
まえがき
前から行きたかったこの地方、あまり位置をご存知ない方もおられるかもしれませんが、アラル海にそそぐアムダリア川、シルダリア川にはさまれた中央アジア平原でも緑豊かな土地、かつてマー・ワラー・アンナフルと呼ばれたところでした
ソグド人と呼ばれるシルクロードの商人が根拠地としました
豊かであるだけに、東からは大月氏,セルジュクトルコ,モンゴル、西からはアレキサンダーとその後継国家,サラセン帝国、南からはクシャナ朝,ササン朝ペルシャ、新しくはロシア帝国と蹂躙の波がいくつもあり、ティムール帝国もサマルカンドを首都としていてもモンゴル系のようです
これはすごいですね。歴史的にかなりの錯綜があり、遺跡を巡りましたが頭の整理がつきにくいところです
宗教的にもゾロアスター教、イスラム教、仏教
ウズベク人はトルコ系、タジク人はペルシャ系
その風土、音楽、遺跡などを何回かに分けて写真付きで紹介しようと思います
まずは私が二胡の学習者であるにより楽器から3つほど紹介
ドゥタール
2弦の撥弦楽器
弦楽器発祥についていろいろ考察してきた割に知らなかったのがこのドゥタールの語源。
ガイドさんが説明してくれたところによればペルシャ語/タジク語でドゥは数の「2」、タールは「弦」。
したがってドゥタールは直訳すれば二弦、とか二線になります。(3本ならば三弦とか三線? これはありませんでした)
博物館に展示されていたものですが、手入れが良くなく、弦が1本切れていました(学芸員に音楽の素養がなければままあることです)
タジク人は音楽が好きで、かつては一家に一台ドゥタールがあったとのこと

タール
これは最終日ホテルのダンス&音楽ショウでのもの(ウズベク)
ドゥタールでの語源から言えば「弦」という名前になりそうです。この地方の弦楽器で一番一般的なのでしょうか
弦の数は4組2本セットの合計8本でした。その割には糸巻きの数が少ないです
楽器の名前がペルシャ系ということは、音楽に関してはトルコ系よりペルシャ系のほうが優勢ということかもしれません


チャング
タジクの博物館でのもの。ほかと一緒くたに置かれています
これは中国の「揚琴」にそっくりです。まあどちらが起源かは分かりませんが
「チャング」と「琴」は音写の関係にあるかもしれません

ウード
どれくらい使われているのかわかりませんがとりあえず2方向から写真
折れたネックが特徴


笛
出土品。クシャナ朝時代のものと思いますが、そうだとすれば紀元前2世紀から後5世紀のもの

目次はこちら