときは『1人目』、サンジが仲間になったときは『4人目』というサブタイトルが付いていました。
この時点で勘の鋭い人は「あれ? 2人目と3人目がないぞ?」と首を傾げるわけです。
さらに勘の鋭い人は「2人目はナミ。3人目はウソップか?」と考えるわけです。
とすると、尾田栄一郎氏がすっ飛ばした2人目と3人目はどうなっているんだという疑問が出て来るわけです。
そんな時に登場した『2人目』のサブタイトル。
これに誰もがガガーンとやられたんですね。
サブタイトルにこんな意味があったなんて!?
と誰もが目をこすったんですよ。

ということで、世の中には考察好きの人間がわんさかいて、さっそくこの『ONE PIECE』の考察研究会なるものが打ち立てられたのです。
すると出て来るわ出て来るわ、色んな伏線が。
さっきのナミの話を例に挙げると、彼女は初対面時に「好きなものはお金とミカン」と言っているんです。このとっても小さな一言が彼女の過去にものすごく大きな意味を持っていたことはすでに読者なら知っている話ですよね。
まぁ、ぶっちゃけアンケート至上主義じゃない雑誌の漫画読んでいるもんからすれば、これぐらいの伏線たいしたこと無いんですよ。すでに多くの作者がやっていますからね。例えば有名どころでいうとCLAMPさんの『聖伝』。10巻終結をすでに1巻の段階で告白していますからね、この人たちは。
ただ、打ち切りごめんのジャンプで今までろくな連載漫画もっていなかった新人がやったことが衝撃的だったんです。
人気が落ちたらすぐ打ち切りのアンケート至上主義のジャンプで、ここまで長い伏線を張るのかこの人は!?
って奴です。

で、となると次に出て来る疑問が「3人目はいつ?」ですよね。
3人目がウソップだと言うことは間違いなく、そしてそれが正式にウソップが仲間になったときだと言うことも間違いないのですが、それは一体どういう条件下の元に認定されるのかがこの「○人目の謎」の焦点だったのです。
これはその後仲間になった人間が仲間と認定されるのがいつなのかにも関わってくるので、かなり徹底的に議論されました。
とここで、その時議論されたことは、「○人目の法則」なるものです。
つまり尾田栄一郎氏がルフィの仲間にしようと考えているメンバーは誰かと言うことを推量する「法則」です。

1.その人物の登場時に「○○登場」というサブタイトルが付く
 →チョッパーまでは正確に踏襲されていたのだが、それ以後あやふやになる。
  ちなみに「登場」→「○人目」となっているのはゾロ、ナミ、ウソップ、サンジのみで、チョッパーとエースは「登場」は出たものの「○人目」が出ていなく、ロビン、フランキー、ブルックは「登場」が無いため、今でもかなり物議をかもしている。

2.仲間になる者は過去編が語られる。
 →上記仲間&仲間候補の中で過去がまだ語られていないのは現在のところエースのみ。逆に過去が語られていながら「登場」も「○人目」もないのがビビ。
  これによりこの二人を仲間と考えるかどうかが、サンジ以後の「○人目」は一体誰かと言うこともあり何度も議論されている。

3.仲間になる者は何らかの「夢」を持って乗船する。
 →この条件がものすごくあやふやなため、ウソップの「3人目」の話題を最もホットにしていた。
  というのも、「ルフィ→海賊王になる」、「ゾロ→世界一の剣豪になる」、「ナミ→世界地図を完成させる」、「サンジ→オールブルーを見つける」という他4人の夢に対してウソップの夢は何とも曖昧で不安定なものだったからである。
  さらに、「どんな病気も治す薬を発明する」というチョッパーや「ポーネグリフをつなげる」というロビンが乗船したにもかかわらずこの二人にも「○人目」が付かない。ということもあり、「夢を持つだけではダメ。明確に船に乗る意志を示し、それを船長が許可しないと仲間になったことにならない」という新たな条件も誕生した。

 結局ウソップの「3人目」が出たときに、この今までまことしやかに囁かれていた法則は一部改正されるのです。

1.その人物の登場時に「○○登場」というサブタイトルが付く
→「登場」が付かなくても良い

2.仲間になる者は過去編が語られる。
→これはどうやら絶対。ただし必要十分条件ではなく、十分条件程度。

3.仲間になる者は何らかの「夢」を持って乗船する。
→これも一応必要だが、「夢」だけではダメで「船に乗る意志」も必要である。

 と、こうなったわけですが、この「3人目」が出たときもう一度激震が走ったのです。
 というのもこの時、ただ『3人目』とは出ず『3人目と7人目』と出たわけですよ。
 この「7人目」が大問題だったのです。
 3人目はウソップで確定だと思うのですが、「じゃあ7人目って誰よ?」というわけですね。
 普通に考えるとフランキー。
 だけどこのフランキーとウソップが仲間になる過程でもう一人、ロビンの過去も語られていて、彼女もウソップと同じように「脱退→再乗船」という過程を踏んでいるんです。
 「彼女はまだ仲間になっていないの?」
 これが実はいまだに伏線考察研究会の頭を悩ませている謎なんですね。
 最近ではブルックが新たに仲間になったのですが、その時『8人目』というサブタイトルが付いて、さらに「7人目は誰?」という問題がクローズアップされたのです。

