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5/22 白夜の女騎士 3回目

2006-05-23 00:06:52 | 舞台感想
2006年5月22日 [白夜の女騎士]@シアターコクーン

作:野田秀樹
演出:蜷川幸雄
出演:松本潤・鈴木杏・勝村政信・六平直政・立石凉子・杉本哲太・高橋洋
   山口紗弥加・持田真樹・濱田マリ・たかお鷹・六角慎司・さとうこうじ

2列目・・・たまらなく良かったです・・・。
伝わってくる熱さで泣けました、泣いちゃいましたよ。
私が[走れメルス]を最初に見たときと同じ感覚を、蜷川演出で味わうことができました。

 1回目は感覚&様子見
 2回目は整理
 3回目は感覚

こんな感じの気持ちの持ちようで、舞台に臨みました。(リンク、その回の感想に飛びます。)

舞台を見終わった後、感動で席を立ちたくなくなるような・・・今日はそんな感じ。
蜷川さんがどれだけわかり易くしようとしても、
2列目という近さだと白い線が全く見えません。
説明を映し出すモニターも全く見えません。(笑)
ってことで、結局言葉を聞いていても理解はできない、
野田さんの戯曲の世界が強まった感じでした。

で、私、原点に戻りました。

  わからないんだけど、なぜか胸が熱くなって感動して、涙が出る。

私は、野田秀樹のそういう得体の知れない力がすごく好き。
[走れメルス]を見て、初めてそういう感動に出会えて、それで舞台が好きになったんです。
だから席立てなくなりましたw

過去2回見て、どうも楽しめなかった神様グループのシーン。
きっと、笑わせるべきところで、微妙にすべるor全く笑わせられない。
だから退屈なんでしょう。
([透明人間の蒸気]を映像で見た限り六平さん、面白かったんだけどなぁ・・・。)
今日は、生身の人間の“熱さ”をより感じられたので、退屈しませんでした。

楽しめなかったところが“熱さ”で楽しめるのだから、
もともと楽しかったところは、えらい騒ぎですよ。
松本・勝村・鈴木・・・最高でした。

細かい表情や動きがわかるのが本当に面白い!

例えば杏ちゃんだと、サスケに説教かますところでは、明らかに舌打ちしていたり、
勝村さんは、歌を歌った後、後ろ向きになり「やっちゃった」的な笑顔を見せていたり・・・
松本君は、表情が見えた方が、繊細だけど力強いサスケ像が、より浮かび上がります。

最初の卵から生まれて立ち上がろうとするシーンや、
空を飛ぼうとするシーンは、それこそなぜか涙が出てきます。
松本潤・・・なんかガラスみたい。本当に綺麗。

富士山頂でのスローモーションのシーンもお気に入り。
今現在どういう風に時間が流れているのか、忘れます。
雪が降っているのも、ベタだけど、やっぱり良いです。雪好きです。(笑)

今日なにより嬉しかったのは、勝村さんの演技を間近で見れたこと!
笑わせる所と、魅せる所のギャップが心地良い!
後半に向けてテンションの上がって行く勝村さんあっての、[白夜の女騎士]。
本気でそう思います。今更ながら勝村さん、すごい役者さんです。
スマスマでパラパラ踊らせとくのは勿体無い。(いや、でもパラパラも好きだけど。笑)

舞台ならではの、生身の人間のエネルギーを感じられた方が、
この舞台は面白くなるんだと思います。
次々と出てくる言葉、壮大な場面転換・・・それプラス人間の力で、
ぐわぁーと押し切るべき、勢いの戯曲。
2列目で見た今日が一番、舞台の魅力を味わえました。

[白夜の女騎士]、もしかしたら明日もう一度見るかもしれませんが、でもたぶん今日で最後です。
蜷川×野田のコラボ。存分に楽しみました![彗星の使者]に期待しますw

5/20 俳優座 風薫る日に

2006-05-20 23:58:23 | 舞台感想
2006年5月20日 俳優座[風薫る日に]@俳優座劇場

作:ふたくちつよし
演出:亀井光子

出演:平山正綱・・・浜田寅彦
   石橋信之・・・河原崎次郎
   幸子・・・岩崎加根子
   有紀・・・伊勢佳世
   平山正昭・・・小笠原良知
   千晶・・・執行佐智子
   正太・・・三浦英明
   裕太・・・小田知毅ほか

自分の痛いところを突かれた舞台でした。
人間誰しも痛みを抱えて、それを表には出さずに生きているんだな~・・・
心の奥底にある感情は、一番近しい家族にも見せていないかも。

