花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

奇跡を生む病院

2022-08-15 | 日記
ちょうど1年と一か月前、腸ねん転で近くの県立病院に入院した。その時の体験談です。

   奇跡を生む病院
 カーテンで仕切られた隣のベッドの患者は、ベッドに横たわったままで殆ど言葉を発しなかった。看護師が大声で話しかけても、耳が遠すぎるのか、活舌が麻痺しているのか、「阿(あ)とか「吽(うん)」とか言うだけだった。

 夜の9時に、見回りの看護師さんが来て、「タナベさ~ん、お星さまがいっぱい出ていますよ。お山とお空がとっても美しいわ。」と言ったが、田辺さんは、「うん」とも「すん」とも応えなかった。

 病室の東窓からは、袴岳(はかまだけ)と斑尾山(まだらおやま)が手の届きそうな所に見えていた。

 翌朝6時に、看護師さんが、窓のカーテンをサッと開けて、「今日は快晴ですよ、タナベさん」と言うと、奇跡がおきた。

 田辺さんがしっかりした声で応じたのだ。
 「ああ、お山とお空がとっても美しい。」
 看護師、「今日は17日よ、関山の火祭りだわ。」
 田辺さん、「わしが演舞を舞った日も、奉納相撲を取った日も、お空は
今日のように美しかったなあ。」
              妙高山
コメント
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