ついに新司法試験の結果が発表されましたね。
成績全体について論評する前に、まず法科大学院別の合格率ランキングを出してみようと思います。
なお、全法科大学院別の合格者数等のデータについてはこちら
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h18-04kekka.pdf
を参照してください。
<凡例>
出願者数:新司法試験に出願した者のうち、法科大学院を卒業した者の数
合格者数:最終合格者数
合格率:合格者数/出願者数×100%(小数点2位以下四捨五入)
なお、この記事での合格率計算では、上記のとおり出願しながら受験しなかった人や途中欠席した人も母数に入れるという方針を採っているため、某コメント欄に書かれた合格率とは必ずしも一致しないことを念のため付け加えておきます。
<合格率ベスト10>
出願者数 合格者数 合格率
1位 島根大学法科大学院 1名 1名 100.0%
ははは。運がよかったですね。でも来年はどうなることやら。
2位 一橋大学法科大学院 53名 44名 83.0%
東大を抑えて2位にランクイン。一橋勢大健闘です。
3位 東京大学法科大学院 173名 120名 69.4%
高い順位ではあるものの、最高学府の成績としてはやや物足りない気も。
まさか、教授たちの「法科大学院の授業に専念していれば新司法試験など
恐れるに足りない」なんて言葉を真に受けたんじゃないでしょうね。
4位 愛知大学法科大学院 19名 13名 68.4%
4位 北海道大学法科大学院 38名 26名 68.4%
この両校は全くの同率です。
6位 京都大学法科大学院 130名 87名 66.9%
7位 大阪市立大学法科大学院 27名 18名 66.7%
8位 神戸大学法科大学院 62名 40名 64.5%
9位 早稲田大学法科大学院 19名 12名 63.2%
10位 慶応義塾大学法科大学院 166名 104名 62.7%
全体としては、東大・京大・早稲田・慶応といった旧司法試験時代の名門校がやや苦戦する一方、やや意外な大学の健闘が目立ったという印象を受けます。
なお、合格者数が最大の131名となった中央大学法科大学院は、出願者数が240名もいたため、不合格者数もトップ(108名、なお欠席者1名)となり、合格率は54.6%とランク外です。
続いて、合格率が悪かった方の大学のランキングです。
<卒業生が新司法試験で全滅した大学>
京都産業大学法科大学院(出願者数2名)
神戸学院大学法科大学院(出願者数3名)
東海大学法科大学院(出願者数3名)
姫路獨協大学法科大学院(出願者数8名)
以上の4校はいずれも合格者数ゼロです。
<合格率が悪かった大学(30%未満)>
出願者数 合格者数 合格率
5位 駒澤大学法科大学院 18名 1名 5.6%
6位 関東学院大学法科大学院 17名 1名 5.9%
7位 駿河台大学法科大学院 22名 2名 9.1%
8位 日本大学法科大学院 58名 7名 12.1%
9位 東洋大学法科大学院 24名 4名 16.7%
10位 専修大学法科大学院 52名 9名 17.3%
11位 大東文化大学法科大学院 20名 4名 20.0%
12位 熊本大学法科大学院 4名 1名 25.0%
12位 久留米大学法科大学院 4名 1名 25.0%
12位 広島大学法科大学院 12名 3名 25.0%
15位 立命館大学法科大学院 104名 27名 26.0%
16位 神奈川大学法科大学院 15名 4名 26.7%
17位 甲南大学法科大学院 18名 5名 27.8%
以上の17大学は、間もなく存亡の危機にさらされると考えられます。
なお、来年の新司法試験は、1期未修生・2期既習生に加え今回の不合格者の多くが出願し、出願者数は合計7,000名前後になると予測されている一方、合格者数は1,500名程度にとどまる見込みであるため、全体で合格率20%台の激戦となる見込みであり、卒業生が全滅する法科大学院はさらに増えると見込まれます。
また、法科大学院生は皆授業そっちのけで新司法試験の受験勉強に没頭せざるを得なくなり、法科大学院の「学級崩壊」は今後さらに進むのではないかと予測されます。
成績全体について論評する前に、まず法科大学院別の合格率ランキングを出してみようと思います。
なお、全法科大学院別の合格者数等のデータについてはこちら
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h18-04kekka.pdf
を参照してください。
<凡例>
出願者数:新司法試験に出願した者のうち、法科大学院を卒業した者の数
合格者数:最終合格者数
合格率:合格者数/出願者数×100%(小数点2位以下四捨五入)
なお、この記事での合格率計算では、上記のとおり出願しながら受験しなかった人や途中欠席した人も母数に入れるという方針を採っているため、某コメント欄に書かれた合格率とは必ずしも一致しないことを念のため付け加えておきます。
<合格率ベスト10>
出願者数 合格者数 合格率
1位 島根大学法科大学院 1名 1名 100.0%
ははは。運がよかったですね。でも来年はどうなることやら。
2位 一橋大学法科大学院 53名 44名 83.0%
東大を抑えて2位にランクイン。一橋勢大健闘です。
3位 東京大学法科大学院 173名 120名 69.4%
高い順位ではあるものの、最高学府の成績としてはやや物足りない気も。
まさか、教授たちの「法科大学院の授業に専念していれば新司法試験など
恐れるに足りない」なんて言葉を真に受けたんじゃないでしょうね。
4位 愛知大学法科大学院 19名 13名 68.4%
4位 北海道大学法科大学院 38名 26名 68.4%
この両校は全くの同率です。
6位 京都大学法科大学院 130名 87名 66.9%
