goo blog サービス終了のお知らせ 

旧:accomplice

ブログ移転しました!詳しくは下の記事をお読みください!

野田版 パンドラの鐘

2006-07-03 02:33:12 | 舞台感想
NODA・MAP第七回公演
「パンドラの鐘」
'99年11月6日(土)~12月26日(日) 東京・世田谷パブリックシアター


作・演出:野田秀樹
出演:堤真一、天海祐希、富田靖子、古田新太、松尾スズキ、
    銀粉蝶、入江雅人、八嶋智人、明楽哲典、春海四方、
    戸谷昌弘、野田秀樹 他


演劇を見始めて、野田秀樹や蜷川幸雄に出会った人であれば
遅かれ早かれ、かならずぶち当たるだろうこの作品。

堤さんと天海さんの演技が見たくて、DVD見始めたら引きずりこまれました。

ミズヲの“ヲ”は“オ”ではない。
「水を・・・水を・・・」と水を求める人の声が、そのまま彼の名前になったのだから。
ミズヲは人を埋めて差し上げる為に未来から古代に来た、人間だったんだ。

『・・・この王国は、狂気も敗北も隠し続けることで守られてきた。
けれども、パンドラの鐘の音は、すべてをあからさまにする。
だからその音色に耳をかさなくてはいけない。
たとえそれが、滅びることを知らせる音色だとしても、
その鐘の音を聞く勇気をお持ちなさい。』


ヒメ女の台詞の抜粋です。こんな台詞のある戯曲を書いて上演してしまう野田秀樹は凄いとしか言い様がない・・・
パンドラの鐘の音を聞くことは死者の存在と受け入れること。
それをしなければ、正常な王国はありえない。
受け入れることを拒否し続けるヒイバアのような存在が、
王国の裏にあることはとても大きい。

やっぱり野田さんは天才です。
天才なんて言う言葉には収まりきらないほどの才能の持ち主。

にしてもなんで野田さんは、決して結ばれることのない二人のラブストーリーを書くんだろう。
耳男と夜長姫、英と才谷、芙蓉とメルス(スルメ)・・・
余計切ないじゃない。
悔しいけれど、だからまた良いんだけど。
野田さんが伝えたいことに、そのラブストーリー(っていうとまた陳腐なんだけど)
合わさっていくことで、物語がより深く面白くなる。
結局、好きなんだよな私、ベタベタな恋愛話が。

ミズヲが鐘に寄り添い目を閉じるところで、舞台は幕を閉じる。
きっとヒメ女も鐘の中で、ミズヲに寄り添っていた。
鐘を挟んで寄り添う二人の姿が最後、見えたような気がしました。

野田地図第9回公演の『オイル』はこの『パンドラの鐘』の続きのような話だと聞くけれど、
パンドラの中のタマキに重点を置いた話なんじゃないかと思いましたね。
私達みんなタマキみたいなもんだし。
タマキに対する問題提起が、強く現れたのが『オイル』のような気がします。

『パンドラの鐘』という演劇的事件があった、99年。
私は小学6年生ぐらいだったわけで、当然、生では見ていません。チクショー!!(笑)
演劇なんてものも見たことなかったですよ。
でも、野田ファン、堤ファンとしての執念の賜物としてチラシだけは持ってます。



・・・若っっ。

特に松尾さん、若っっっ。

ランキング参加中です!
天海さんが、心なしか常盤貴子さんに見えた方w、よろしかったら押してやってください。

6/27 ヴァージニア・ウルフなんかこわくない? 3回目

2006-06-28 00:15:20 | 舞台感想
2006年6月27日[ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?]3回目@シアターコクーン

作:エドワード・オルビー
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
翻訳:徐 賀世子
出演: 大竹しのぶ 稲垣吾郎 ともさかりえ 段田安則