登場人物それぞれの感情がしっかりと見える本当に良い舞台でした。

[メタルマクベス]と比べても遜色ない・・・とまで言ったらおおげさかなw
まぁ、もともとジャンルが違うからね。
でも満足度的にはかなり高いです。

“普通の日常を見せる舞台。”というのに疑問を少し感じていたけれど、

  舞台の上に、生身の人間がいること。

それがなにより大事なのだと感じました。
TVでブラウン管を通してみるよりも、伝わってくるものが明かに大きいです。
扇田昭彦さんがせりふの時代で、「新劇も見て。」
というような文章を書いていたのを思い出します。ちらっと読んだだけだけどw
やっぱり、こう長く続いているのには、訳があるんですね。

おじいちゃんの歌のなんとも言えない哀愁・・・
こんなのは特に舞台でないと感じられないと思います。
88年生きてきたというその命の重みが、声を通して伝わってきて、
思わず涙しそうでした。

でも私が号泣し出したのは、千晶が自分の思いを語る場面。
上手くいかなかった姑と自分の関係。
姑に従わず自分を主張し続けたのは“認めて欲しかったから”。
腹が立つから、嫌いだから・・・そういう感情じゃないんです。

洗濯物のたたみ方一つにしても、
私はこう。あなたはこう・・・お互い分かり合った上で、
「じゃあこうしましょう。」っていうのが必要なんですよ。
たとえ相手の方法を採用するにしても。
頭ごなしに否定されたら、本当に自分の居場所がなくなるから。
認めてもらえない。っていうのは、何より辛い。

まぁそれこそ、ここでボロボロ泣けてしまうのは
私の中の問題なんでブログには書きませんが、
後半は、いつもは忘れている自分の状況と舞台とが重なってしまい、
涙のみならず鼻水まで出てくる大惨事。まさに顔が崖崩れ!(笑)
ここまで現実と舞台とが、重なってしまうのは初めての経験です。
これもリアルを追求した“新劇”のなせる技か!?
なかなか侮れない存在かもしれません、こいつはw

私は姑に認められたかった千晶の気持ちがわかる、
父と兄を仲直りさせようとした幸子にならなければならないんですw

他人を認める。って人と関係を築く上で大事なこと。
私は、譲るだけでなく、自分の意見を主張した上で、互いにわかり合いたい。
でもそう思ってるから自己主張の激しい風の人間になっちゃうんでしょうかw

ラストに向けて、米寿を迎えるおじいさんの秘密?が明かになっていきます。
戦争・・・その中で生き延びること、死ぬこと・・・おじいさんはその重みを感じて、
88年生きてきた。そういう歴史の上で今自分が、のほほんと生きている。
家族の絆を見せる中に、そんな重い題材も見え隠れします。

“すがすがしい(笑)風”というのが、この舞台のポイントでもあったと思います。
ふっと通りぬける風の気持ち良さ、それを舞台で感じさせたい。
うん、わかる、確かに感じるものがありました。
が、台詞がどうも浮いていたような・・・
いきなり娘の有紀が「あ、風だ~」とか言うんですよ。何事?ってちょっと思いますよ。
有紀役の人の他の台詞は浮いてないんですけど、この風の部分だけはどうも。
大事な部分を担うのになぁ。
あと、いやに目に付いたのが正太役の人の演技。どーも言葉に嘘臭さを感じました。
他の役者さんの演技は、まさに日常をそのまま見せているようでした。

[メタルマクベス]を見た翌日に俳優座でこの舞台。
派手過ぎる舞台と、地味過ぎる舞台・・・落差が激しく、だけど両方面白く、
なかなか楽しい2日間でした。

さ、これに手を加えてそのままレポートにしよ~っと。(笑)
今日の観劇は、学校授業の一貫のようなものでして・・・でも見に行けて良かったな~

5/19 メタルマクベス

2006-05-20 01:10:51 | 舞台感想
2006年5月19日 SHINKANSEN☆RS [メタルマクベス]@青山劇場

原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽・松たか子・森山未來・北村有起哉・橋本じゅん・高田聖子・粟根まこと
   上條恒彦・右近健一・逆木圭一郎・河野まさと・村木よし子・インディ高橋 
   山本カナコ・礒野慎吾・吉田メタル・中谷さとみ・保坂エマ
   皆川猿時・冠徹弥・村木仁・川原正嗣・前田悟ほか

Metal Macbeth Group(岡崎司/guitars 高井寿/guitars 前田JIMMY久史/bass
岡部亘/drums 松田信男/keyboards 松崎雄一/keyboards)


すっごく、面白かった!!面白かったしお腹いっぱいの大満足!!

