『MicrosoftのVisual C++で、西暦3000年1月1日以降の日付処理に不具合が生じるという3000年問題(Y3K)が指摘された』
とのニュース報道があった。(2007/2/14記事)
確かにVisual C++で作成されたアプリケーションは多いだろうが・・
西暦3000年とは、つまり、993年後のこと。
今から993年前は、日本では平安時代。パソコンどころか電卓も電気も自転車すら無い時代、その時代の人で、993年後の現在の状況のほんの1%でも予想できた人は居ただろうか?おそらく、1人も居なかったに違いない。なぜなら、その時代の人には、今の時代を形成している基本テクノロジー(例えば電気エネルギーとか情報通信とか)に関しての概念すら全くないからだ。
で、同じ理由で、今から993年後の未来なんて1%も予想できないだろう。ましてや、今日のテクノロジー進歩のスピードはちょと前よりもずっとずっと加速している。例えば、自宅のパソコンがGHzという桁の周波数で動作しているなんて、ほんの10年前は、考えたことすらなかった。キーワードを入力して『検索』ボタンをポチッと押すだけで、一瞬で世界中から情報を集めることが出来るなんて、夢にも思わなかった。
993年後どころか100年後の予想も困難かもしれない。パソコンに限って考えても、少なくとも今のパソコンの延長として考えられる形態ではないだろう。
今から993年後の西暦3000年の世の中。いったい、どうなっているんだろう?
テクノロジーの変化どころか、もしかしたら、人間の存在形態自体が大幅に変わっているかもしれない。
「あなた」と「わたし」の区別が無い世界、「生」と「死」の区別すら無い世界・・
そんなこと考えても仕方ないのでので、話をもとに戻すと。
この報道では『2000年のY2K問題の教訓が活かされていない』と結んでいる。
この結びが、ほのぼのさをさらに倍増させる役割を果たしている。
993年後、そのころはパソコンやコンピュータという概念すら遠い遠い過去のものとなり、忘れ去られているだろう・・
そんな教訓を活かして、いったいどんな意味があるのだろうか?
と言うことで、このニュースは、誰が何と言おうと、今年で一番ほのぼのしたニュースに違いない。今年の残りはまだまだ長いが、これ以上にほのぼのしたニュースはあり得ないだろう。
昨年の「アスファルトの割れ目で育った大根」の話題よりも、遥かに、ほのぼのとしたニュース報道なのだ。