極上の台詞劇。
2006年、私が見る舞台の中で上位に入る舞台だという確信があります。

とにかく演技のレベルが高い!本当に高い!!
大竹さんと段田さんにしっかりともさかさんと、稲垣さんがついて行ってます。
見る毎によくなっているのが、ハネー役のともさかさん。
爆発力が毎回増しています!
マーサの首を締めるジョージ・・・それを見ながら、
「暴力だぁ!!!!」と騒ぎ続ける、ハネーの無神経な明るさは狂気を倍増させます。

今日見て思ったのが、ハネーの天然の面白さが(笑)
傷口を広げるキッカケを多くしているということ。
ハネーが「聞きたい聞きたい♪」とジョージの話に食い付かなければ、
話はそこで終わっていたかもしれない。
でもハネーは聞いちゃうんですよね。それでこそハネーなんだけれども。
ちょっとした台詞からも、ハネーの幼児性が見て取れる。
裸で、縮こまって?、指をしゃぶって、タイルで寝る。
まるで、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんです。

1幕はすごく写実的。
2幕になると特に照明に心情の変化が現れるように。
3幕では、その傾向が更に強くなる。

そんな演出の変化も楽しめました。

あとは回り舞台についても。
ある方とヴァージニアウルフについてちょっと話す機会があって、その方は、
『動く演者と回る舞台がその舞台上の雰囲気をねじっていく感覚がありましたね。』
と、おっしゃってたんですが・・・うん!確かに!!

ねじり過ぎると輪ゴムとか(上手い例えが見つからない。笑)切れますよね。
人と人との間にあった線がねじり過ぎで、プツン、と切れる感覚が。
螺旋のイメージが浮かびました。

マーサに“心の涙を凍結させて氷にして、また飲んじゃうの”
と言った内容の台詞があって、
それと酒を飲みつづける4人の姿は重なるように思いました。
そう言えば冒頭でもマーサは“氷をがりがり噛んじゃう”という描写があったな。
ハネーはストレートで酒を飲み続けるし・・・
“涙を凍らせてできた氷”もしかして色んな心情に繋がって行くんじゃないか??(笑)

氷話の極めつけはラストです。
ジョージは「なんか飲むか?」とマーサに聞くんですが、
マーサは「いらない・・・。」と。
これって、心の中で流していた涙が止まった。という風にもとれると思うんですが。

気丈過ぎるほどだったマーサが、初めて女らしさを見せるのが、
本当に最後、ジョージの腕の中で「こわい・・・」と呟く場面。
逆にジョージもそんなマーサを支える男らしさを見せていたように思います。
“子供”を失った辛さは、二人とも同じくらい大きいはずなのに、
ジョージは、マーサを支える立場にまわっている。

ジョージの腕にしがみ付くマーサの姿。
消えて行く照明。
静寂。

この終わり方は、他のどんな舞台とも違う、力を持っています。
目に焼き付けてきました、今日。

本当に良いもの見させていただきました!!
3回見れて良かった。楽しかった。ありがとうございました、本当に。
良い舞台です、全く。

ランキング参加中!30日で終わってしまうのが、寂しいです

6/26 OUR HOUSE

2006-06-27 00:32:53 | 舞台感想
2006年6月26日 [OUR HOUSE]@新国立劇場

[作]ティム・ファース
[音楽]マッドネス
[演出・翻訳]G2
[監修・翻訳・訳詞]青井陽治
[訳詞]後藤ひろひと
[出演]中川晃教/池田有希子/池田成志/坂元健児/新納慎也/入絵加奈子/    
   瀬戸カトリーヌ/後藤ひろひと/香寿たつき/今井清隆/他

まず一番に、一番驚いたことを・・・ 
 
 カーテンコール盛り上がり過ぎ!!

