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新ブログ更新履歴

2007-07-05 01:39:07 | 舞台感想
旧ブログから新ブログに飛んできてくださる方が、
ずーっといらっしゃるようなので、新ブログで舞台感想をUPした時だけ、
リンクを気まぐれで追加していこうかと・・・
更新せずにほったらかしたまま、ブログを削除しないのも気がひけるんでね。

新ブログはこちらからどうぞ。
accomplice→http://accomplice2006.blog85.fc2.com/

2007年
1月4日→『朧の森に棲む鬼
1月5日→『ヘイズ・コード
1月10日→『朧の森に棲む鬼
1月11日→『維新回天・竜馬伝! ザ・クラシック
1月15日→『新春浅草歌舞伎 第一部
1月15日→『スウィーニー・トッド
1月17日→『朧の森に棲む鬼
1月20日→『禿禿祭 ゲスト 清水ミチコ
1月22日→『朧の森に棲む鬼
1月23日→『新春浅草歌舞伎 第二部
1月26日→『朧の森に棲む鬼
1月31日→『ロープ

2月8日→『コリオレイナス
2月9日→『私はだれでしょう
2月13日→『song&dance ハムレット
2月21日→『ひばり
2月22日→『フール・フォア・ラブ

3月6日→『パリの空よりも高く/ファンシーダンス
3月7日→『グッドラック、ハリウッド
3月13日→『橋を渡ったら泣け
3月14日→『TOMMY
3月15日→『パリの空よりも高く/ファンシーダンス
3月16日→『かぶき座の怪人
3月18日→『グッドラック、ハリウッド
3月20日→『三月大歌舞伎 義経千本桜 川連法眼館 奥庭
3月24日→『霧太郎天狗酒醼
3月25日→『さくら/シークレットハンター
3月25日→『さくら/シークレットハンター
3月27日→『姿月あさとシンフォニックコンサート
3月28日→『恋の骨折り損
3月29日→『パリの空よりも高く/ファンシーダンス
3月29日→『太陽にくちづけ7

4月3日→『A/L-怪盗ルパンの青春-
4月5日→『写楽考
4月10日→『明智小五郎の事件簿-黒蜥蜴/TUXEDO JAZZ
4月18日→『ジューゴ
4月26日→『明智小五郎の事件簿-黒蜥蜴/TUXEDO JAZZ
4月26日→『ジキル&ハイド
4月28日→『写楽考
4月28日→『写楽考
4月29日→『写楽考

5月2日→『コンフィダント・絆
5月12日→『LUV
5月14日→『魔法の万年筆
5月15日→『LUV
5月24日→『藪原検校
5月27日→『Romeo&Juliet
5月29日→『犬は鎖に繋ぐべからず
5月30日→『ドブの輝き
5月31日→『魔法の万年筆

6月4日→『さくら/シークレットハンター
6月7日→『さくら/シークレットハンター
6月8日→『夏の夜の夢
6月11日→『大坂侍
6月11日→『魔法の万年筆
6月12日→『ダル・レークの恋
6月13日→『六月大歌舞伎 昼の部
6月15日→『大坂侍
6月18日→『ダル・レークの恋
6月19日→『さくら/シークレットハンター
6月21日→『蝶々さん
6月25日→『さくら/シークレットハンター
6月25日→『少女とガソリン
6月26日→『Moon glade vol.2
6月27日→『THE BEE
6月28日→『三人吉三
6月30日→『船上のピクニック

12/11 ナイス・エイジ

2006-12-12 01:52:35 | 舞台感想
2006年12月11日『ナイス・エイジ』@世田谷パブリックシアター

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:峯村リエ 大倉孝二 みのすけ 松永玲子 長田奈麻 新谷真弓 
   安澤千草 廣川三憲 藤田秀世 喜安浩平 大山鎬則 吉増裕士 
   杉山薫 植木夏十 皆戸麻衣 柚木幹斗 佐藤誓
   志賀廣太郎 原金太郎 坂田聡 池谷のぶえ 加藤啓 松野有里巳
   立石凉子

うわ、人数多いな。(笑)

笑って笑ってほっこりして、良い舞台でした。

バラバラな家族、佐藤誓、峯村リエ、大倉孝二、長田奈麻の4人が、
お風呂のお湯加減をみるのをキッカケに、
様々な時代にタイムスリップしてしまい、
そのタイムスリップ先の時代で自分の家族だったり、
関わりのある人物と出会い、ちょっと歴史を歪めつつも、
あぁ今の家族も良いじゃないか。と思い直す、そんな話。

どんな話だ。

見ればわかる。
面白い。
演出もパッと目をひく場面があったりで、さすがケラさん。
初演はどんな感じだったんだろう。
世田谷パブリックシアターの空間にも凄く合っていると思う。

『M.A.』は一人だったけど、『ナイス・エイジ』は友達と一緒。
彼女はケラ好き。
「ケラさんの舞台は音楽、お洒落だよね~」
などと開演前話をしていたんだけど、やっぱりオシャレさんだ。
しゃれている。
ヴァージニアウルフも、漂う電球も、ケラさんの舞台の音楽はオシャレ。

しゃれてると言えば、スクリーンの使い方も。
出てくるタイミング、その利用方法。こちらも粋な感じ。
ケラさんと蜷川幸雄は実は仲良しか?(笑)
労働者Mでも蜷川さんの名前を出していたけど、
今回もカーナビの画面に、蜷川さんの似顔絵登場。

ちょっと洒落たコメディを見てるぞ、私。

そう思わせてくれるのも、ケラさんの舞台の面白いところかもしれない。

またまた開演前、
「客演の志賀廣太郎さんは、恋チカの楠木文具の社長だよ。
 楠木文具は声が良いよね~。あの電話越しの声とかさ、最高だよ。笑」
と、楠木文具の声話で盛り上がっていたら、
冒頭から志賀さんの声が、廣川さんと池谷さんに褒められまくっているではないか。
やっぱり・・・!と、心がニヤニヤしてしまった。

大倉孝二とか、あのひょろっとした存在だけで面白いし、
峯村さんもやっぱり居るだけで面白い人だし、
いや~やっぱ良いなぁ、ナイロンも。
“も”というのは、大人計画を視野に入れての“も”。

志賀さんと、立石涼子さんがどうナイロンの世界に入るのか、
若干心配だったんだけど、志賀さんはトランクスにスーツでの登場場面も
受け入れていたようだし、立石さんも激しい台詞言ってたし、
やってる本人がどういう心情なのかわからないけれど、
見ている側としては、楽しかった。

池谷さんは、弾けすぎで怖い。
ヤバイ人見ちゃった。という気になる。
そこがまたいいんだけど。

にしても、私はいつ『タンゴ・冬の終わりに』から抜け出せるのか。
池谷さんと原金太郎さんは夫婦の時空警察。みたいな存在なんだけれど、
その2人に指令を出す人物が、声だけで出演。
誰って、秋山菜津子。
秋山さんの録音の声が、
2人の演技に絶妙なタイミングで絡んで、笑いが起きる。
秋山さんが「このバカ!」とかなんとか覚えてないけど、
いっろいろオモロイ台詞を言ってる。
キリっとした演技をする歯切れの良い女優さんで、
コメディもいけるところが、また好き。幅が広い。
『キレイ』もう一回見たいなぁ。
真面目にやってるのが笑いに繋がる。そういう雰囲気を持ってる。

にしても、声だけっていうのが、想像力をかきたてる。
ぎんはあれから少しは幸せにやってるんだろうか。
タンゴ~一番幸せだったのって、やっぱり盛だと思うのよ。
理想を抱えたまま飛び立っていけたんだし。
でも、ぎんは一生、盛の事を抱えて生きていかなきゃいけないでしょ?

