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京都でモネの絵を鑑賞

2016-05-11 15:17:28 | 日記
5月1日に、京都市美術館で開催されていたモネ展に行った。「印象、日の出」から「睡蓮」まで充実の90点。館内は大盛況で満員だった為、落ち着いて絵を鑑賞する余裕は無かったが、モネの偉大さを堪能するには時間はさほど重要ではない。一瞬の吟味でも十二分にその色彩表現に圧倒されてしまうからだ。前回モネの絵に会ったのは、昨年の神戸市立博物館で展示されていた幅6メートルの「睡蓮」の大作。誠に個人的な感想で恐縮ではあるが、この京都で展示されていた「睡蓮」の連作よりも、昨年の神戸で見た「睡蓮」に魅力を感じてしまうのは私だけだろうか。私は印象派の画家達の中では、セザンヌやゴッホも含めてモネが一番好きだし、物凄い画家だと位置づけている。いや、印象派という範疇のみならず西洋絵画史の中でもベスト10には入るだろう。それほど驚異的な才能の持ち主なのだ。セザンヌは「モネは素晴らしい目を持っている」と語ったが、まさにその通りで、モネの視力は我々人間の可視光線の領域を超えているのではないかとさえ疑いたくなる。ゆえにモネの絵は他の作家の絵と並べられた時に、他の追随を許さない訴求力で鑑賞者へ特異な美を放出するのである。この為、モネ尽くしの空間であるならば、展示にもう一工夫の捻りが欲しかったところだ。今回の展覧会は「究極のモネ展」と名打ってはいるが、それには少し違和感も覚えた。10代から晩年までの画業を辿ることができる画家本人によるプライベート・コレクションであるならば、究極という形容には首を傾げる。

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