面白い舞台だった、良い舞台だったと思うけど、
でもでもでも・・・
スタンディングオベーションするほどでもなかったと。
あくまでも私の意見です。でも、なんだかなぁ。(笑)
アッキー人気にびっくりでした。
でも、人気があるのも良くわかります!
16歳の役を演じても、違和感のない可愛らしさ、歌声の素晴らしさ・・・
ファンにはならないけれど、あの真っ直ぐな雰囲気、結構好きです♪

今回初めて生中川晃教だったんですが、中川君ってもっと歌える人ですよね、絶対。
中川君の歌を聞きにいった部分が大きかったんですが、ちょっと物足りなかった。
それは中川君が悪いんじゃなくって、曲の問題?
相手役の池田有希子さんには、歌の見せ場があったのを感じたけれど、
中川君には、あんまりなかったような。
もっと凄い!!と思える、鳥肌が立つような彼の歌を聞きたかったです。

悪いジョーと良いジョーに別れる話というぐらいの筋だけ、頭に入れて見て来ました。
ブログだったかインタビューだったか、それは覚えていませんが、
性格の良し悪しではなく、

 “運”の悪いジョーと“運”の良いジョー。

この2つにジョーは別れてしまう、というのに同感です。

ただこの二人のジョーの運命を分けるのは、
素直に自分の罪を認めるか、逃げるか。その最初の選択。

罪を認めたジョーの方が最終的には幸せになれるんです。

逃げ出して、中途半端な幸せを手に入れるか、信じて真っ直ぐに生きるか・・・
どちらを選ぶかが人生の明暗を決めるんですね~
どんな人でもそれは同じかな。

舞台転換がとにかく早くて驚きでした!
回り舞台も上手く使っていて、次々と場面が変わる。
変わると言えば、ジョーの早替りも凄かった。
『歌舞伎ですか!?っ』てぐらいの衣装の変化の早さ、小気味良かったです。

初と言えば後藤さんも初。
面白ろかったけど、“ヨーカドーでムシキングネタ”はやめて欲しかったなぁ・・・
せっかくロンドンの雰囲気を舞台美術や衣装などで出していたのに、
雰囲気一気にぶち壊し!!ちょいとテンション下がりましたよ。

あとちょっと、ジョーの友達達の会話の間が良くなれば、
もっと笑いどころも増えるんじゃないかと思います。
2階席で見たせいもあるかもしれませんが、笑わせる台詞が生きてないように感じました。

でも楽しい舞台でした!!
歌も迫力あったし、ダンスも見ていて気持ちが良かったし☆
中川君は16歳でも十分通用します!本人としてはそれもどうだろう?って感じかもしれないけれどw
でも、池田成志さんは16歳、通用しないわ。(笑)
通用しないことは承知の上で「俺16歳。」を貫きとおす、成志さんは素敵でした。(笑)

カーテンコールは正直ビビりました(笑)

6/23 ヴァージニア・ウルフなんかこわくない? 2回目

2006-06-24 00:53:18 | 舞台感想
2006年6月12日[ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?]2回目@シアターコクーン

作:エドワード・オルビー
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
翻訳:徐 賀世子
出演: 大竹しのぶ 稲垣吾郎 ともさかりえ 段田安則

この舞台、かなり好きです。
2回目は2回目なりの、面白さがいたるところにちりばめられていました。

結末を知った上での観劇だったので、
台詞に隠されたジョージやマーサの心の傷を、
冒頭から強く感じることができました。
『この台詞が、最後この感情の流れに繋がっていくのか!』
そんな発見の連続。

夜中の2時から始まる2組の夫婦の物語は夜明けと共に幕を閉じます。
パンフレットにもありましたが、そこがまた良い!!
やっぱり、陽の光から感じるのは絶望ではなくて、希望だと思うから。
なんだかんだ言っても、ニックはハネーを大切にして行くだろうし・・・
ジョージとマーサも、妄想の世界ではなく、現実の世界で二人寄り添って生きていけるだろう・・・
確信はできませんが、朝の訪れはそんな希望を感じさせてくれます。

これが昼から始まって夜中に終わる物語だったら最悪ですよ。
救いようがない。(笑)