・・・で、ナイスエイジの話だよ。

もし2回見たら、色々な伏線も当然仕掛けられているだろうし、
これは楽しめるな。と、ただただ単純に思えました。
きっと、同じところで笑って、しんみり、ほっこりしてしまうと思う。

私ごときに言われたかないだろうけど、
やっぱりケラリーノ・サンドロヴィッチは面白い舞台を作る男だな。
と、再認識した次第です。



と、言うことで12月11日ハシゴしました2つの舞台の感想でした。
少しでも、楽しんでいただけましたら、クリックよろしくどーぞ。

12/11 マリーアントワネット

2006-12-12 01:03:02 | 舞台感想
2006年12月11日『マリーアントワネット』@帝国劇場

[劇作・脚本・作詞]ミヒャエル・クンツェ
[音楽]シルヴェスター・リーヴァイ
[演出]栗山民也
[出演]涼風真世/新妻聖子/井上芳雄/土居裕子/石川禅/高嶋政宏/山口祐一郎/他

他を見たことがないからかもしれないけど、
言われているほどつまらなくなかった。
むしろ、まぁそこそこ面白かった。

涼風真世見れて嬉しいなぁ~っていう気持ちも、
もちろんその中に含まれる。
だって声がPUCK。
「じゅうご足!」「ガラスじゃなくてダイヤで!」
とか言ってるその声がPUCK。
歌声も私がビデオで見て、感じてきたそのままのカナメさん。
あんた一体いくつだ。
今の私にとって、“そのまま”を感じられることが一番嬉しい。
宝塚時代から成長していないとかそういう意味での“そのまま”ではなく、
個性が“そのまま”ってことね。それが嬉しい。

最初のほうに出て来た、衣装売りのおばさんと、
後半出てきたプードルみたいな髪形の人が春風ひとみさん?あってるかな。

まだまだカナメさんのマリーアントワネットを見た感想を言わせていただこう。
削ぎ落とされるほど綺麗だ。
どんなに着飾っても、最後ギロチン刑を待っているときの、
あの無駄のない美しさには敵わないんじゃないかと思う。
変身憑移系の涼風真世の特性は、
後半に近づくに連れてより強く現れてくる。
目が綺麗な人だなぁー、声も好き。
直立不動の立ち姿が凛々しかった。
その立ち姿から、表情から様々な感情が伝わってきた。
恐怖とか、決意とか・・・。
立ってるだけでだよ?これは、凄いカナメさん、見れて良かった。
(贔屓目かなw?)

人間同士争いは続く。
アントワネットに虐げられていた市民たちが、
その憎しみの元に今度はアントワネットを処刑する。
憎しみの連鎖。
しかしそれすらも超越し、
操る存在があるっていうのが『M.A』のポイントか。

ただマリーアントワネットの一生を描いた作品じゃなく、
その周りにまた一つ大きな輪を作って二重構造をなし、畳み掛けてきた。

うーん、畳み掛けようとしてきた。かな。

畳み掛けるにはインパクトが弱い。全体的に地味。
『堕天使の涙』みたいな見た目の派手さがあれば、
また違った作品になるんじゃないかと思った。
植田景子が演出したらどうなるか…
ってここでこの人の名前を挙げるのか私。
まだ1作品しか見たことないくせに。
舞台美術が質素な感じでも、
照明でいくらでも変えられるような気がするんだよね。

幕間や終演後、

「涼風真世があんなに歌えるとは思わなかったわ。」

という声を聞いてニンマリしてみたり、

「最初に出て着たときの涼風真世のドレス汚いわねぇー」
「カーテンコールぐらいドレスで出てくればいいのに!
 私はそれを期待してたのよ~初日はあの間に着替えて来たのよー」

という声を聞いて、全くそんなこと思わなかった私は、
求めるものが違うのかも知れないなぁ~と納得してみたり。
いやはや面白い。
そういえば、あんなドレス姿の人が出てくる舞台、
宝塚以外で初めて見たかもしれない。
ドレス経験値が低いんだ、私。
汚いとかどうとか、よくわからん。

帝国劇場も歌舞伎座なんかと一緒で固定客みたいなのがあるんだろうな。
決まった客層っていうのを掴んでる気がした。
本日初帝劇でしたが、またここも良いなぁ♪
洋の空気を持った歌舞伎座みたいな雰囲気がある。
ちょっと重厚な感じで。
また作品によっては行ってみたい劇場。

最近は違和感無くなってきたと思ってたけど、
やっぱりまだ
『それはフツーに喋れよ!』
っていう部分を歌われちゃったりすると見ていてこっぱずかしくなる。
女性のみの劇団っていう部分で、
宝塚はこっぱずかしさを越えちゃってるのか。
もうどーでもいいや。なんでもかかってきなさい。みたいな。

革命を起こそうとする市民の姿・歌声なんかは、
なかなか迫力があったけど、もっとド派手な感じでも面白いかも。
色味が少ない分華やかさがないので、迫力で攻めてくれ。

訴えたい部分は伝わってきたけれど、
だったら『ロープ』を見たほうが、よっぽど強烈。
行き着く先は、さほど変わらないと思う。

とりあえず涼風真世が見れて嬉しかった。
井上芳雄、山口裕一郎、この二人は良く良く名前を見るので、
実際に見て『なるほど!こんな感じなのか。』と知ることができたのも収穫。
すっごい正統派だな、井上君は。

日本人が作る日本語のミュージカルで、
ガツンと訴えてくる衝撃的なモノを見てみたいなーと思った。
(もはや、ミュージカルは好きだぞ、私w)
翻訳される時点で、どうしても微妙なニュアンスって、
違ってきちゃうんじゃないかな。
だったら、日本人が日本人の感覚で作るミュージカルを。
で、日本語が綺麗なのがいい。
で、で、なんか『普通に面白い』だけじゃなくて、
それこそタンゴ~を見た後みたいな余韻が残るそんなミュージカル。
なんかいい作品あったら、このミュージカル初心者に教えてやってください。