・・・でも、期待値の方がチョットばかり高かったかもしれません。
成績表に例えるなら、私の期待はオール5。
結果は4が2、3個あって、あとは全て5・・・私としてはそんな感じの印象。
まぁ、オール5に比べたらってことなんで、ホント面白いですw

クドカンの脚本は、思わず『う、上手い・・・』と唸ってしまうようなモノでした。
近未来にマクベスの世界を取り入れ、それを70年代80年代のメタルバンドと重ね合わせて行く・・・
二つの世界がリンクする、その多重構造で深みが増して、
物語がより面白くなっていたように思います。

が、あまりクドカンぽっさを感じなかったのは、私だけかな~
クドカン脚本のドラマも正直あまり見ていないしw、
舞台も[鈍獣]と[七人の恋人]ぐらいしか見てないんですが、

テンポ良く今っぽい会話が続いて、
その会話の中に「そこを突くか!・・・あ~でもなんか、わかるなぁ。」
っていうw宮藤官九郎ならではの視点が入る。

っていうのがクドカン脚本の私的イメージなんですがw、
今回それをあまり感じませんでした。

クドカン×新感線という、その未知の掛け算に惹かれていた部分があったので、
その点では、ちょっと物足りなさがあったかな。
でも、次の日になってパンフ付のDVD見たら、やっぱりクドカンだぁw
リンスは私、頭に直接塗りこむタイプです。(笑)

ちょっと台詞が聞き取りづらかったのは残念。周りが笑ってるところで、笑えないのは寂しいw

さぁ、こっからは褒め倒します!!(笑)

生演技×生歌×生音楽・・・これは一体なんなんでしょうw
ライブでもないし、ただの舞台でもないし、
やっぱ新感線は新感線っていう一つのジャンルなんでしょうか。
めっちゃくちゃカッコイイです、興奮します。
もっと音楽の面を押し出して、ずっと立ちっぱなしで見る芝居。
なんていうのもありじゃないか、とか思えてきますよw

この舞台、松たか子ファン、懐の深いw森山未來ファンは必見です。

ものすっごいお嬢様。という目線で松たか子を見てはいなかったけれど、
ここまでぶっ壊れる事ができる人だとも思っていなかった。
今までに見たことのない、松さんの新しい一面に出会えましたw

森山君はまず、ダンス上手い!
ダンスができるのは知っていたけれど、でも上手いと言いたくなる!歌もいける!
松さんに負けず、森山君も良い弾けっぷりを見せてくれました。

内野さんは[不機嫌のジーン]1話を見たときに、
吹っ飛べる人だというのを知ったのでwそういう面では期待通り♪
松さんとのバカップルぶりが、本当に可愛らしくて、可笑しかった。

話が進むうちに、だんだんとランダムスター夫妻の心情が変化していくのがわかります。
本当は小さな人間であるべき2人が、欲に駆られ、手を血で染めて行く。
最初はただのバカップルだった2人が、権力への固執や恐怖から狂気に落ちていく様・・・
その辺が、これぞマクベス!!って感じなんじゃないでしょうか。

全体的にホント弾けたエネルギーに満ちた舞台で、
役者さんも、すっごく楽しんで演じているように見えます。
その楽しんでる感が、伝わってくるようです!
見ていて気持ち良くなるぐらい、みんながみんな良い意味でバカになってましたw

後半もう一度見に行きます!
またランダムスター夫妻に会えるのを楽しみに・・・☆
2人にとっては破滅のお話ですが、やっぱりこの夫婦は魅力的でした。

5/16 大人計画 まとまったお金の唄

2006-05-17 00:11:23 | 舞台感想
2006年5月16日 大人計画[まとまったお金の唄]@本多劇場

作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、市川実和子、宮藤官九郎、伊勢志摩、村杉蝉之介、
    荒川良々、近藤公園、平岩紙、内田滋、菅原永二、松尾スズキ 

大人計画による、阿部サダヲの持つ能力を前面に押し出した舞台。
とも言えるかもしれない。
阿部さんは本当に爆発力のある、素晴らしい役者さんです。
爆笑でした。彼が舞台に立っているだけで、心が弾みました。(笑)

阿部さんの喪服姿やピンクのフリフリパジャマ姿・・・
私、映像でですが本多劇場で同じような格好をした人を見たことがあります。
・・・[小指の思い出]の野田秀樹に似てる。うん、なんか似てる。
爆発的な感じといい、なんかなぁ似てるんだよw
それもあり、さらに私のツボを彼は刺激し続けました。

大阪万博の時代のエネルギーの渦の中、一つの家族の物語。
笑えて笑えて仕方ないんだけれど、人間のドロっとした部分が、
たらぁ~っと流れ出ているような舞台でした。

伊勢志摩さん、好きになりました!
高田聖子さんとの[約束]の時も『良いな~』と思ったけれど、
今日とどめ刺されましたw
友達も言っていたけれど、ちょっと秋山菜津子的。
スカした顔でとんでもないことやってくれる女優さん。