マーサは最後、ジョージの手を握ったと思うんです。
私の席からはそう見えました。
そう見えたんだから、そう信じ込もうと思います。(笑)

大竹さんを中心に発散される、重厚だけれど不安定な空気を
段田さんが自在に操っているような感じ。
ニックに対して静かに“座れ”と命じる動作をした
段田さんの手に凄く力を感じました。
段田さんは声でも、空気を一変させるし、本当に凄い。

マーサとジョージの夫妻は特に、目で会話してます。
視線にも、観客に伝わるほどの感情がこもってる。
『あ、今、目で会話したな。』なんていう瞬間を見てしまうと、ゾクっとくるものがありますね~。
同時にその時、二人の間に流れていた感情を読み解きたくなる。
そんなところが、また楽しかったりも・・・

劇中で使われる音も大切だとしみじみ感じました。
ジョージが軽く発狂した時のベルの音は、強調されていたし、
時計の針の音、レコードから流れる音楽と、ノイズ、
朝の訪れを告げる犬の鳴き声・・・
どれも過不足なく舞台にぴったりはまってる!それは照明にしても同じ!

質の高い舞台です。
なんかこう“質”って言葉が合う気がします。

できることなら特設S席で、一度見たかった・・・

ランキング参加してみました



6/12 ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?

2006-06-13 00:56:57 | 舞台感想
2006年6月12日[ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?]@シアターコクーン

作:エドワード・オルビー
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
翻訳:徐 賀世子
出演: 大竹しのぶ 稲垣吾郎 ともさかりえ 段田安則

・・・またもや面白い芝居に出会ってしまいましたよ!!
あぁ、もう考えれば考えるほど面白くって、たまらない。

終わりまで見て振りかえってみると、戯曲の緻密さに驚かされます。
ジョージが歴史学者で、ニックが生物学者なのにも意味がしっかりある。
ジョージってマーサと共に歴史を築きたかった人でしょ。

重過ぎるラブストーリーであり、喜劇であり、悲劇。
今日は、友達と一緒の観劇だったんですが、その友達のおかげで、
いつもの2.5倍ぐらいの速度で解釈が進んでます。
一人で地道に考えて行くのも楽しいけれど、一緒に芝居見るのも、楽しいな~。
はっきり言って彼女の方が、私より深く芝居を見ていましたね!!
助けられた部分がたくさんある。
もっと芝居について話をしていたかったので、コクーンから渋谷駅まで
あと10分ぐらい歩く距離が欲しいと切に思いましたw

マーサとジョージって、お互いどうしようもないほど愛し合ってたと思うんですよ。
だからこそすれ違ってしまった時、修正が効かなくて、破滅の道を辿る。
傷つけ合うことでお互いを確認している感じがしたな。
 “子供”というのが、キーポイント。
狂おしい程に子供という存在を求めたのがマーサとジョージの夫婦。
逆に、子供の存在を拒否していたのがニックとハネー夫婦。
“子供”っていうのが、マーサとジョージを繋ぐ最後の手段だったのかも。
だからたとえ二人の間の幻想であっても、子供が死ぬことは、二人の終焉。

匂いというか、第六感でマーサ達は、自分達を鏡に映したようなニック夫婦の
本質的な部分に気がついていたんじゃないかと思います。
 だから夜中の2時に家に呼ぶ。
 だから執拗に傷つけようとする。
野心を抱いているニックに対しては同属嫌悪。
子供を産みたくないハネーに対しては、苛立ちによる憎しみが。
自分達の中に渦巻く思いを、もう夫婦の間だけで留めておけなくなったんだな。
ジョージとマーサにとって、ニックとハネーは自分達の嫌な部分を、
これどもか!ってほど浮かび上がらせる存在。対比ってやつですか?