有楽町!ってことで、またまたまた宝塚アンに足を踏み入れてしまった。
有楽町に着いたのが12時20分ぐらいで、開演が13時だってのに・・・
そんなになんか欲しいのかよ。
あぁ欲しいんだよ。悪いか。
しかし、あの店は慣れない。
あの店に慣れないんじゃなくって、あの店にいる自分に慣れない。
ソワソワしてしまう。額から汗出そうになる。
いや、出る。(笑)
じっくり歌劇のバックナンバーの見本とか見れない。
だからなんか、ジャケ買いみたいな感じになってしまう。
パッと見て、ゆりちゃんか久世さんのインタビュー、写真があったら買う。
1冊1冊内容を確認して購入する心の余裕がなくなるね。

そんな事してるから、帝国劇場まで迷いそうになるし。
一回その場所には行ったことがあったから、
『地図とか見なくともわかる!』
と、余裕ぶっこいてたんですが、アンに寄ってしまったため、
そこからの道がわからなくなって、内心焦った。
近かったからすぐ着いたけどさぁ~・・・
もう、本当にバカじゃないか、アンに寄ったおかげで焦るとか。

ホント宝塚は怖い。

12/5 ロープ 初日

2006-12-06 00:16:57 | 舞台感想
2006年12月5日 野田地図第12回公演『ロープ』初日@シアターコクーン

[作・演出]野田秀樹
[出演]宮沢りえ/藤原竜也/渡辺えり子/宇梶剛士/橋本じゅん/三宅弘城
   松村武/中村まこと/明星真由美/明樂哲典/AKIRA/野田秀樹

見ている最中、見終わってすぐ・・・
正直なにも胸に響いてくるものがなかった。

なにも、ではないか。
言葉の端々、演出の端々でそりゃ感じることはあった。
でなきゃ嘘だ。
でも、全体をみてガツンとやられたか、というとそうでもない。

帰り道の電車の中、家までのチャリ、つらつら舞台のことを考える。
家に着いて、野田さんのサイン入りポラを見た瞬間、
反射的に自分自身のあまりの無力さに涙が出た。
数時間遅れでガツンとキタ。
でも、この涙も所詮偽善。
野田さんのパンフの文の通り。
泣いてる自分に酔っているだけ。
本気で涙を流した人は、その涙から一歩進んで行動に出るはずなんだ。
私は行動しない。できない。ゆえに無力。
エンドレス。(笑)

プロレスでのロープは、暴力を跳ね返す。
観客が求める展開の為に八百長をする。
求める人がどこかにいるからこそ、暴力が生まれるんだ。

私は『ロープ』を今日見て、
カーテンコールでスタンディングしようなんて、全く思えなかった。
ってことで、スタオベがあったんですが、立ってた人は5分の1ぐらいかな。
周りと自分の温度差に、戸惑った。

これ、スタオベするほど響いてくる芝居だったかな。
戯曲だけ読んだほうが、
よっぽどシンプルに伝わってくんじゃないかと思った。
まだパンフを全部読んだわけじゃないけれど、
それと野田さん恒例の文章。
芝居見るよりも、この文章の方に私は心が揺れた。
(戯曲は12月7日発売の新潮に掲載予定らしい。
・・・って、今新潮のHP見てきたけど、次号予告に野田秀樹の名前なし。
私なんか見間違えてるかも?言葉半分で受け取ってください。
ただ7日からは劇場での販売もあるそうです。これは確か!覚えてる!)

早く戯曲が読みたい。
なんだか、伝わってきてほしい言葉が、
流れていってしまったような感じがする。

野田さんは今日の客席の笑い声を聞いて、一体何を感じただろう。
これだけの役者さんが揃っているんだから、
笑いが起きるのは間違いない。私もそれは楽しみにしてた。
でもなんだか、劇場に響く笑い声が、
バラエティー番組で聞こえてくる笑い声と変わらない気がした。
あれは、笑う事を第一に劇場に来ている。そういう笑い声。
そこからしてもう怖い。嫌だ。

世の中にはどれだけ疑ってかかっても、
疑りきれないくらいの量の情報やら、物が散乱している。
それのどれにも流されず、影響を受けず生きていくなんて、
まず100%無理なんだけど、
「流されて、影響されて生きている。」
ってことだけは、気に留めて置くべき。
じゃないと、とんでもないことになりそうで、それも怖い。嫌だ。
求める人がいるから、くだらねぇものが蔓延して、
そこからまた更に腐っていく。
見る側がレベルアップしない分には、もう何も変わらない。

芝居を見ても私には響いてこなかったけど、
野田さんが響かせようと思っていたことを考えていくと、響いてくるものがある。
だから、サイン入りポラ見て反射的に号泣した。

最後、視聴率の桁を間違えていた。
そして、食事を食べたコロボックルがいたということは、
野田さんの願いというか、戯曲に込めた希望じゃないかな。

残虐になればなるほど上がる視聴率。
視聴率を上げるために、残虐さが増すプロレス=戦争の世界。
本当に痛みを持っているのは、戦争の最前線で生命かかってる人たちのみで、
見る側は自分とは関係のない出来事として、
その痛みを面白がって受け止める。
関係ないことなんてない。見てるんだから。どんなに遠くても。

劇中、暴力性が増したプロレス中継の視聴率が
50%、95%と上がっていくのだけれど、
最後の最後、本当は桁を間違えていて0.5%だった。
という話になる。
0.5%であってほしい。という野田さんの願いだと私は受け取った。

舞台真ん中にはプロレスのリング。
盆も多様。
安っぽくいんちき臭いベニヤ板のセット。
扉になっていて、出入り可。
これまた安っぽい実況台。
プロレスのリングの下も出入りできるようになっていて
(ペット用の扉みたいな感じでw)
そこから宮沢りえ演じるコロボックルが出てくる。

なんだか宮沢りえは存在がみずみずしい。
羽野晶紀、深津絵里系の野田さんが好きなタイプの女優さんじゃないかなw
声は好きなんだけど、台詞が聞き取りずらかったり、
説得力がなかったりするような。
りえちゃんの台詞、ベトナム戦争の際、4時間で消えた村の描写とか、
この辺はかなり話の中核を担う部分なのに、弱く感じた。

藤原君は、痩せた身体でプロレスラーを文字通り熱演。
顔も身体も真っ赤だった。
どうしても藤原君は台詞が重苦しい気がする。
私のイメージの問題かな。うん、古典だ!って思ってしまう。
『オイル』に引き続き、やっぱり藤原君と対になるじゅんさん。
じゅんさんは「俺はキラじゃなーい!!」とかなんとか絶叫して、
大爆笑をかっさらってた。
でも、芝居が緊迫してくる場面では締めるとこ、締める。

野田さんと渡部えり子さんが夫婦。
見た目どおりの力関係の夫婦。野田秀樹、弱すぎる・・・w
野田さんはケーブルテレビかなんかのディレクター役で、
そのアシスタントが三宅っち。
この3人のやり取りが、一番ノリが合っているというか、面白かったかな。

宇梶さんは、悪役なんだけど人に愛されたいレスラー。
明星さんがそれに付き添う女レスラー。
中村さんは、インチキ臭満載の入国管理人。
松村さんがレフリー。

こう自分としてはどうも消化不足。
もっともっと言葉と芝居で脳みそ刺激されたかったんだけど、
刺激してくれそうで、すれすれを掠っていった。そんな感じ。
だからとりあえず、一刻も早く戯曲が読みたい。
読んでから見たほうが、突き刺さる気がする。



