卒業・春びより・春到来・彼岸前

＊卒業の門出祝う避難先 　　卒業の門出を祝う避難所　　　　　 ＊復興の良き春びより石巻線　　　　　　　　○ ＊あかね色の「スーパーこまち」春到来 　　あかね色の「スーパーこまち」春の風　　　 ＊囲碁仲間と会話もはずむ彼岸前 　　囲碁仲間と会話のはずむ彼岸前

うぐいす・山笑う

＊うぐいすの初音聞きいる河川敷 ＊にわとりの鳴き声真似て山笑う ＊牧場の牛寝ころんで山笑う

春・芹・蓬

*さざ波や野芹かすかにゆれており　　　　○ *バス停のよもぎ踏まずにばすを待つ 　　バス停によもぎの萌える日差しあり　　　 *春の百舌悲しき日には舌鳴らす　　　　　○ *手鏡や時間をかけて春メイク　　　　　川柳

暮遅し・春日・春の鴨・山茱萸

*暮遅し専用車の豆腐売　　 　再))暮遅し家路を急ぐ豆腐売 *コーヒーにハート描いて春日さす 　コーヒーにハート描いて春うらら　　　 *春の鴨丘へあがりて散歩かな 　春の鴨丘へあがりて歩きおり　　　　　 *山茱萸の明かりこぼれる駐車場 　山茱萸の明かりのなかの駐車場　　　　 *山茱萸の黄が明るくて立ち話　　 　山茱萸のあかるさにいて立ち話

土筆・啓蟄

*姉妹土筆摘みしふるさとよ　　　　　　千代 　姉妹で土筆摘みし日遠くなり　　　　　 *啓蟄や畑啄む小鳥かな　　　　　　　　千代 　啓蟄や菜を啄ばみて小鳥たち　　　　　 注・「や」「かな」

暖かし・春の闇

*あたたかし居眠りしてる夫かな 　あたたかし居眠りの夫（つま）脇にして　　　　 *病室に見舞客あり黄水仙　　　　　○ *一難去って又一難や春の闇　　　　　川柳

初桜

*冴え返る大震災の二年迎え 　冴返る二年となりし大震災　　　　　　　　 *合格の知らせ届いて初桜 *春めくや班長の役まわり来し　　　○ *電話中の春疾風に目を閉じる 　春疾風電話最中をおそわれし　　　　 *春疾風めをとじ犬と堪え忍ぶ　　　　○

初蝶・初燕

*幼き子「あっちょうちょだ」と初蝶かな 　初蝶に幼き声のおこりけり　　　　　　　 *畦道に初蝶現れ歩を合わす 　畦道に初蝶の出て歩を止める　　　　　　 *橋桁を通り抜けてく初燕　　　　　　　　○

木の芽どき・黄砂・卒業

*木の芽どき姉似の人に微笑みて　　　　○ 　　　　 *黄砂降る灰色の空浅間まで　　　　　　○　 　　　　　　 *校庭の蕾綻び卒業生 　校庭のさくらほころび卒業生

三月・春

*大橋の車連なり春霞　　　　　　　　○ *葬礼の知らせうけとり三月かな 　葬礼の知らせの届く春浅し　　　　　 *冬越えし飛蝗の死がい利休の忌