あってるかどうか微妙ですが、たしか傷つけ合いは3ラウンドに分けられます。

 1、マーサ⇒ジョージ
 2、ジョージ⇒ニック夫妻
 3、ジョージ⇒マーサ

といった感じだったと・・・違ったかな。この辺はあと2回見る中で確認していきます。
相手を傷つけながら、自分自身も傷つけてました。

ええっとですね、呆然自失状態のマーサを、
同じ状態であろうジョージが後ろから抱きしめるラストが特に秀逸でした。
あんなに静かで、怖くて、強さを感じる終わり方は今まで見たことがない。

話についていくので精一杯で、自分の中の情報量が少ないですね。
積み上げて行くものが、ないや。
早く2回目が見たい・・・

予想の範囲内ではありましたが、大竹×段田はやっぱり抜群。
大竹しのぶより大きな器を持って、彼女を受け止められる俳優さんって、
日本に数える程しかいないと思うんだけど、段田さんはその一人だと。
「私を見て!!」からのシーンなんて、鳥肌モノでした。
あーすっごいものを見た・・・。

ともさかさんと、吾郎ちゃんも負けてません。
最初は道徳的だったニックが、後半本性を見せる変化とか良くわかった。
生初SMAPは、やっぱりちょっと嬉しかったです。(笑)
でも吾郎ちゃん、肌とか実は綺麗でw、
その上スーツとか着ちゃうとワイン持たせたくなる雰囲気を醸し出してて(笑)、
そういう意味では浮いてたと思う。もうちょっと汚いほうが良かった。

[労働者M]でもあったような、黒い水玉を広げていくような暗転。
今回は、線状の影がだんだんと舞台上を埋め尽くし暗転する演出があって、
不安があおられました。
音楽や、照明が緑に変化したりすると狂気がより強く見えてきたり・・・
回り舞台になっていたので、回すことでも感情が見える気もします。

同じ四方を囲む舞台でも[贋作・罪と罰]より狭かったと思うし、
舞台を一段高くすることなく、平面で芝居してるので、
一番後ろとかちょっと見にくそう。
これはしょうがないことだけど、見る位置によって見えないシーンも出てきます。
舞台美術の雰囲気は、チラシそのまま。
まぁ見えない部分は諦めて、自分の目で確認できる演技を思いっきりみてやろう!
みたいな心持ちでw

はぁ~楽しかったけど、疲れたなぁ・・・
もっと深いところまで潜っていきたい舞台でした。
目立たないような一言の台詞に、その人の本音が隠されていた気がするので、
その辺を細かく、細かく見ていきたいです。

6/8 メタルマクベス 2回目

2006-06-09 15:01:40 | 舞台感想
2006年6月8日 SHINKANSEN☆RS [メタルマクベス]@青山劇場

原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽・松たか子・森山未來・北村有起哉・橋本じゅん・高田聖子・粟根まこと
   上條恒彦・右近健一・逆木圭一郎・河野まさと・村木よし子・インディ高橋 
   山本カナコ・礒野慎吾・吉田メタル・中谷さとみ・保坂エマ
   皆川猿時・冠徹弥・村木仁・川原正嗣・前田悟ほか

Metal Macbeth Group(岡崎司/guitars 高井寿/guitars 前田JIMMY久史/bass
岡部亘/drums 松田信男/keyboards 松崎雄一/keyboards)

タイトルがもたらす期待感、そのままの舞台!!って思います。
いのうえさんや、宮藤さんが感じた『メタルマクベス』という題名に対するワクワク感。
そのワクワク感って、このタイトルを目にした人誰もが持つもの!

シェイクスピアにメタルって何事!?
しかも内野さんと松さんがマクベス夫妻!?
ここんとこに期待しないファンっていないはず!