ということで、私の『ロープ』初日感想でした。
台詞を覚えるぐらい見まくったら(笑)、
感じ方がまた一変するかもしれないなぁ~。
なんか変な感じなんですよね。
もっと突っ込んで行きたいのに、ストップしちゃって。
生々しすぎたのかな。
『あっちこっちに話が飛んで、もうよくわかんないんだけど、
ここがポイントだ!ここから紐解いてきたい!』
と思える部分がちっちゃかった。
なかった訳じゃないけど、ちっちゃかった。
紐解く楽しさが大好きなんですが、それはまぁジワジワと味わえそうかも。

あ、パンフの対談に中村勘三郎登場!
やったー!思わずニヤケたわw
野田秀樹と中村勘三郎の挑戦し続ける50代コンビが大好きなんです。
中村勘三郎、08年、野田地図出演決定だそうで・・・w
いやはや楽しみにしていますよ。やるでしょ彼らなら本当に。
あとは『人間の暴力を煽る側をもうちょっと掘り下げた作品』ですか。
もう、なんでもかんでも楽しみにさせて頂きます。

11/30 堕天使の涙・タランテラ!

2006-12-01 01:12:40 | 舞台感想
2006年11月30日『堕天使の涙/タランテラ!』@東京宝塚劇場

作・演出・出演者→こちら

『堕天使の涙』・・・これは、見た目の綺麗さと、歌の迫力で、
なんだか無理矢理押し切られたな。
でも無理矢理押し切るその力も必要だよね。

初植田景子演出。
今まで見た中で一番“色”が綺麗な舞台だった。
青いバラの場面とかもそうだし、“色”の見せ方が場面場面で美しい。
あと舞台美術も凝ってたように感じられた。
なんていうか、割と今時で、尚且つ、宝塚宝塚してるのが良いんじゃないかな。

話は、もっと明るい話にすれば良かったのに~
って、まず単純に思った。

『人間とは一体?』
という、深く重い方向に話が進んでいく。
生徒の番手に合わせて、役を作らなきゃいけないから、
こうなってしまうのはしょうがないのかもしれないけど、
登場人物が多いので、あっちゃこっちゃに話が散らばってしまい、
テーマは深くて重いのに、そこに突っ込んで行くには、
それぞれの登場人物の描写が軽い気がした。
テーマの割には、薄っぺらい印象。
でも、言いたい事っていうのは、伝わってきたかな。

人間が持っている様々な欲。
その欲のせいで、傷つき、苦しむ人間の姿。
自分の欲を満たすために、どんどん醜く変貌していく・・・
けれど、それだけが人間の姿ではない。
そういう一面があるのも確かだけれど、
でも一方で、他人を思いやれる優しい心を持っているのも、人間なんだと。

それを堕天使のルシファーは、感じ取っていくわけです。
うーん、朝海ひかる、演技は単調だけど、堕天使似合うねっ!
天使、じゃなくて、堕天使です。
もう、ダンスがキレイ。
形がピシっと決まるのが、観ていて気持ちが良い。
水さんとのデュエットダンスも、
始めのほうにあって、なかなか見ごたえありました。
あとは、同時退団の舞風りらさんとのダンスも良い感じ。

これ踊らせるために、娘役トップがあの役なんですね。

ここ以外、寝たきりですから彼女。(笑)

冒頭と終盤は芝居と歌と踊りとで、メリハリがあったんですが、
中盤は、ほぼ台詞で話が展開されていったので、
中だるみしたように感じた。
それこそ、人物の描写が薄いから、
台詞だけだと惹き込みきれないんじゃないかと。

でも、なんとか飽きることなく最後まで見れました。

「あんたのダンス、忘れないよ。」
っていう、水→朝海の
いきなりさよなら公演を意識させる最後の一言も、
すんなり素直に受け止めて、楽しみました。

こことあと、ショーでの朝海・水の力強いハイタッチとか見て、
「よし、これでチケ代のもとは取ったな!」
とか、思えるようになってきた私は、
どんどん宝塚の深みにハマってるような気がするんですが、
どうなのよ、これ。(笑)

『タランテラ!』
これは、芝居と打って変わって、色彩が気持ち悪い舞台だったなぁw
でもなんか面白いって言えば、面白い。
衣装も朝海ひかる一人黒燕尾で、他蛍光みどりとか、
周りと合ってなくてチグハグしてたりで、
なんだか妙な感じがしたけど、
やっぱりなんか面白いって言えば、面白いかも。(笑)

ダンスメンバーと歌メンバーが、
きっちり分かれてるよう思えたんですけど、分けてますよねこれ。

でもどうせなら上手いダンス・上手い歌だけを見聞きしたいから、
いいのかもしんない。
両方できれば言うことないんだけど、なかなかそうもいかないだろうし。
それぞれの得意分野が生きれば、それが充実したショーに繋がるんじゃないかな。

最近「中詰め」っていう言葉を覚えたので、見ながら
『お!これか中詰め?!いっぱい人出てきた・・・うん、なるほど、これだ!』
と、新しく覚えたヅカ用語を実感できて楽しかったです。(笑)
中詰め、銀橋がわんさかして面白いですね。

色の気持ち悪さが、気持ち悪すぎて、案外ハマるというか、
そもそも蜘蛛を取り入れたショーだし、気持ち悪くてもいいのか。
あそこまで奇妙な色の組み合わせの舞台には、
なかなか出会えたもんじゃないので、もう逆に新鮮でした。

ダンスも歌も堪能できたし、気持ち悪かったし、楽しかったですよ。

この公演で、コムさんが退団かぁ。
私の初生宝塚がコムさんでした。『霧のミラノ/ワンダーランド』かな。
よくよく考えれば、かしげも出てたんだよな。
なんとなく記憶にあるような。
また、朝海ひかるのダンスをどこかで見れたら嬉しいですね~。
お疲れ様でした!


今日の朝から、タンゴ・冬の終わりにが頭から離れなくなる、
タンゴ病再発してます。(笑)

今日も劇中でタンゴのシーンがあったんですが、
「タンゴ」って言葉を聞いただけで、盛と水尾が踊りだすし、
朝海ひかるの背負ってる羽根見て、
「うわっ、孔雀、孔雀。」とか思ってるし・・・
・・・はぁ、末期やなw
しょうがないんで、しばらく余韻に浸って切なく楽しんでようと思ってますw

11/29 タンゴ・冬の終わりに 千秋楽 6回目

2006-11-30 02:23:12 | 舞台感想
2006年11月29日『タンゴ・冬の終わりに』千秋楽ソワレ
@シアターコクーン 6回目

[作]清水邦夫
[演出]蜷川幸雄
[出演]堤真一/常盤貴子/秋山菜津子/段田安則/毬谷友子
   高橋洋/月川悠貴/新橋耐子/沢竜二/他

マチネを観て、感情出し切ってしまったようで(笑)、
舞台と共に一緒に気持ちを発散していく、というよりは、
役者さんの芝居をただ受ける、心に留める、といった感じで観劇。

『終わっちゃうんだ・・・』
という切なさは、マチネのほうがなぜか強かった。

ただ忘れないように、1つ1つのシーンを惜しんで、
観て、観て・・・というのを繰り返していたら、
3時間過ぎるのが凄く早かったように感じましたね。

そんな中、大ベテラン新橋耐子さんがやってくれましたよ。(笑)
連が大切にしているw、味の違う2つのパンを、
新橋さん演じるはなが、何も知らずかっぱらって食べてしまい、
注意され即座に吐き出す。そんな場面があるんですが、

パン飛ばしすぎ!!
スイカの種か!!

