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コトバにしなきゃ伝わらないこともある
コトバにしなくても伝わることもある
accosのつらつら日記

【映画】空気人形

2011年11月03日 | 映画
2009年 日本
監督 是枝裕和

★★★★★

劇中に出てきた吉野弘氏の詩が素晴らしい


『生命は』


生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい

花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で

虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする




生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ


世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思うことさえも許されている間柄


そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?




花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光をまとって飛んできている

私も あるとき
誰かのための虻だったろう


あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない






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