悲劇の色が濃くなる二幕が好きです。
テンポも良いし、見ていて高揚感がある。
逆に一幕中盤はちょっと退屈に思うときもあったかなぁ。

1回目見たとき同様、松さんと森山くんの弾けっぷりが見ていて痛快。
パンフレットで大泉洋さんが、松たか子を良い意味で“普通”と称しているけれど、
彼女は普通じゃない。(笑)めっちゃ素敵な女優さんです。

森山くんは一度、あのままの姿形、歌でメジャーデビューするべき。
みんなあの森山未來に驚いて、ちょっと売れると思う、本気でw
後ろにはもちろんメタルマクベスを引きつれていただきたいww

ランダムスター夫妻は、殺人を犯して這い上がってきたけれど、
自分たちもなんらかの理由でいずれ死を迎えるということを、忘れていた夫婦。
婦人が自殺を遂げる、あのジャンプの後姿が、すっごく切なくて寂しい。

2回見て今更ですが、私としては[吉原御免状]の方が好きだったかな、と感じています。
いまいち引きこまれる程、感情を動かされることがなくって・・・
あと、和服の殺陣のが好きみたいです。剣より刀が好き。(笑)
その点、[朧の森にすむ鬼]には期待大!!染様は和装でしょう!!


6/6 ウィー・トーマス WEE THOMAS

2006-06-07 00:16:59 | 舞台感想
2006年6月6日 [ウィー・トーマス]プレビュー公演初日@東京グローブ座

作:マーティン・マクドナー
訳:目黒条
演出:長塚圭史
出演:高岡蒼甫 岡本綾 少路勇介 チョウソンハ 今奈良孝行 富岡晃一郎
   堀部圭亮 木村祐一

今日はプレビュー初日。

ある意味どうしようもなくヤバイ作品だと、知った上で見てきました。
自分としては、かなりハイレベルのグロさを予想していましたが、グロさは予想通り。(笑)
でも、その予想を実際この目で見ると衝撃大きすぎます。
銃を突き付けられ、いつ引き金が引かれるのか。そんな恐怖を終始感じ、
流れる血、切り刻まれる人体、猫体に・・・あぁもうあかん、状態。
だってね、匂いがするんですよ、死体が出てきてから。
あれなんの匂い??(泣)
嫌な匂いじゃないんですよ、目からの映像とかけ離したらむしろ良い匂い。
血糊の匂いだったのかなぁ・・・。

そんな状態でも私は舞台を見続けているわけで、
目からの情報と匂いとを離して考えることなんて無理。
なので、匂いすらちょっと辛くもあり・・・。
でも『舞台は虚構』という大前提の元で見ているから、
匂いを辛く思っている状態すら面白がっている自分もいるんですよ。
『こんなの日常じゃ有り得ない!!』と。
ホント危ないです。ホント怖かったですよ。

『溺れるものは藁をも掴む。』
と言いますが、これは水の中で溺れた場合。
私は今日、笑いにすがり付きたくなりました。
恐怖に溺れた場合は、笑いを掴みたくなるんでしょう。
死体が転がる中でのキムにぃと、少路さんの絡みが救いでした。
笑えることが、安心に繋がったような気がします。

ほんっと!ダメなんです。舞台に銃が出てくるの。
[贋作・罪と罰]もなんだかんだで9回見に行きましたが、
毎回、智が溜水を撃つところでビックリしていました。
発砲しまくりの舞台は、ビクッとしまくりです。

今奈良さんは、吊るされる場面だけの登場でちょっと勿体無かったな~。
もっと今奈良さんの演技も見たかった。
木村さんは、最近良くTVで見ていた人で(笑)、
自分の目の前にいることがなんだか不思議でした。
良いというわけでも、悪いというわけでもなく、
木村祐というその人が舞台の上で、台詞を言っている感じ。
堀部さんは声がとにかく良い!
舞台美術も細部までこだわっていて凄く良かったです。
壁の雰囲気とかが特に♪


今日初めてグローブ座行きましたが、案外狭い。
町の雰囲気と、劇場の雰囲気とが完璧に遮断されていて、すごーーーく変な感じ。
あそこでSHOCKとかやるんですよね?じゃぁ、チケット取れないはずだw
あとあと、初日ということもあってか、半分以上関係者なんじゃないかな?
的な空気を凄く感じました。これまた変な感じw