私が見た過去5回は、ただ口からポロっと落とすだけだったのに、
新橋さん、あれ明らかにプッ!!って吹き飛ばしましたよw
しかも自分で自分の行動にウケていた節もある。最高だぜ。
通常以上に飛んだパンを見て、洋さんもおそらく素で笑ってました。
勢い良く飛んだパンと、その素っぽさに客席も爆笑ですね。

マチソワ連続観劇っていうのは、初だったんですが、
観てるだけの私ですら気持ちがあっち行ったり、こっち行ったりで疲れたのに、
それをたった2時間のインターバルで、
同じものを演じてみせる役者全員が、化け物に思えました。
思いのほか2時間っていうのは、短い。
体力的、そして精神的にもタフじゃないとやってられないな。

カーテンコールは、本当にもうチームワーク抜群の
良いカーテンコールでした。これがあるから千秋楽はたまらないw
2、3回目からスタンディングオベーション。
何回カーテンコールがあったとか正確に覚えてないので、
印象に残った出来事を、うる覚えの順番で挙げてみます。
雰囲気重視のレポってことで。(笑)

まず、流れていた蛹化の女(ゆったり系)が途中で、
手拍子しやすいアップテンポの蛹化の女?に。
そこからもう、手拍子の嵐ですわ。
毬谷さんが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねてたのが凄く可愛かったw
桜の花びらではなく、銀と青のキラキラしたテープが、
ぶわーっと宙を舞い、さらに、余った?(笑)孔雀の羽が降ってくる。
気が付くと、階段の一番上中央に、蜷川幸雄が。
黒で目立つな。髪の毛も薄・・・(以下省略)
かなりニコニコして嬉しそうでした蜷川さん。

幻の観客、階段下で待つ堤さん達、そして客席から出た
「蜷川、下降りて真ん中に立ちなさい。」
オーラに押され、蜷川さんが階段を降り、中央に。
みんながみんな充実感いっぱいの笑顔で、
見ているこっちも自然と同じ笑顔をになりました。

蜷川さんはまず、堤さんと握手。
その後、常盤ちゃん、秋山さん、段田さんと握手したのかな。
隣同士の洋さんと毬谷さんやら、秋山さんと堤さんやらが、
笑顔で言葉を交わす場面もあり。
堤真一から投げキッスもあったなw
喜ぶ客席のファンw
こんなことするなんて堤さん・・・本当に嬉しかったんだろうなぁ。
吉原の時もやってましたかね。ったく、私も嬉しいってのw

拍手鳴り止まず、また幕が上がる。

常盤ちゃんが堤さんに
「なんか喋りなよ!ほら!ほらっ!」的なジェスチャー。
堤さんは照れてニコニコしながら、
「いや、俺、無理、いやいや無理だから。何言えばいいかわかんねぇもん。」
といった感じ。(この辺、予想ですから。笑)
それを微笑ましく見つめる他の役者陣。

「ま、とりあえずお辞儀しましょう!」と座長堤が、手を広げ、
前に出よう!と周りを促すが、どーも周りと息が合わない。
毬谷さんだけが反応して、2人して2、3回前行ったり後ろ下がったりを
アイコンタクトとりながら繰り返していた。
何がしたかったんだ、堤・毬谷は。(笑)

全員でのお辞儀も無事終わったけれど、まだまだ鳴り止まない拍手。

やっぱり堤真一に何か一言、言わせたい周りの雰囲気。
だけどツッツン、おろおろするだけでw、拍手は止まない。
そこに神・段田安則登場。
客席をパッと見て自分に注目させ、
「ハイ!拍手やめ!!」といった感じで、サッ!と手を広げ見事拍手を止める。
この辺り、観客も堤真一の一言に期待していたので、
段田さんと一心同体です。ホントにピタっと拍手がやみましたw
もうさすが段田さん!愛してます。(笑)
段田さんの観客捌きの見事さに笑いも起きたし。

これで一言を逃れられなくなった、
役があれば舞台上で誰よりも自然なのに、
素に戻ると、アドリブで何したら良いかわかんなくなっちゃう堤真一。

「(右手を高々と挙げながらニコニコで)ごきげんよう!!」

・・・やっぱり。(笑)
でも最高です。
清村盛と言ったら、『タンゴ・冬の終わりに』と言ったら、
「ごきげんよう!これより死におもむく僕・・・」っていう台詞じゃない。

堤真一の明るい「ごきげんよう!!」の一言で、
対面する観客、大盛り上がりでした。ぴゅーぴゅー♪です。

孔雀の羽を拾った蜷川さんは、最前列のお客さん目がけて、
その孔雀の羽を投げたりと、そんなお茶目な行動も。
とにかく、嬉しそうな蜷川さん。

舞台自体は喪失感やらが漂うものでしたが、
カーテンコールはとにかく明るく、楽しかった!!

もう、今日は幸せ気分で眠りにつけます。

初日から千秋楽のカーテンコールまで味わいつくしました。
また一つ忘れられない舞台が増えました、確実に。
『タンゴ・冬の終わりに』
面白かった。色々刺激された。良い舞台でした。


で、次はこれですか・・・
『写楽考』ついでに『ひばり』もどうだ。

うわ、写楽かっこいいな。ひばりは写メると3Dのアニメみたいだな。
ファンも休まる暇があったもんじゃありません。
ちなみに、明日は宝塚。コム氏さよなら公演。怒涛ですw

11/29 タンゴ・冬の終わりに 5回目

2006-11-30 02:22:46 | 舞台感想
2006年11月29日『タンゴ・冬の終わりに』千秋楽マチネ
@シアターコクーン 5回目

[作]清水邦夫
[演出]蜷川幸雄
[出演]堤真一/常盤貴子/秋山菜津子/段田安則/毬谷友子
   高橋洋/月川悠貴/新橋耐子/沢竜二/他

今ままで、一番、最高に、堤真一の演技を堪能しました。
今、この時代、清村盛を演じられるのは彼しかいないんじゃないかな。

堤真一の、清村盛の、一挙手一投足に
いちいち心動かされ、奪われ、捕まれ、もう訳わからない状態。

やっぱり、1階席のセンターは後ろ目でも見易くていいなぁ。

こんなに細かい演技をしていたんだ。
っていう驚きが結構あって感動。

「俺は、今日まで何をして来たんだ。」

・・・ちょっと言ってみたかった。(笑)
まぁそんな気分だったんです。

今日は第一、私自身の状態が凄く良かった。
(というか、おかしかったなw
ここから先を読んで、なるべくでいいんで、ひかないでくださいw)
風邪ひいて体調も、気持ちも低迷していた時期を上手いこと乗り越え、
言うなれば、今日のタンゴ~に向けて神経が尖ってきてました。
昨日の夜からおかしくてですね、寝る前に着メロに入れたカノンを
流しっぱなしにして、ずーっと物思いに耽るし、
今日も家出てコクーンに向う途中、
電車の中やらで既に感極まって泣きそうになるし・・・

