日本の企業数は150万社以上あって、その99%が中小企業のようだ。
従業員数が30人以上いる会社は10%くらい、50人以上になると
5%から6%くらいになるらしい。
今、アベノミクスで利益が増えたと新聞などで書かれているが、よく
読んでみると「上場企業の発表によれば」とか書いてある。東証上場
企業数は3,400社くらいあって、全ての会社数からみると
0.002%ということになる。
アベノミクスによる円安で、ドル建てで輸出している企業は、輸出は
増えていないのに円換算することで利益だけが増えるという現象が
起きている。
金融緩和でジャブジャブにして、株高を誘発したが、これも株式を
もっていない人には何の関係もない。
この円安・株高という2つの効果は大手製造業向け政策、銀行・生保
などの金融機関向け政策という気がする。
圧倒的多数を占める中小企業には、円安によるコスト、生活必需品
などの値上げの方が響いていて、むしろ苦しい感じになっているの
ではないか。
一方で国は企業に賃金引上げを迫っているが、これも中小企業には
プレッシャーでしかない。
賃金は業界によって大きく違っていて、製造業の平均賃金は30万円
くらいあるらしいが、介護・福祉業関係は25万円くらいらしい。
製造業で働く従業員数は、この20年間で25%くらい減ったのに対し
介護・福祉業で働く従業員は、この10年で60%以上増えているらしい。
このトレンドが賃金下落の基本的原因のようだ。また、非正規労働者が
増えていることもその理由のひとつ。構造的なものだ。
そうやって考えていくと、今、本当に大切なことが見えてくるような
気がする。
それは 新しい産業の育成。
製造業以上に生産性の高い、新しいサービス業を作り出すことだと思う。
日本の99%を占める中小企業の中から、ベンチャースピリットをもつ
企業がイノベーションを起こし、これを実現させることを望んでいる。
政策的には、規制緩和。
様々な圧力団体に屈しないで、イノベーションを応援していくこと。
特に、農業と医療の分野で、その必要があるように思う。
上の写真は11月14日の東京OAZO前。
上の文章は、週刊ダイヤモンド11月23日号の野口悠紀雄さんの「超整理日記」
の内容に強く影響を受けております。
| Trackback ( 0 )
|