宮藤さんの役どころも、狂っていながら、
ショウコさん?を愛してるが故の辛さが滲み出ていて、最後はちょっとじーんとさせる。
所詮「人間もう○こも同じだ!!」というような台詞が、
チクっと胸に突き刺さりました。
この台詞で胸を突くことができる、そこが松尾スズキのすごいところだと思う。

荒川さんは、お母さん役。
その時点で成功している感じがしてましたがw、やっぱり良いお母さんでした。
夫が死んでしまった事が信じられず、痴呆のような状態に。
死んだことを自覚すれば忘れ、また自覚すれば忘れる・・・その繰り返し。
死に対する悲しみはいつでも同じなのに、忘れてしまうので、その悲しみを何度も味わってしまう。
忘れてしまうことの痛さがありました。

市川実和子さんや、内田滋さんらの客演組は、違和感なく大人計画の世界に。
[間違いの喜劇]に続き、内田さんはその美貌から女優を目指すんでしょうか?
ってぐらい、スカート姿が可愛らしいwwいいのかそれで!!
市川さんはほっそい!!ビビットな柄のワンピースの衣装が似合っていたし、
阿部さんとの姉妹も、爆発しまくる姉と割とクールな妹と変化があり◎

松尾さんは、なんだかやり逃げです。
あれはずるい。面白いところだけ持っていって、逃げて行く。
しかしさすが松尾スズキでした。

役者さんのことばかりを書いたのは、話がよくわからなかったからです、実はw
万博のチケットのくだりでは家族の愛も感じたし、
いたるところで人間の屈折した部分も見たような気がします。
そのあたりを感じられれば、まぁ良かったかな、と。

4列目ぐらいで見たので、役者さんが近くて、それはそれで楽しかったですが、
遠めでもう一回ぐらい見たいな~と思わせる舞台です。
が、実際問題経済的に無理なので諦めますw

5/15 白夜の女騎士 2回目

2006-05-16 01:30:35 | 舞台感想
2006年5月15日 [白夜の女騎士]@シアターコクーン

作:野田秀樹
演出:蜷川幸雄
出演:松本潤・鈴木杏・勝村政信・六平直政・立石凉子・杉本哲太・高橋洋
   山口紗弥加・持田真樹・濱田マリ・たかお鷹・六角慎司・さとうこうじ

野田さんの昔の戯曲は、とにかくイメージの積み重ねであるような気がしてきました。
(全部読んだわけでも、見たわけでもないんですが、そこは突っ込まないでw)
野田秀樹の頭の中に広がって、膨らんだイメージがぎゅっと1つの戯曲に凝縮されてる。
ストーリーが掴みにくいのは、イメージを言葉にして紡いでいるからで、
物語を追うのではなく、イメージを追うと、
ストンと腑に落ちる瞬間があるように思います。

でも、最近上演された[贋作・罪と罰]もそうだし[赤鬼]なんかも、
イメージの積み重ねというより、物語として、キッチリ成立しているんですよね。
表現方法がどんどん、シンプルになっているのか~
そのシンプル方面に進む自分と客に抗おうと思ったのが、[走れメルス]かな。

私は、[走れメルス]でハマってしまったので、ものすごく性質が悪い。

正直1回目を見たときは、『野田さんの演出で見たい!』と思ったけれど、
私としては『昔の野田さんの演出で見たい!』というのが、正しいように思います。
今の野田さんが演出しても、もう必要以上に飾り立てることはしないと思う。
今回蜷川さん演出の[白夜の女騎士]を見て、
野田秀樹の変化を勝手にですがw感じられちゃったような気がします。

私はわざと飾り立ててごちゃごちゃにした、
わかりにくいのも見たいんですが。もう無理な話だなぁ・・・w寂しいけど。
飾り立てるとしたら[走れメルス]と同じ位の作品にはなっても、それ以上はない。

 世界を越えるような、闘争本能を持ちやがれ、お前らっっ!!
 のんびりしてんじゃねぇ!!!!