オイ、どうした自分。

みたいなね。かなりヤバイ人でしたわ。

結局今日は、千秋楽マチネソワレ両方見たわけですが、
そんな訳で、タンゴ~の世界に浸って浸って思いっきり楽しめたのはマチネ。
これは自分の状態での話であって、
マチネもソワレも変わりなく、完成度は高かったと思います。

ということで、マチネの感想ですか。

蛹化の女が流れ出した時点で、グッと来るものがありました。
『あぁ、始まった。始まったら終わるんだ。』
っていう、これから先の芝居への高揚感と、
それが終わった後の寂しさを考えて・・・。

幻の観客の叫びが、胸に響いてひびいてしょうがなかった。
一人一人に人生が感じられました。
ヤンキーの兄ちゃんだったり、サラリーマンだったり、妊婦、音楽家、学生・・・
それぞれの絶望の叫びのはずなのに、絶望が熱く響いてくる。
なんなんだろう、この感じは。
『タンゴ・冬の終わりに』自体も、己に絶望して消え去る男(盛)の話で、
やっぱり絶望だったり、悲しみが見え隠れするんだけど、
でも、伝わってくるものが、もの凄く熱い。
この熱さは、清水邦夫、蜷川幸雄、役者、スタッフ、(観客もかな?)、
舞台に関わった人の熱さかもしれないなぁ。

えーっと、堤さん。
初日辺りは、清村盛の言葉を堤真一風に言っていて、
それだけでも十分魅力的だったと思うんです。
でも、今日見て、そのレベルの更にもう一歩先に行ってるような気がしました。
堤真一風に発せられた清村盛の言葉が、
もう一度清村盛の言葉として、生きている、といったような。

・・・難しいな。

とにかく、清村盛と堤真一が渾然一体。
より一層自然に清村盛が舞台の上に存在した。

水尾とタンゴを踊った後、現実と幻の狭間で苦しみ混乱する、盛。
その時の演技が格別に良かった。
息づかい、目、体の動き・・・そういう全てから、
盛の苦しみがこっちに迫ってくるようで、見ていて辛かった。
辛かった分、ぎんの胸に倒れこんだ盛を見てほっとした。

ここまでの表現ができる、役者のファンでいられることが、
本気で幸せだと思いましたねー。

どの場面も忘れちゃいけない、ってか忘れてたまるか。

の連続で、もう始めっから最後までボロボロ涙流しながら観てました。
泣けるから良い舞台。
なんて、泣けることを基準に判断するのは、
紛れもなくバカじゃないかと思いますが、
タンゴ~は、動かされる心の振り幅が大きいから涙が溢れる。
恋人が病気で死んじゃうから泣くんじゃない。
同じ涙でも、涙の意味が違うはず。

とにかく堤真一の演技を堪能した千秋楽マチネ。
堤さん以外の役者さん達も、
これまでと同様、隙のない演技で劇場を満たしてくれてました。
(ただ堤さんに惹き込まれていた分、
余計に水尾が気になって仕方なかったのはありますが。)

そうそう、新橋さんが演技中、ポケットティッシュを1枚下に落としたんです。
それに気が付いて、さっと拾ったその姿が、清村はなでした。
ちょっとしたアクシデントがあっても、
当たり前なのかもしれないけれど、役のまま対応する。
役者ってスゴイわ。

あとタマミ役の藤井さん。
私が初めて1階席で観たからってのもあるのかな?
タマミの奔放さ、元気さが強く出ていたので、
タマミ対トウタの違いがくっきり現れるようになってました。
男勝りなタマミと、なよっとしたトウタ。
このキャラが際立つだけで、芝居がまた締まったような気がします。

今日のマチネが今までで、一番面白かったかもしれません。
とにかく、ぎゅっとのめり込めました。
ここまで感情がかき乱される舞台って、
そうそうないので、そんな舞台に出会えたこと、幸せに思います。


まだまだ、まとまりきっていない感がありますが、マチネはこんな感じで。
カーテンコールは4回ぐらいあったかな。
ほぼ、スタンディングオベーション。
観客の拍手は正直で、堤さんと段田さんが際立って大きいですね。
堤さん、最後手を振る1階BR列に向って、手を振り返してました。
優しいなぁー羨ましいなぁw

あ、マチネ、特ダネコンビ、小倉さんと佐々木アナが2人で観劇してたんで、
明日の「ぉはようございますっ!」の後のフリートークにタンゴネタあるかも?
これで笠井アナも別の日に観劇したたりなんかしたら、
確率はもっと上がるな。
小倉さんもスタオベしてたっぽいし、
見間違いじゃなければ、頭の上で拍手してたし。
喋ってくれたら、嬉しいなぁ。
もう千秋楽終わったけどねw

では、次、記事を変えて千秋楽ソワレ公演の感想いってみます。

11/25 Mr.PINSTRIPE

2006-11-25 23:27:01 | 舞台感想
2006年11月25日『Mr.PINSTRIPE』@青山劇場

構成・演出・振付:玉野和紀

出演:玉野和紀、今拓哉、戸井勝海、平澤智、絵麻緒ゆう
   風花舞、樹里咲穂、横山智佐、小野妃香里、神崎順
   桜木涼介 芽映はるか、祝利美杏、斉藤恵理、宇田ひろこ
   寿依千、三井聡、生坂昌子、加藤芽久美、清水敦子、林なつき
   早瀬那美、黒川鈴子、杉原知佳、名児耶洋、多賀菜津美

樹里咲穂とカラオケに行きたい。
・・・と思った。(笑)
歌って踊れて、オーラが明るい人がカラオケでいたら、絶対面白い。

何も考えずに、スカっと楽しい気持ちになれたショーでした。

宝塚好きになって、観る舞台の幅が広がったなぁ。
今までだったら、絶対に、100%、見に行くはずのない舞台。
それを見に行くようになった変化。
この変化は、大歓迎。

何で見に行ったかって、樹里咲穂と風花舞と絵麻緒ゆうが出てたからでして。

で、実際見てみて、樹里咲穂。

スタイル良すぎ!
ダンスきれてる!
めちゃ歌上手い!

樹里さんだけでも見れて良かったぜ。
と思ったら、隣に風花舞。

うわー、久世さんの隣にいたかざっぱなちゃん!
あの笑顔!
あのダンス!
あの声!

