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気ままに生活してるシニアの残日録

Bill Perkins「Die with Zero」を読む

2024年05月26日 | 読書

Kindleで「Die with Zero」(Bill Perkins)を読んだ、今回は英語の勉強もかねて、原書で読んでみた。Kindleで読めば、わからない英単語や文章は該当部分を指でタッチしたり範囲指定すればたちどころに翻訳してくれるので大いに助かる。英語は大部分が初級英語程度で読みやすかった。

この本は人生をどう考えて生きるべきか、特にお金の使い方に焦点を当てて書いたものである、アマゾンのレビュー数も多いし、書店でも日本語に翻訳をしたものが山積みされているので結構人気があるのでしょう、そんなこともあって読んでみようと思った。

著者がこの本を通じて主張していることは、

  • 本のタイトル通り、死ぬ時までには全部のお金を使え、ということだ、お金を使うとは、何らかの体験をするということだ、それは自分の人生に意味をもたらし、素晴らしい思い出を作る、死の間際に自分の人生は素晴らしかったと振り返ることができるということだ
  • 一方、死んでお金をいっぱい残すということは、自分のエネルギーの使い方を間違えた、必要以上に働きすぎた、時間の使い方を間違えたということだ

こう言われると、人々はいろんな疑問がわいてくるだろう、主な疑問とそれについて著者の回答を要約すると次のようになる

  • 人々は老後に金が枯渇することを恐れて長く働き、多めに貯金をする、そのお金が枯渇するリスクにどう対応するのか
    著者の助言
    それが心配なら生存生命保険(income annuities)に加入する、長生きしたら保険金が出る生命保険だ
  • 死んで子供に金を残してやりたい
    著者の助言
    子供には彼らが本当に必要とするときに金を贈与すべきだ、あなたが死んでからでは遅い
  • 死んで有意義な寄付をしたい
    著者の助言
    寄付をしたいなら今すぐ寄付をすべきだ、金を必要としている人に今、寄付すべきだ

これ以外にもいろんな関連する助言があるので読んでいて面白い。あなたの貯金や投資残高のピークはリタイア前であり、あなたの健康のピークもリタイア前である、あなたの健康状態や財政状態、仕事とのバランスを常に考えて、人生の行動の判断をすべきだ、リタイアしてから人生楽しみたいと考えても往々にして遅い、それゆえお金を多く残して死ぬことになる、それは自分の時間の浪費であり、有意義で楽しい体験をする機会の放棄である

なかなかユニークな考えだと思ったが、自分はこれを半分くらいは実践できているとも思った。そして本書を読んで驚いたのは、著者が多分アメリカの例だと思うが、死んで多くのお金を残す人が多く、働きすぎの人が多いという指摘だ

一般に米人は借金をしてでも消費している人が多い、リタイアしたら仕事はしない、というイメージがあるが、本書を読む限り、ほとんど日本人と同じメンタリティを持っているということだ、本でも新聞でも日本人の書いたものだけ読んでいてはだめだ、翻訳でも不都合な部分を除外している例もあるから要注意だ

読む価値はある本だと思った

なお、著者のウィリアム・O・パーキンス3世(1969年2月、米国生まれ)は、本書の中で自分の経歴も書いているが、Wikipediaによれば、アメリカのヘッジファンドマネージャー、映画プロデューサー、作家、ハイステークスポーカープレイヤー。 2023年時点で約5億ドルの資産を運用するエネルギー取引ヘッジファンド、スカイラーキャピタルを運用、と出ている

 



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