って話だったと思います。
だから、主演が松本潤だった。
真っ白だったまぁるい少年が、だんだんと鋭くとがっていく様を表せる役者。
それが、彼なんだと。

すっごい個人的な感情ですが、蜷川さんに対して敬意を持つと同時に、
『70のじじぃに負けてたまるか』
って敵意?を持つことがあってw、その原因が[白夜の女騎士]見てわかりました。

[白夜の女騎士]に出てくる白い線は闘争本能を掻き立てる役割を果たすもの。

私にとって、蜷川幸雄の舞台はこの白い線みたいなモノのようですw
『超えてみろよ、お前には超えられねぇだろ。』
って、舞台を見るたびに、いっつも笑われてる気がするんだよな~。悔しいわ。
で、悔しいからまた見るw

どんどん取り留めのない方向に進んで行く予感がしますが、がんがん続けますw
自分にとって、観劇した作品に対して感じた想いを
整理して行く作業として、“ブログ”っていうのが役に立ってるみたいで。
今日は、読んでくれる方を無視します。まぁ、いつも無視しているようなブログですがw

闘争本能の象徴として存在していたのが、その後の信長。
乱世の中でないと生きられない男。
だから、サスケに富士山を噴火させろとけしかける。
噴火すれば、乱世なんでしょう。

ハムを楽しむ我関せず状態だったサスケが、ハムがきっけけで知り合った
その後の信長の革命運動に巻き込まれる。
結局、信長はしなるグラスファイバーとなり、サスケを空に飛ばす流れの一部に。
空を飛ぶ=眠っていた闘争本能が目を覚ます。
(=富士山が目を覚ます。もかかるかな。)
サスケが空を飛んだその時に、眠り姫=おまけが目を覚ます。
というのも、闘争本能の目覚めに繋がるイメージ。

おまけ=白い線=闘争本能を掻き立てるモノと解釈できるから、
信長がおまけを犯すというのは、線を越えるといことであって、
彼が本能で生きているという象徴にもなる訳で。
2回目を見た今日だったら、信長=テロリストという解釈も割とすんなり理解できるかな。

時限爆弾を作って、世界を変えようとする。
その方法は違うけれど“世界を変える”そのエネルギーの継承が、
サスケと信長、そして舞台と観客の間にあると思う。

おまけが白い線というのは、
「高飛びしようとしてファールしてしまったサスケの足の間をおまけが通る」
という演出からも読み取れるし、
惚れ薬を飲み、最初に眠り姫を見てしまった神様が、
「白い線に向かって“好きだ”と連呼する」
という場面、その他いろいろなところから読み取れます。

勝村さんの演技が、熱くて素晴らしいのは、
舞台上で蜷川さんの想いを代弁する役割を果たしているからかな、
なんてことも思いました。
 “若い世代に伝える。渡す。”
それが、その後の信長。
蜷川さんは最近、“若いやつらに伝える”ということを良く言っているように思います。
蜷川幸雄の思いを、勝村政信が汲み取っているからこそ、あの演技がある。
やっぱ勝村さんはカッコ良いな~
雑誌に載っていたインタビューでも蜷川さんは「勝村を信頼している」とおっしゃってたし。
ここまでやられたら、信頼するしかないだろうって感じかもw

私は蜷川幸雄と舞台を通じて、もっともっと闘いたいし、遊びたい。
[白夜の女騎士]を見ると、そう強く感じます。
こうやって、とりとめもなく、ごちゃごちゃと考えていくことが、
私にとって遊んでいるのと同じようなもんです。
これからも、蜷川作品追っかけます!



・・・ここまで読んでくださった方、本当にどうもありがとうございました。(笑)
原稿用紙にすると6枚弱ですw
うざったいですね。でも私自身はスッキリしましたw

5/13 勝利への脱出 SHUFFLE

2006-05-13 19:06:37 | 舞台感想
2006年5月13日 コンドルズ埼玉スペシャル公演2006[勝利への脱出 SHUFFLE]
@彩の国さいたま芸術劇場

■出場選手
青田潤一 石渕聡 オクダサトシ 勝山康晴 鎌倉道彦 古賀剛 
小林顕作 高橋裕行 橋爪利博 藤田善宏 山本光二郎 近藤良平

■構成・映像・振付:近藤良平

・・・こいつら、おもしれぇ!!!!!!!

あまり綺麗な表現ではございませんが、まさにこういう感想。(笑)

高いところ、とにかく高いところに飛んでいきたい集団だなぁと思いました。
その躍動感が見ているほうを元気にしてくれます♪
[白夜の女騎士]も空を飛びたい少年の話だし、重なるときは重なるな~

最後のダンスなんかは特に、メッセージ性が強くて感動でした。
体の動きだけで、こんな表現ができるなんて、ねぇ。

「周りから孤立しても、それでも捨てられない想いがあるなら、その想いを貫け。
壁にぶちあたって、苦しくてもそれでも進め!!頑張れ!!」

そんな風に見えました。
この時だけは、ずっと流れていた音楽が止み、
聞こえてくるのは足を踏み鳴らす音や、手拍子のみ。
それがまた良かった。孤独と力強さがより一層、強まります。

間に入る映像、人形劇、背番号クイズ、俺たちゃフーリガン・・・こちらはすごく笑えました。
フーリガンでは浦和レッツの名前がでてきたり、
背番号クイズでは、
 ②⑦⑪①③とか②⑦⑪①③⑩⑧⑥
など埼玉を意識したネタも。やっぱり客席の反応が一段と良かったかな。