・・・今さら90年代月組ファンやってる自分には、ドキドキだぜw

絵麻緒ゆうさん。
どことなく雰囲気が毬谷友子に似ているように思えてしまうのは、
従姉妹同士だと知ってるからなんでしょうか。
ちょっと離れたコクーンで、その毬谷さんも舞台に出演中。
『スーパーな親戚だな。』
などと思いながら見る。

というかですね、
剣幸、天海祐希、久世星佳に引き続き、樹里咲穂だぞ、これは。
かなり気に入った。(笑)
よし。
ビデオ探すか。
月のあとは、宙組ですか。
よし、よし。
最近、ゆりちゃんや、久世さんの後ろで踊ってる
樹里咲穂や嘉月絵里あたりは、判別できるようになってきたんですよ。
まずは手持ちの映像から、今まで以上に注目してみるかな。

正直言いますと、この3人以外誰も知りませんでした。
しかしながら男性陣。
ミュージカル界で有名な方々が名を連ねてるんですよね?
(誰か詳しい人助けて!笑)
おっきいミュージカル全く見たことないからなー。

今回振付、演出を担当した玉野さんは経歴見る限り・・・
経歴っていうか、今日のショー見りゃわかるけどwタップの人ですよね?

玉野さんのタップがめちゃくちゃに目立つ場面があって
『あぁ、このショーはこのタップ場面の為にあったんだなぁ。』
と妙に納得してしてしまいました。

自分でやろうとしたり、見に行ったり、
なんてことは全くないんですが、
ちっちゃい頃から、タップダンスが好きだった気がします。
(TVでチラっと見て面白いな~と思うとか、そのぐらいの好き)
タップダンスというか、あのカツカツいう音が大好きでw
良い音聴けて、鳥肌立ちました。

鳥肌モノといえば、男性陣の歌。
あぁやって歌う男、っていうのを今まで生で見たことがなかったな、
ということに気がつきました。
迫力に気持ちよく圧倒されました。

ちょっとストーリー仕立ての場面があり、
歌があり、タップが、ダンスがあり・・・
個人的にはダンス見るのが好きなんで、
もうちょっと踊る場面が多くても良かったかな。
歌よりも踊りが好きらしい。
場面場面でちょっとした笑いが入るのも、良い感じです♪

始めの、割とストーリーありの場面。
それぞれ一方通行に想いを寄せていた人たちが、
ちょっとしたキッカケで、別の相手を見つけ、
最終的に、みんながみんなカップルに。なんて話。

そこくっつけんな!

っていう、ツッコミをね、いれたくなるよね。
玉野さんと、もう一人誰だかわからないんだけど、男の人がくっつくしw、
かざっぱなちゃんと樹里ちゃんがくっつくしw

樹里咲穂、ドレス姿の男役。

が見れて楽しかったですわ。笑えたし。
今まで普通に歌ってたのが、いきなり男役の声だからね。
妙にダンスはキザるし。
でもこれ、樹里咲穂が宝塚で男役やってた、
って知らない人が見たら、わかんなくない?
まぁ、いいのか。

あとバレエを見てみたいな、と思いましたね。
バレエらしい振付が多い場面があって、そこを見て。
跳んだ後の着地。
この時、ふわっと着地する。
このふわっとしたところが、優雅でいいんじゃないか、これは。と。
また興味の幅が広がった。次はバレエだ!

女性陣で倖田來未メドレーがあったりもしたな。
知っている曲っていうのは、入りやすいです。

1幕最後の全員でのタップは、圧巻。
当たり前だけど、みんながみんな同じ動きしてる。
っていうのは、凄いなぁ。

OG追っかけシリーズ第四弾。
『Mr.PINSTRIPE』絵麻緒ゆう、樹里咲穂、風花舞
でした。
第五弾は『マリー・アントワネット』で涼風真世ですかね。

ホントにシリーズ化してるなw


そうそう10月30日のブログに、見に行きたいけど見にいけない。
と書きましたが、もう無理矢理見に行ってやりました。
明日は絶対に見に行けないし(公演が24~26日の3日間のみ)、
見たいと少しでも思った舞台を逃すのは惜しい。

バイトを15時までやりまして。
第一、土曜日なのに予定通り15時にバイトを上がれたこと自体が奇跡に近い。
(大抵土日は、混む割にホールがいないので、残ることになる。)
暇だったんです。

『客が来ない!これは見に行け!ってことだ!』

とポジティブシンキングし、バイト後猛スピードで渋谷直行。
チケット持ってないくせに、渋谷直行。
16時半頃、劇場で無事当日券GETの出たとこ勝負。
席も悪くなかった。値段は決して安くないんだけど、ねw

我ながら、よくやった。

あ、涼風真世って言えば、バイト先に置いてあった、
きっとお客さんの忘れ物のAERA。
暇な時間読んでみたらカナメさんと旦那さんが、
良い夫婦の日特集で、インタビュー受けてて、ビビった。

なぜ、客、この号のAERAをウチの店に置いていくんだ!?

ちょっとした私に対する嫌がらせだと思う。
パラパラ~っとめくってたら涼風真世と、その旦那が
インタビュー受けてるなんて、そりゃ、今の私は驚くさ。

お互いの生き方を尊重し合ってる風な良い夫婦、といった感じでした。
『プック(PUCK)だったカナメさんがねぇ~』
とまた、母親みたいな気持ちでしみじみしてしまった自分。

・・・働けよw

11/24 イヌの日

2006-11-25 00:49:17 | 舞台感想
2006年11月24日阿佐ヶ谷スパイダース『イヌの日』@本多劇場

作・演出:長塚圭史

出演:内田滋、剱持たまき、八嶋智人、大堀こういち、村岡希美
   玉置孝匡、松浦和歌子、水野顕子、大久保綾乃、中山祐一朗、
   伊達暁、長塚圭史、美保純

あ、これはチラシ通りの舞台だな、と。

「ちょっとこの子危なそーだな」っていう少年が、
笑みを浮かべながら、自分だけの箱庭で遊ぶ。

それが、成長して大人になってからも続いている。
そこが怖い。
そんな話。

母と息子の愛情の行き違いの話。
っていうと、まぁ簡単かな。
私はそういう話だと、かろうじて解釈した。
かろうじてってところが、あれだな。

母が男に身体を売る女で、それを許せない息子。
母も息子もお互いに愛し合いたいのに、
不可能な状況にあるから、悪循環に陥っていく。

母は自分が息子に嫌われても仕方ない女だと、
自分に納得させるため、更に身体を売る。
だから、息子も狂い続ける。
狂った息子は、小学生の時の同級生や、
母と関係を持った男を、防空壕に監禁する。

防空壕=箱庭。

舞台美術が凄く面白かった。
2階建てのようになっていて、上は普通の家。
下は、防空壕。
そしてこの2つが赤いラインで区切られている。
この感じからして、演劇的でちょっとわくわくした。

