阿部卓馬ブログ

北海道新ひだか町サポート大使のシンガーソングライターです。ライブ告知、活動情報などを中心に更新しております。

「逝きし世の面影」渡辺京二

2012年04月27日 | 江戸
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「私にとって重要なのは在りし日のこの国の文明が、
人間の生存をできうる限り気持のよいものにしようとする合意と、
それにもとづく工夫によって成り立っていたという事実だ」・・・・・・(本文より)

近代に物された、異邦人によるあまたの文献を渉猟し、
それからの日本が失ってきたものの意味を根底から問うた大冊。

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以上が、「逝きし世の面影」(渡辺京二・著 平凡社ライブラリー552)の裏表紙に書かれている文です。



この本を私なりに簡単に要約しますと、江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人達が書き残した多くの文献を頼りに、その当時の日本の生活や文化などを客観的に分析し論じたもの、です。

なぜ外国人たちが書き残した文献を基にするのか?と問えば、日本人による生活や文化に関する文献には、本人たちが当たり前と思っている事(考え方や日常の作法など)に関しては全くと言っていいほど綴られていないそうで、それらの当たり前の日常を異質なものと感じて特別に記述せざるを得なかったのは、やはりその当時日本を訪れた外国人たちであった、ということです。

江戸時代と言えば、義務教育での歴史教育では、その生活や風俗など特別に教えられてこなかった現代の日本人にとっては、その当時日本を訪れた外国人と同じ様な視点で観るようなもので、この本を読むと大変驚くことが多いです。

何がどのように驚くのか???

について、これからご紹介していきたいと考えています。

章立ては以下です↓

第一章 ある文明の幻影
第二章 陽気な人びと
第三章 簡素とゆたかさ
第四章 親和と礼節
第五章 雑多と充溢
第六章 労働と身体
第七章 自由と身分
第八章 裸体と性
第九章 女の位相
第十章 子どもの楽園
第十一章 風景とコスモス
第十二章 生類とコスモス
第十三章 信仰と祭
第十四章 心の垣根



そして、帯の裏の解説文からの引用より(解説・平川祐弘)

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「子どもへのこんなやさしさ、両親と老人に対するこのような尊重、洗練された趣味と習慣のかくのごとき普及、異邦人に対するかくも丁寧な態度、自分も楽しみひとも楽しませようとする上でのこのような熱心---この国以外のどこにこのようなものが存在するというのか」(本文内引用より)

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この文は、本文中の当時日本を訪れた外国人たちの文献から感じられる、江戸時代の日本人の印象をまとめたものですが、この文からも今の時代の日本とは違う?印象を受けると思います。

江戸時代の日本人とはいったいどのような人々だったのか???

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