客席にサッカーボールを蹴り込んだり、寝てそうな人に絡んだり(笑)
お客さんを巻き込む演出もありで、楽しい限り。

サッカーにちなんで、FKネタがあったんですが、
これはお客さんの超ファインプレーで乗り切ってました。
蹴ったボールが、上手の舞台の枠にあたり客席へ。
それに反応したお客さんが、センターブロックへボールをセンタリング。
さらにセンターのお客さんが、ゴール脇にシュート!!
ナイス連携・・・良いリズムでした。

でもサッカーじゃなくて、ありゃバレーの動きだ。だって手だもん、お客さんは。(笑)

映像は、(仮想)映画の予告だったり・・・
選手のキャラを生かした、シュールな面白さ。

間で笑い、ダンスに惹きこまれ、本当に楽しい充実した時間を過ごせます。

宝塚のような、全員が揃った綺麗なダンス。というよりも、
同じ振付ながらも、それぞれの個性が出る、そんなダンスだと思いました。
でもやっぱり目を引いたのは近藤さん。あと、4番の人も上手かったな~ダンス。

コンドルズは見ておいたほうが良い!という直感にしたがって、
今回見に行きましたが、正解でした。
近藤さんからは、良い感じに才能を感じましたよ~。
次の公演も見にいこっ☆

あ、開演前に入り口で近藤さんが笛吹いてました。
見る前に楽しい気持ちになれて、とても嬉しかった!

・・・背番号クイズの答えは「蜷川さん」と「蜷川さんとハム」です。
舞台中では食べるハムでしたが、今思えばそれこそ、今現在ハムじゃん、蜷川さんw
重なるときは、重なるな~(笑)

5/8 團菊祭五月大歌舞伎<昼の部>

2006-05-09 12:07:23 | 舞台感想
2006年5月8日 團菊祭五月大歌舞伎<昼の部>@歌舞伎座

詳しい出演者→こちら

一、 江戸の夕映(えどのゆうばえ)

本田小六:海老蔵
おりき:菊之助
堂前大吉:松緑・・・

時代は慶応から明治へ・・・武士という存在が薄くなっていた時期なのかな。
いや、予想以上に面白い演目でした。

海老蔵さんの小六。
武士としての自分を通そうとし、死にきれなかった男の惨めさが
酒をあおる姿に見て取れました。
菊之助さんと松緑さんの二人は、すごく微笑ましい。
小六を思いつづける、お登勢を心配する様はすごく自然でした。

その時代を生きた人々の思いや、生活を垣間見れたような感じです。

[江戸の夕映]の夕映えですが、ちょっと赤すぎやしませんでしたかw?
でも夕日を背負って、小六とお登勢が再開する場面はベタですが、きます。
今のTVドラマだったら、すぐさま抱き合ってハッピーエンド。だけれど、
お登勢が去り状を返し、見詰め合うだけで終わるというのが、情緒がある!
二人が再会するまでは、じとじとと雨が降っていて再会するその時、
雨があがる・・・というのもありがち。(笑)でもOKですw


二、 雷船頭(かみなりせんどう)

船頭:松緑
雷:右近(尾上右近)

船頭と雷、人間と人間じゃない者のコミカルな舞踊。
見て楽しいものでした。


三、 歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)

外郎売 実は曽我五郎:團十郎
曽我十郎:梅玉
小林朝比奈:三津五郎
小林妹舞鶴:時蔵
工藤祐経:菊五郎・・・

市川團十郎さんの登場!
(おそらく)一階席から、幕見席まで、團十郎さんが出てきた瞬間、
一目でも早く彼の姿をみようと、みんながみんな背筋を伸ばしていたはずw
お客さんの期待を一身に受ける歌舞伎役者。
そんな役者さんの舞台を見ることができる。これだけで嬉しい。

早口の言い回しが見所、聴き所。
うん、楽しかった!台詞の早口、すごいです。
音楽聞いてるみたいでしたよ、リズムが良くって。

舞台上も豪華絢爛。着物ってやっぱり綺麗だ~


四、 権三と助十(ごんざとすけじゅう)

権三:菊五郎
助十:三津五郎
権三女房おかん:時蔵
助八:権十郎
家主六郎兵衛:左團次
小間物屋彦兵衛:田之助

喧嘩するほど仲が良い。
そのままの演目。権三と助十。権三とおかん。助十と助八。
いたるところで喧嘩してましたが、嫌な喧嘩じゃありません。
殺人犯を追い詰める、ちょっとした謎解きの物語。
ただ、その犯人の名前が“勘太郎"だったのが、私は気になった。
悪い奴として、色んな人に罵倒されます、勘太郎がw