私はテレビの手術シーンとか結構ダメな人ですが、
私以上にダメな人は、1週間肉抜きダイエットができる舞台でした。
これにお金を出すことを許容できるかできないかは、本当に人それぞれだと・・・。

というか、そんなダイエットしたくない・・・よねぇww

6/1 NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-

2006-06-02 00:29:01 | 舞台感想
2006年6月1日『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』@東京宝塚劇場

配役・あらすじetc・・・こちらから。

宙組トップの和央ようかさんと、花總まりさんのさよなら公演を見てきました。
こんな大事な公演、私たちが見ちゃって良いの!?
・・・多少の罪悪感を感じましたが、楽しんできました!!

前回見た『ベルサイユのばら』と比べれば、話はだいぶ大人のラブストーリー。

和央ようかさんの歌声は、甘くて優雅でした。
でも活舌が悪いといえば、悪い?ちょっと歌詞と台詞が聞き取りづらい時もありました。
ジョルジェ、素敵でしたけどね~♪
正直私は黒髪の元闘牛士ヴィセントの方が好きでしたw声とか遠目からですが、見た感じとか。

花總まりさんは衣装の白いドレス姿なんか、特に綺麗で・・・
大人の女!って感じがありました。
歌声もとても澄んでいて、だけど、それだけでなく感情がしっかりこもっていて、
聴いていて心動かされるものがありました。

ジョルジェが命を落とすシーン・・・
あの光の当て方は“目”を表していたのかな??
意識して見ていなくて、暗転する直前に
「ん?目に見える!?」
と思ったので、確認する間もなかったんですが・・・気になる。

カメラ(第三の目)を通して自分の真実を探していたのがジョルジェ。
圧政に苦しむ人々の姿をカメラで撮り続け、
最後はそのフィルム(=命)を恋人のキャサリンに預け、
仲間と共に戦い、死んでいきます。
自分の理想の為に仲間と戦うことが、彼の真実だった。ってことで良いのかな。
ちょっと釈然としない感じもしましたが・・・

最後の戦闘シーンは、とても静かだったので地味だな~とも思ったんですが、
だからこそ、伝わってくるモノも大きかったのかもしれない、
と帰ってきてから改めて考え直した次第です。
ジョルジェ達の起こした戦闘は、歴史的にそれほど大きいものではなかったのかな、と。

その戦闘シーンの時もジョルジェのカメラが舞台の中央に、置かれているんですよね。
“こうやって戦って命を落とした人がいる”
その場に存在し続けるカメラは、=第三の目=観客の目という風にも考えられるかな。

「互いに想い合えれば戦いは起こらない」といった内容の歌があったので、
伝えたい部分はこの歌に込められていたんだと思います。

・・・なんだか真面目になっちゃったw

5/26 HUMANITY THE MUSICAL ~モモタロウと愉快な仲間たち~

2006-05-27 00:54:05 | 舞台感想
2006年5月26日
企画ユニット地球ゴージャスプロデュース公演Vol.8
[HUMANITY THE MUSICAL ~モモタロウと愉快な仲間たち~ ]@新宿コマ劇場

【脚本・演出・出演】岸谷五朗
【演出・出演】寺脇康文
【出演】唐沢寿明、戸田恵子、高橋由美子、植木豪(PaniCrew)、蘭香レア 他

『元気出そう!』
『頑張ろう!』
『勇気持とう!』
『夢見よう!』
そんな、ちょっと恥ずかしいっていうか、面と向かってアピールされると
私としては寒気がするような、腹が立つような(笑)、
そんなメッセージをひねくれ者でも素直に受け取れるような形にして見せてくれました。

唐沢さんが、カーテンコールで言っていた
『お客さんの笑顔を見ると、こっちまで元気になるんですよ』
という言葉、これに尽きると思う。
それは、見る側としても同じ事で、
役者さん達の全力の演技を見れることが、元気に繋がるんです。
そんな繋がりを強く感じられるのが、やっぱり舞台だな~。