 以下、掲示板で議論された説をあげると
①チョッパーは人じゃない説
 つまり、1.ゾロ、2.ナミ、3.ウソップ、4.サンジ、5.ビビ(エース)、6.ロビン、7.フランキー、8.ブルックで、チョッパーは「○頭目」となるという説です。
 ただし、チョッパーをトナカイだからといって差別するな。これは差別じゃない区別だという水掛け論で終わっている。
 私見ながら私は尾田栄一郎氏の作風からチョッパーをトナカイだから「○人目」の法則からはずすということはないと思う。たとえチョッパーを「○頭目」としても、そこには「1」の数字は入らず、「5」ないし「6」や「7」など「○人目」の法則の枠内で数字が振られるのだと思う。

②「○人目」は仲間になった順だ説
 1~4は割愛。
 争点の5人目から考えると
a:5.チョッパー、6.ロビン、7.フランキー、8.ブルック説
b:5.ビビ、6.チョッパー、7.ロビン、8.フランキー、9.ブルック説
c:5.ビビ、6.エース、7.チョッパー、8.ロビン、9.フランキー、10.ブルック説がある。
 a説ではビビは仲間かもしれないけど乗船メンバーではないという理由から、エースは「登場」とは出たがルフィが仲間にしたいと言わなかったから関係ないという理由から『○人目』とはならないと考えている。が、だったらロビンの「6人目」がなぜ出なかったのだという疑問が残る。
 b説では、『8人目』のタイトルの状況からどう考えてもブルックが「8人目」と考えられ、そうするとフランキーの「○人目」が消えてしまうため彼は仲間ではないという推論になってしまう。(この推論について、「フランキーはサイボーグなので『○台目』だ」という説もあったことを付け加えておく)
 c説では、やはりブルックの「8人目」によりますますロビンとフランキーの存在が消えてしまうのだ。さらにこの説ではチョッパーが「7人目」となるのだが、『7人目』が出たときチョッパーが仲間になったとはどうしても考えることができず、かなり無理がある推論と思われる。(苦肉の策としてチョッパーは「○頭目」となりフランキーは「○台目」となるから「7人目」はロビンだという説もある)

③ルフィが仲間と認識するときで決定説
 ナミの時「おまえは俺の仲間だ!」とルフィが言ったとき仲間と決定した。
 ウソップの時は泣きながら手を差し伸べたとき仲間と決定した。
 ということで、ルフィが「こいつは俺の仲間」と考えたとき「○人目」と付くというわけである。
 これによるとロビンは登場時「あいつ嫌いだ」と言われ、乗船時も「仲間にする」ではなく「乗せて」「ああいいよ」という会話のみなのでロビンは仲間ではないということになる。
 逆にビビははっきりと仲間の印を見せているので仲間(カルーも?)。
 エースはロビンと同じくルフィが勧誘していないので仲間じゃない。
 つまり、5.ビビ(&カルー)、6.チョッパー、7.フランキー、8.ブルックとなる。

④サッカーのポジションと同じだ説
 これは「○人目」はサッカーのポジションのようなもので、登場した順番は関係ないという説。
 例えば「1」はゴールキーパーゾロ。「10」はチームのエースなのでその名も「エース」など。
 馬鹿馬鹿しそうに見えてあながち間違いとも言えない説得力があるのだけど、結局5~9までに誰が入るのかという疑問の解消にはなっていない。

ところで愚考ながら私は「5.チョッパー、6.ロビン、7.フランキー、8.ブルック説」を取ります。
説の基盤となるのは尾田栄一郎氏がSBSで公表したそれぞれのイメージナンバーからです。
確か01.ルフィ、02.ゾロ、03.ナミ、04.ウソップ、05.サンジ、06.チョッパー、07.ロビン、08.フランキー、09.ブルックとなっていました。
で、ゾロから「1人目」が始まるので、
1.ゾロ、2.ナミ、3.ウソップ、4.サンジ、5.チョッパー、6.ロビン、7.フランキー、8.ブルック
で良いと思います。
そして、「じゃあ、ロビンとチョッパーはまだ仲間じゃないの?」という疑問ですが、仲間じゃないのだと思います。
二人とも夢も過去編も披露していますが、ルフィの船に絶対に乗らなければ行けない目標がまだ無いと思うのです。
ウソップは、夢はまだあやふやながらも「ルフィと航海したい」という意志を明確にしていますし、フランキーはサニー号と旅をするという目的があります。そしてブルックはルフィたちと一緒にラブーンに会うという目的が。
ゾロはルフィのそばで世界一の剣豪に。サンジとナミのオールブルーと完成された世界地図の夢はルフィと旅することで叶えられる目的です。
だけどチョッパーとロビンはルフィたちと旅をすることを気に入ってはいますが、ルフィたちでなければダメだという意志がまだ無いと思うのですよ。
ですので彼らが、「ルフィと一緒じゃなければダメだ」という何か明確な意志と夢を持ったとき初めて彼らに「○人目(頭目)」が付くのだと思います。
以上、愚考でした。

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