彦兵衛は実は生きていたという、ちょっとしたどんでん返しも
嬉しく、芝居の中のスパイスに。

たしか、男女蔵さん(だったと思うんですが)餅つき役も
『こういう人が昔いたんだろうなぁ~』と思わせるリアルさ。

長屋の住人達の賑やかさとか、人と人との繋がり・・・
こういう教科書には載らない歴史も経て
今の自分たちの生活がある。そんなことも考えちゃいました。

5/8 白夜の女騎士 1回目

2006-05-09 00:16:12 | 舞台感想
2006年5月8日 [白夜の女騎士]@シアターコクーン 当日券

作:野田秀樹
演出:蜷川幸雄
出演:松本潤・鈴木杏・勝村政信・六平直政・立石凉子・杉本哲太・高橋洋
   山口紗弥加・持田真樹・濱田マリ・たかお鷹・六角慎司・さとうこうじ

蜷川さんは、戯曲の全て・・・本当に全てを舞台に乗せ、説明しようとしてる??
天保十二年のシェイクスピアの時のように、両脇に電光掲示板を置き、
そこにト書きを全て映していました。
ト書き通りの世界が、目の前に広がるんです。
あと、アマチュア無線用語の解説なんかも掲示板に表示されてたり・・・

インタビューなどを一通り読む限り、蜷川さんの中には、
『“野田秀樹だからわからない”というのをぶち壊したい。』
そういう思いがあったみたいですね。

でも、私自身の無知を承知で言わせてもらうと、
“蜷川幸雄のわかりやすさ”と“私にとってのわかりやすさ”は、
全く違うように感じました。
機動隊が突然出てきても、私は何も感じられない。
私はそこから連想される過去や想いを持っていない。

サスケが空を飛ぼうとするシーンで、下に機動隊の姿がある。
それが蜷川さんの言う“わかりやすさ”を追求した場面なんだと思うけど、
私にとっては、“わからない”場面でしかなかったんです。
蜷川さんとの世代の差、かなぁ・・・。あと、もちろん私の勉強不足と。
そう言えばこの感じ[幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門]を観たときと一緒。
核となる部分が、自分の理解できる範疇にないんです。

勝村政信さんの演技が、どうしようもないくらい良かったです。
年齢的にも演技的にも勝村さんが、
蜷川さんと、私と同じ世代の松本君や杏ちゃんの間に入って、
 蜷川幸雄-勝村政信-松本潤・鈴木杏
というラインを作り、真ん中で深く釘を打ってくれたような。
あんなにカッコイイ勝村さん、初めて見ました。
[白夜の女騎士]における勝村さんの演技を見るためだけに、9000円払っても良い!私はw!

松本潤・鈴木杏の2人は、期待と寸分違わぬ演技でした。
白いシャツとジーンズ+ベルト(これがサスケの衣装)だけで、
カッコ良く見える人は、本当にカッコイイ人です。
杏ちゃんは、オフィーリアそのまま、って感じの衣装でした。白のワンピース。
どんどん2人は進化していくと思います。どんどん研ぎ澄まされていくはず。
私も負けてられないねw

開演前は、役者さんたちが通路を歩き回ってます。
舞台の上には、飛行機やらがおいてあり、役者、スタッフが入り乱れている状態。
あ、搬入口?が開いていて、外に向かって飛び出て行く演出も。

わかり易くされるよりも、わからないままであったほうが、
かえってわかりやすかったかもしれません。あーなんか意味がわからない文だw
わからなかったら、自分の経験に置き換えて考えることができたと思うんです。
でも、今回は置きかえるべきところが、提示されちゃってる。
でも私は、そこが理解できない。

・・・なんだか、どんどん迷宮入りですw

あと2回は確実に見に行けるので、気になった台詞や関係を発展させて、
どこまで考えを巡らす事ができるか。その辺を楽しもうと思います。

サスケ-おまけ
サスケ-その後の信長
おまけ-その後の信長
鳥の目-昆虫の目
コビト-巨人-神様-サスケ

「人-それは、空を飛ぶ為に四本の足から二本の足で立ち上がった動物だ。
 四ツ足の動物が、空へと助走をして行く途中の姿だ。」
「なにこころなくひいた一本の境界線が、人間の闘争本能をつくることってあると思うんです。」
「ヒトは、どうして、たった一本の線のために闘うのだろう。」