日本人なら誰でも知っているだろう桃太郎のお話と、
近未来的なリストラ常習の会社・・・この二つの世界がリンクして、話が進みます。
ちなみに唐沢さんが種太郎(桃太郎)で、寺脇さんが犬ですw

桃太郎の世界が夢なのか、会社の世界が夢なのか・・・
話が進むにつれて、その境が曖昧になっていくのですが、
違和感なく二つの世界が重なる様子を楽しめました。

いい大人が(笑)、超熱心にバカをやる。
そのカッコ良さ。
良い意味でふざけられる人達が揃ってます。
私も大人になってもふざけ続けたいですね~w

笑いの場面は、ちょっとぐだぐだした雰囲気が逆に良かった。
唐沢さんなんて特に、バラエティーで見せるような突拍子もない感じが出ていて・・・
ちょっとふざけても寺脇さんか、岸谷さんがツッコんで笑いに変えてくれる。
そんな信頼があるから、遊べるんでしょうw

フライングというか宙吊りもあり、
ミュージカルなので、もちろん歌ありダンスあり。
新宿コマ劇場は今まで見たこともない、二重?の上下する回り舞台。
ふんだんに回して、場面転換に大活躍。
スケールの大きい!

歌はやっぱり高橋由美子さんと、戸田恵子さんが上手いのかな。
戸田さんの最後の歌は、あんまりにも気持ちがこもっているもんだから、
感動して涙が出るほどでした。
そんな役者さんに出会えるなんて、幸せだとしみじみ感じますねー。

今回初地球ゴージャスで驚いたのが、岸谷さんのダンスと殺陣。
キレが良くって、めちゃくちゃにカッコ良い!!
知らなかったです、こんなに岸谷さんが踊れるなんて。

殺陣は唐沢さんもカッコ良かったです!
ダンスはたいしてなかったので、なんとも言えませんが・・・

カーテンコールのダンスの際、岸谷さんが唐沢さんのつま先をまんべんなく踏む。
なんていうハプニングもあり(笑)、でもそれを笑いに変える
チームワークの良さ、みたいなものも感じました。

うーん、楽しい舞台だった!!
見終わって、面白かった!!と自然と笑顔になれました。

5/25 やわらかい服を着て

2006-05-25 23:58:36 | 舞台感想
2006年5月25日[やわらかい服を着て]@新国立劇場 小劇場

作・演出:永井愛
出演:吉田栄作、小島 聖、粟野史浩、月影 瞳、大沢 健、でんでん
   泉 陽二、山中 崇、日沖和嘉子、丸山 桂

永井さんはやっぱり、良いお芝居を書く人だなぁ~
って言っても、私が見たのは[歌わせたい男たち]だけなんですが、
これが良くなかったら、今日は見に行ってません。

若者・・・私も若者だけど(笑)最近の若者が無気力、無責任、無感動・・・
などと言われる世の中にも、平和を思いNGO団体で活動する若者がいる。
そこを描いた物語。

『君もNGO団体に参加しよう!!』

などという押し付けがましい話ではなく、

『こういう人達もいるんだよ?あなたはどう思う?』

と、優しく、でも強く語り掛けてくるような、そんな感じの話です。
こういう芝居を見るたびに、自分の無知を思い知らされます。
難しいな、ってか無理かも、戦争とか関わっちゃう舞台の感想を書くのは。

ただ、見て“かわいそう”と涙を流すよりは、
自分の意識をちょっとでも変える努力をするべきだとは思いました。

[やわらかい服を着て]と[白夜の女騎士]、
表現の仕方は全く違うけれどw、共通点は多々ある気がします。
国境とか、そんな境を飛び越えて、
もっと広い大きな視点で、今いる世界を見なくちゃいけない。特に若者は。(笑)