息子、中津役の伊達さん。
正直私、この人の演技、あんまり好きじゃないかもしれないなぁ。
あまりにも癖がない。
というか、癖がなさ過ぎるのが癖っていうか、
良くも悪くも普通な気がする。
どこにでもいそうな青年が、舞台の上でただ単にキレてた。
っていう風にしか見えてこなくって、物足りなさを感じた。

中津の母、美保純さん。
初めて見た。
で「なんかいいな。」と思ったので、ちょっと調べてみた。
なるほど。
言っちゃあれだが、この役には合ってるのか。
大胆さも見ていて気持ちが良かったし、
とんでもねぇ母親なんだけど、
息子を愛したい。愛されたい。っていう、
母親の想いも結構伝わってくるものがあって、
しかも、声がハスキーでそこがまた良くって・・・
なんかうん、良かったんですw

女優陣で目を引いたのはやっぱり、村岡さんかな。
村岡さんがいると、本多劇場でやる“演劇”になる気がする。
雰囲気が好きだ。
ぶっ飛んだ存在なのに、ぶっ飛んだ先で、自然に収まってくれる所がいい。
ぶっ飛んでるのに自然。
っていうそのギャップが不安定で面白い。

阿佐ヶ谷スパイダースって事で中川さんと、圭史さん。
圭史さんの役者としての魅力は、未知数。
出番も短いし、よくわからん。写楽考見よう。
中川さんは、役がハマれば、もの凄い爆発力を発揮するだろうけど、
イヌの日でだと、ホント、すれすれだ。
あと2歩間違えれば、客席引くんじゃないかと思う。
『小鹿物語』のゲルハルトとキャラ的にあまり変化が感じられない。
でも、あのキャラは癖になるかも。

内田滋君は、私の注目株です。
(偉そうに、注目株とか言ってしまってねぇw)
まだまだ成長しそうな、本気の美青年。(笑)
あれだけのルックスを持っていながら、
舞台にばかり出演している彼は、すっごい興味深い存在。
良い意味で何にでも染まりそうな所も良い。
蜷川演出、かと思えば大人計画、新橋演舞場を経て、今度は阿佐スパ。
うーん、面白い。
滋君は野田地図もいけそうな感じがするな。

伊達さんに感じたような、普通過ぎる。っていう物足りなさも
若干感じはしましたが、かっこ良いんで、いいです。

結局顔か。(笑)

あぁ、そうだ八嶋さん。
八嶋さんはなんであんなにテンションが高いんでしょう。
あり得ないテンションの人間になっていた八嶋さんを見て、
「・・・うわっ、ヤバイ人を見てしまった。」
という気持ちになりました。
それだけで、八嶋さんがこの舞台に出る意味はある。
起爆剤。

舞台全体としてはどーなんだろう、これ。
私は『アジアの女』の方が、スッキリしてて、
尚且つガツンときたので好きです。
『イヌの日』は無駄にゴチャゴチャしている気がしました。
嘘で騙すところとかあってもなくても・・・
長い。お尻痛いもん。

最初にも書いたように、
「かろうじて」自分の中で結論に辿り着ける。
でも、「かろうじて」よりも、力技でねじ伏せられたい。
『LAST SHOW』と『アジアの女』が、
私としてはガツンとやられた圭史さんの舞台です。
面白かったり、つまらなかったり、っていう落差が激しいかもしれないな。
そこがまた観る側としては面白い。
その時の作品がつまらなかったとしても、
長塚圭史の舞台は次も観たいと思えるし。

『イヌの日』は普通かなぁ。
飽きずに2時間35分見れたのは確かだけど、
何か心に衝撃を受けたか。と言えばそうでもない。
ちょっと、芝居が学芸会チックだったのも気になった。
芝居を締められる人が大堀さんと、村岡さんぐらいしかいなかったと思う。

ウドっぽい麻薬なのかよくわからない植物の存在だとか、
使い捨てカメラのフラッシュだとかは、刺激的だった。
でも麻薬が話に強く絡んでくるかっていうと、そうでもなかったし、
写真を撮る意味も、良くわからなかったけどね。

あっちにもこっちにも小ネタが転がっていました。
性のあれこれだったり、麻薬的植物だったり、親子の問題だったりと・・・
ラストは、その小ネタの1つや2つに向って、
ぐっ!!と話が収束していくんだろと、そこに期待していたんですが、
(ここの無理矢理繋ぎ合わせて、客をねじ伏せる所が衝撃的で面白い。)
収束せず、散らばったまんま終わってしまったように感じたかな。


こんな感想でも、何かお役に立ちましたら、クリックよろしくどーぞ!

にしても、寒いな。
最近めっきり冷え込んできた。
寒いのは嫌い。
早く暖かくならないかなぁー(笑)
気が早いなんてそんな事は言わないでください。
ホント、寒いのはダメだ。

11/23 元禄忠臣蔵 第二部 2回目

2006-11-23 18:17:56 | 舞台感想
2006年11月23日『元禄忠臣蔵 第二部』@国立劇場

真山青果=作
真山美保=演出
織田紘二=補綴・演出

《出 演》
坂田藤十郎・片岡我當・坂東彦三郎・中村東蔵
中村翫雀・中村松江・中村亀鶴・中村歌江・上村吉弥
片岡愛之助・中村扇雀・中村時蔵・中村魁春・片岡秀太郎・中村梅玉 ほか

叔母さんの誘いを受け1回、
学校での必修観劇で今日2回目。

うーん、正直1回だけで良かったなぁ。
でもチケットさばけなかったので、しょうがなく。

第一「しょうがなく」なんていう気持ちで劇場に行くこと自体が、
間違ってるんだよね。
申し訳ないことしてるわ。

1回目見たときは、人の心情があっちこっちから伝わってきて、
それが繊細で、思いやりに溢れてて、力強くて・・・・
っていうのが、とても面白く感じたんだけど、
今日の私はそこまで感じ取るほど集中できず。

本当に申し訳ない。

とりあえず、朝いっぱい寝てきたにも関わらず眠い。
最近、寝すぎなんだよね。
しかも、なんだかテンション低くてやる気がない。だるい。

ん?

そんな記事をENAKで見たぞ。
冬季性鬱病。
これに近いな。
まさに私の部屋は陽の当たらない北向きの部屋。(笑)

軽度のものだったら誰にでもこんな症状はあるんじゃないかなぁ。
季節の変わり目は特にね。

で、この冬季性鬱病で言い訳してるみたいになってしまいますが、
部分部分を見て、ほぼ眠気に襲われる4時間。
私は一体何の為に国立劇場まで行ったのでしょう。

自分で自分がわかりません。

しかも、朝起きたらふくらはぎが、
これまた軽い肉離れみたいになってて、歩くと痛いし。
そんな運動してないでしょ、私。
むしろ運動してないから、こんなになるのか?

うーん不健康。なんか不健康だっ!
元気にならなアカン!

お芝居を毎日、毎日続ける役者さんってのは本当にすごいな。

健康と役者さんを無理矢理結びつけたところで今日はおしまい。
全く感想にならなかったな。


規則正しく生活しよう。
とか言いつつ、明日は『イヌの日』。
楽しみだ~