ほんの一瞬だけ、何かを掴み掛けたように感じる時があります。
その一瞬がすごく楽しい。これは[走れメルス]を観たときと似てる。


↑当日券GETの名残写真。

5/6 カムカムミニキーナ フロシキ

2006-05-07 00:18:56 | 舞台感想
2006年5月6日 カムカムミニキーナ[フロシキ]@THEATER1010

作・演出・出演:松村武

出演:八嶋智人・山崎樹範・藤田記子・吉田晋一・佐藤恭子・亀岡孝洋・坊薗節子
   田端玲実・米田弥央・小島啓寿・中島栄治郎・上田知嗣・長谷部洋子

ゲスト:仲坪由紀子(中坪由起子改め)・矢沢誠

うーん、正直久々に何も感じることができない舞台を見てしまった。という感じ。
時空が飛びまくり、理解できない世界が広がる舞台は嫌いじゃぁ~ない。
むしろ、理解できないからこそ考える。
そこ楽しさがあるので、好きです。
でも、今日は考えるまでいかなかった。

考えたくなる舞台っていうのは、私の場合だと、
わからないながらも大きなエネルギーを感じるモノである事が多いんですが、
この舞台からは、あまりエネルギーを感じませんでした。

八嶋さんが出ているから、かろうじて楽しめたような・・・
八嶋さんのミラクル的ハイテンションは、やっぱり凄いです。
劇場の空気を動かしますw楽しかったぁ~

タイトルのフロシキ・・・風呂と四季の言葉遊びなのかな。
ハルとアキという女性、お風呂、そして風呂敷がいたる場面で出来きました。
が、それらを関連付けて、想像して楽しむまでには至らず。
あくまでも私の場合ですけどね;

そもそも私がカムカムミニキーナを観てみよう!と思ったのは、
松村さんの
「何せ僕は“遊眠社が好きな奴”と明らかにわかる芝居を、若い頃からやってきたので・・・」
という[走れメルス]のパンフの言葉がキッカケ。(笑)
遊眠社を生で見たかった私は、遊眠社の影を追っちゃてたかも。
松村さんは、松村さんのお芝居をやっているはずなのに、それじゃあ、ダメか。

[タイタス・アンドロニカス]を観た後だったのも、楽しめなかった原因として大きいかも。
タイタスの世界は、圧倒的に綺麗だったから、ギャップをものすごく感じました。

[ライフ・イン・ザ・シアター]、[弥々]、そして[フロシキ]と続いた、
北千住通いも今日で一段落。
あ、今日は2階席の1列目で見ましたが、見易いですね~♪
でも1階席と温度差の違いも感じましたw
1階席のほうがあったまってましたね。


上からみた1010w

なんだか急に野田秀樹の演技が見たくなってきました。(笑)
[小指の思い出]でも見ようかな~。

04/10/31 夜叉ヶ池 東京千秋楽

2006-05-06 00:08:07 | 舞台感想
2004年10月31日 [夜叉ヶ池]@PARCO劇場

演出:三池崇史
脚色:長塚圭史
美術:会田誠
原作:泉鏡花

出演:武田真治・田畑智子・松田龍平・松雪泰子・遠藤憲一・きたろう
   綱島郷太郎・涼平・鈴木ユウジ・森川涼・蛭子直和・萩原聖人・丹波哲郎

暇なんですよ、暇なんで私の今までの観劇作品を振り返ってみたいと思います。
ちなみに記憶のみで振り返りますw
つまり1年半以上前の記憶です。正直あやふやです。(笑)
でも暇だからやります。

初観劇作品!
TVドラマ[ビギナー]で松雪泰子さんのファンになったのがキッカケ。
舞台に興味が出てきた時期だったので、友達と観劇決定!

・・・松雪さんがなかなか出てこないw
それが最初の思いかな。
脚色が長塚圭史さんだったけれど、
京三さんの息子なのか?ぐらいの思いしかなかったし、
武田さんと、田畑さんのシーンがやたら長かったという印象が。
しかも、メリハリがなく単調で、今思えば正直面白くなかったかな。

でも、松雪さんの登場シーン。
遠めの席だったけれど、オーラを感じました!
これを待っていた!というような。

あと、荻原さんやきたろうさんが出てくるシーンはテンポが良くなって、楽しめたな~

暗めのシックな舞台美術で、三途の川のような景色が舞台の奥まで続いていました。

武田真治さんファンらしき人が前の席にいて、先笑いするので、ゲンナリ。
ファンだからこそ笑ってしまう。そういう場合があるのは凄く良くわかるけど(笑)
周りのほとんどの人は、初見の人ばかりだから、
ちょっと…どころじゃなくw困る。

[夜叉ヶ池]は松雪さんの初舞台出演作品。
次回作が新感線の[吉原御免状]になるとは思ってもみなかった。
完璧な形での2作目だったんじゃないかと。
堤さんとの共演…[ビギナー]で二人のファンになった私にとって本当に嬉しかった!
松雪さん、次はどんな舞台に出演するのかな。楽しみです☆