劇団青年座第260回公演「Lovely wife」を観劇した、本作は劇団青年座創立70周年記念公演の掉尾を飾る作品、7,500円、前から2列目だった、本多劇場は初訪問、満席だった
作・演出=根本宗子
キャスト(写真)
劇団青年座(代表:濵田正敏)は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月に森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子ら十人の俳優によって結成した。同年12月俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一『写楽考』、水上勉『ブンナよ、木からおりてこい』ら多くの劇作家と共に数々の創作劇を上演し、今年で創立70年
最近では、2022年中島淳彦『夫婦レコード』、土田英生『時をちぎれ』、2023年古川健『同盟通信』、竹田モモコ『ぼっちりばぁの世界』と現代演劇を代表する劇作家の新作を次々と上演している、また、2023年『黄色い封筒』(イ・ヤング作)など海外現代戯曲の上演なども手掛けている、所属俳優は108名
出版社に勤務する編集者の坂東秋江(高畑淳子)、その夫で小説家の坂東晋太郎(岩松了)、秋江の幼馴染で夫婦のことを長年近くで見てきた並木都(伊勢志摩)
とあるパーティに出席した坂東夫婦は、ひょんなことで若かりし頃の自分たちを思い出す、2人の思い出が膨らみに膨らんで、登場人物それぞれの生き方、幸せがぶつかり合い、物語は思いもよらぬ事件を巻き起こす・・・
観劇の感想など
- それぞれの俳優は一生懸命演技していたと思う
- 舞台の設定、場面転換などは特に違和感なかった
- あらすじが事前にほとんど説明がなく、当日もプログラム・ノート(700円)でほんのわずかな説明と登場人物の相関図だけ、登場人物が多いのでプログラム・ノート無しの人はいきなり観劇したのではストーリーが理解できないのではと思った、私はノートを読んでもわかりずらかった、あらすじは事前にある程度わかっても劇の面白さは変わらないと思う、シェイクスピアや歌舞伎、オペラがいい例だ、その方が役者の演技に集中できると思う
- セリフのしゃべり方に疑問を感じたところがあった、それは次女と三女の二人だ、いずれも亭主と夫婦の間の問題で口論になる場面だ、興奮して大声で亭主に怒鳴りまくる、それもかなり長い時間女房の方だけがそういう話し方をするのは自然ではない、普段の夫婦喧嘩でもこんな激高することはないのではないか
- 主人公の坂東夫妻はベテランの高畑と岩松の演技なので安心して観ていられたが、娘の「もも」が二人いるのがどういう理由か分からなかった、また、若い時代を思い出す場面があるのだが、それがよくわからなかった
- プログラム・ノートでは「登場人物のそれぞれの生き方、幸せがぶつかり合い、物語は思いもよらぬ事件を巻き起こす」とあるが、この思いもよらぬ事件というのがわからなかった、また、この演劇のポスターの写真が実際の舞台で出てこなかったような気がするがどうだろうか
演劇のむずかしさを感じた一日だった
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