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気ままに生活してるシニアの残日録

「サントリーホール 室内楽のしおり、葵トリオとホープたち」を聴きに行く

2023年06月13日 | クラシック音楽

サントリーホールで開催されたチェンバーミュージック・ガーデン(CMG)の公演を聴きに行ってきた。今日は、「室内楽のしおり、葵トリオとホープたち」という公演。Chamber Musicとは「室内楽」という意味、CMGは2011年に開園し、初夏の風物詩として多くの人に親しまれるフェスティバルであるが知らなかった。料金は2,500円。

場所はサントリーホールのブルーローズという部屋で、ホールの入口を入って直ぐ左側にある。この部屋に来るのは2回目だが、上品なサロンのような雰囲気があり、好きだ。今日は舞台を入口正面にセッティングしてあり、その周りをコの字型に囲むように椅子が配置されていた。演奏者との距離感が近く、生の演奏の醍醐味が味わえた。

葵トリオは以前テレビでも放映されていたので知っていた(その時の模様はこちらを参照)。今日はさらに現在勉強中の若手が何人も出演するもので、めずらしいプログラムだと思った。客席の方は年配者が圧倒的に多く、まるで親たちやおじいさん、おばあさんたちの前で子供や孫たちが演奏しているような景色で微笑ましかった。

若干の感想を述べよう

  • 今日は葵トリオの小川響子さんの司会により演奏者や曲目の説明などがあり、演者の話も多く聞けて非常に貴重な機会であった。このような企画は大歓迎である。普通のクラシック音楽の公演でも出演者はなるべく観客との対話を心がけでほしいと思っている。よりクラシック音楽を身近なものにしてファンの裾野を広げてほしいし、公演で演奏だけして一言も話をしないと言うのでは近づき難い印象を与えるだけで好ましくないと思っている。その意味で今回の公演は高く評価できる。
  • 若手の演奏家を知り、話を聞いたり演奏を聴くことができたのも大きな収穫である。幼いころから音楽一途の生活を送り、犠牲にしたものも多い若者たちだと思うが、このような機会を利用して是非羽ばたいてほしいと思う。サントリーホールはこのような若手を応援するプログラムを以前から実施しているようで有難い。企業などの支援で彼らの才能を開花させる企画を継続してほしい。
  • 若者が世の中で自分の存在を認めてもらい、経済的にも成功するためには、ただ演奏の技術だけを磨けば良いわけではないと思う。演奏がうまいだけの人はいっぱいいるからだ、その中で世に認められるためには何か必要なのか、練習に明け暮れる中でもそのことは考えてもらいたいと思う。

今日の演奏時間は1時間20分くらいの短いものだったが、内容的には大変充実した公演であった。

(出演)

ピアノ三重奏:葵トリオ
 ピアノ:秋元孝介
 ヴァイオリン:小川響子
 チェロ:伊東裕
サントリーホール室内楽アカデミー選抜フェロー
 弦楽四重奏:カルテット・インフィニート(落合真子、小西健太郎、菊田萌子、松谷壮一郎)
 ヴァイオリン:東亮汰
 ヴィオラ:川邉宗一郎/古市沙羅
 コントラバス:森田麻友美(客演)

(曲目)

ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96「アメリカ」より 第1楽章
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 作品67 より 第4楽章
ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60 より 第3楽章
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44 より 第3楽章
メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲 ニ長調 作品110 より 第1楽章

公演が終了したのが12時20分、ちょうど昼時だったので、サントリーホール正面のアークヒルズにある「The City Bakery Brasserie Rubin」でスコーンとクロワッサンを買って(770円)、アーケードの下のベンチに腰かけて食べた。おいしかった。



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