湯河原・真鶴の焼却場の上、さつきの郷や白銀林道をよりも上は、星ケ山の中腹です。車1台幅の車道を上へ上へと昇っていくと小道地蔵堂寺屋敷跡があります。
この少し窪んだ土地は、源頼朝ゆかりの地である、湯河原・真鶴町に点在する頼朝伝説の舞台のひとつです。
治承4(1180)年に小田原市西部、石橋山合戦で平家軍勢に破れた頼朝は、湯河原の英雄、土肥次郎実平の案内で湯河原の山中を逃げ回ります。途中、この地にあったお堂に逃げ込むと、お堂の主、純海上人に匿われます。
やって来た平家軍勢に純海上人は、口を割らなかったため殺されてしまいます。
軍勢が去ったあと、穴から出て来た頼朝は上人の哀れな姿に涙を流し、涙が喉に落ちたところ、上人は息を吹き返したと云われています。
鎌倉幕府樹立後、頼朝は上人へ寺領と頼朝山小道寺の称を贈ったそうです。
右に目を遣ると、純海上人像が鎮座しています。
左には、観音様が祀られています。
鎌倉幕府開運街道のひとつとして、大切にされています。
小道地蔵は、湯河原町吉浜海岸沿いに移転再建され、今日に至っています。