7位 大阪市立大学法科大学院 27名 18名 66.7%
8位 神戸大学法科大学院 62名 40名 64.5%
9位 早稲田大学法科大学院 19名 12名 63.2%
10位 慶応義塾大学法科大学院 166名 104名 62.7%
全体としては、東大・京大・早稲田・慶応といった旧司法試験時代の名門校がやや苦戦する一方、やや意外な大学の健闘が目立ったという印象を受けます。
なお、合格者数が最大の131名となった中央大学法科大学院は、出願者数が240名もいたため、不合格者数もトップ(108名、なお欠席者1名)となり、合格率は54.6%とランク外です。
続いて、合格率が悪かった方の大学のランキングです。
<卒業生が新司法試験で全滅した大学>
京都産業大学法科大学院(出願者数2名)
神戸学院大学法科大学院(出願者数3名)
東海大学法科大学院(出願者数3名)
姫路獨協大学法科大学院(出願者数8名)
以上の4校はいずれも合格者数ゼロです。
<合格率が悪かった大学(30%未満)>
出願者数 合格者数 合格率
5位 駒澤大学法科大学院 18名 1名 5.6%
6位 関東学院大学法科大学院 17名 1名 5.9%
7位 駿河台大学法科大学院 22名 2名 9.1%
8位 日本大学法科大学院 58名 7名 12.1%
9位 東洋大学法科大学院 24名 4名 16.7%
10位 専修大学法科大学院 52名 9名 17.3%
11位 大東文化大学法科大学院 20名 4名 20.0%
12位 熊本大学法科大学院 4名 1名 25.0%
12位 久留米大学法科大学院 4名 1名 25.0%
12位 広島大学法科大学院 12名 3名 25.0%
15位 立命館大学法科大学院 104名 27名 26.0%
16位 神奈川大学法科大学院 15名 4名 26.7%
17位 甲南大学法科大学院 18名 5名 27.8%
以上の17大学は、間もなく存亡の危機にさらされると考えられます。
なお、来年の新司法試験は、1期未修生・2期既習生に加え今回の不合格者の多くが出願し、出願者数は合計7,000名前後になると予測されている一方、合格者数は1,500名程度にとどまる見込みであるため、全体で合格率20%台の激戦となる見込みであり、卒業生が全滅する法科大学院はさらに増えると見込まれます。
また、法科大学院生は皆授業そっちのけで新司法試験の受験勉強に没頭せざるを得なくなり、法科大学院の「学級崩壊」は今後さらに進むのではないかと予測されます。
行った法科大学院が下馬評を覆す形で
躍進し、これまでのブランドにかまけて
添削指導など中身のある指導を必ずしも
十分に行わなかったマンモス校が相対的に
沈んだのはとてもいいことではないかと
思います。
北大、大阪市大、愛知大の躍進は
教員が本気でやればいくらでもマンモス
校を逆転できることを示しています。
司法試験委員会の審議会議事録をお読みください。
まだ合格率7割が信じられていたので
受験生も学校のブランドにも
あまりこだわらなかったようです。
次年度以降は合格率が明らかになったので
日本人のブランド志向完全復活だった
らしいですが。
長期的には結局、旧司法試験名門校が
独占することになりそうですよ。
黒猫先生は、今回の結果を受けて「法科大学院生は皆授業そっちのけで新司法試験の受験勉強に没頭せざるを得なくな」るだろうと述べられています。しかしながら、このような見解には異論があります。といいますのも、私が在籍していたLSでは、見事に大学院での成績が上位だった院生から合格者が出ているからです。
確かに、LSの授業には、試験との関連性が薄いと思われるものも存在し、そういった授業に(必要以上に)力を入れていては試験勉強もままならないと思います。実際、私達も「なんで今頃こんなことをしなくてはいけないんだ」と愚痴をこぼしていたことがあります。しかし、結果が出た今となって振り返ってみますと、やはり授業で求められたことを真面目にこなし、相対的に高い評価を受けた人の方が試験においても高い評価を受けているように思われます(データがあるわけではありませんが、他大学でも大学院内の成績優秀者の方が試験においても力を発揮する傾向にあるようです)。ですから、私としましては、択一等の大学院では教えてもらえない部分に力を注ぐのは当然だとしても、あまり大学院内での成績を軽視しないよう(単位さえとれればいいというスタンスはとらないよう)お勧めする次第です。
合格率が、48%になったことで、早速、顧客から、「弁護士になるのが楽になってこれからは大変ですね」などといわれるような始末です。
法科大学院の仕組みを説明して、単純に旧試験との合格率とは比較できない旨の説明をするのですが、なかなかわかってもらえません。
それは、失礼ながら、やはり、あまりこれまで世間的な評価のない大学院からも、少なくない合格者がでていることから、世間は、やはり、相当程度簡単になったと評価していることを思い知らされました。
旧試験出身の合格者の月収が、低いところでは、会費を含まないで、月額30万円程度にまで、下落していますが、以前、黒猫先生のブログにあった月額20万円台の新人弁護士の月額給与も決して不思議ではないと思います。
もっとも、渉外弁護士などは違うと思いますが、新人弁護士のかなりの方が、いわゆるまち弁になるのですから、新人弁護士を雇用するまち弁の立場からいえば、当然、旧試験新試験問わず、需要と供給の関係から、従来よりも、低い水準での提示にならざるえないと思います。
したがって、黒猫先生のおっしゃられるとおり、喜んでいる場合ではありません。就職できない可能性もあるのですから。
恐れるに足りない」なんて言葉を真に受けたんじゃないでしょうね。
↑
これ、凄くわかります。
ただ、再入学する学校では「やれ」と言われたことはやるつもりですが。