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日本フィル 第755回定期演奏会を聴きに行く

2023年11月06日 | クラシック音楽

サントリーホールの大ホールで開催された日本フィルハーモニー交響楽団の第755回定期演奏会を聴きに行ってきた。今日は14時開演、A席、6,500円。9割方埋まっていたか、幅広い年令層の人が来ている感じがした。

クラシック音楽の公演会は平日に行きたいと思っていたが、平日の公演はほとんど夜の開催になる。サントリーホールや新国立劇場などは帰宅が遅くなるので、最近は土日の昼間の公演に行くようになった。ただ、上野であれば夜でも1時間くらいで帰宅できるので許容範囲だ。

平日の公演も半分は昼間にしてはどうだろうか、平日の観客はシニア層が大部分だ。それらの人は私と同じように遅い時間の帰宅はいやなはずだ。観客は減るどころか増えるのではないか。半分の公演だけそうしてみて実験してみてはどうか。

今日の演目、出演は

コダーイ:ガランタ舞曲(16分)
オルフ:世俗カンタータ『カルミナ・ブラーナ』(65分)

指揮:小林研一郎[桂冠名誉指揮者]
ソプラノ:澤江衣里
テノール:髙橋淳
バリトン:萩原潤
合唱:東京音楽大学
日本フィルハーモニー交響楽団

演目のカルミナ・ブラーナは、ウィキや当日配布された資料で調べてみると、

  • カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana、「バイエルンの歌集」の意味)は、19世紀初めにドイツ南部、バイエルン選帝侯領にあるベネディクト会のベネディクトボイエルン修道院で発見された詩歌集を言う。
  • この詩歌集の中の歌詞のテーマは、I) 時代と風俗に対する嘆きと批判、II) 愛と自然、愛の喜びと苦しみ、III) 宴会、遊戯、放浪生活、IV) 宗教劇である。現在、この詩歌集はミュンヘンのバイエルン州立図書館に所蔵されている。

作曲したオルフは

  • ドイツ人でミュンヘン生まれ。前記の詩歌集から24篇を選び、曲を付けた。「初春に」「酒場にて」「愛の宮廷」の3部から成り、その前後に序とエピローグがつく。1936年に完成し、翌年6月8日にフランクフルト歌劇場で初演され、全世界に名前を知られるようになった。
  • この曲には、「楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲 」という副題が付いている

とある。これには驚いた。カルミナ・ブラーナもオルフも旅行に行ったばかりのドイツ・バイエルン州のミュンヘンと関係あるものではないか。全くの偶然だ、と言うかミュンヘンに行く前に勉強しておくべきだった。

指揮者のコバケンは

  • インタビューで「この曲で重要なのはコーラスだ、オルフはこの曲を作る前に自分のすべての作品を捨て去って取りかかった、この曲に内包されているエロスを理解してコーラスもオーケストラも自分の声や音を楽しまなければならない」と語っている。
  • 私が持っているCD(1947年ヨッフム指揮)のライナー・ノーツを読むと、この詩歌集には宗教的な詩がある一方、酒・女・歌と賭博など、反社会的・反道徳的なものも数多く、その頽廃性の中に、いわばアウトサイダーの風刺や一種の覇気が強烈なエネルギーとともに表明されている、とある。
  • コバケンがエロスを内包すると言っているのはここらあたりのことなのだろう。よって、コバケンは通常、合唱団は少年合唱団が務めるが、今回は夜の公演もあり、内容的に少年にふさわしくない部分があるので、東京音楽大学の学生に担当させたとインタビューで答えている。
  • 今日の公演では歌詞の対訳が資料として配布されていたのは有難かった。これを読むと、確かにエロス的な部分がある。現代の常識ではそう気にならないが、確かに少年が合唱で参加するのは適当でないかもしれない。


(座席がかなり左側だったので、うまく撮れなかった)

さて、今日の公演だが、最初のゴダーイのガランタ舞曲の演奏の前に、よく見えずらわからなかったが、コバケンが指揮台に上がる前、舞台袖で、この曲の特徴を説明してくた、と思う、と言うのは良く聞えなかったからだ。曲の特徴などを時にビアノを弾き、自ら歌いながら説明してくれた。素晴らしいアディァだと思った。

カルミナ・ブラーナは劇的なメロディーが冒頭から始まり、多人数の合唱など、盛り上がる部分が多い曲で楽しめる。が、ゲーテ的に言えば、はったりが多い人を驚かせる音楽、とも言える。演奏時間が1時間というのも長い方であろうが、全体的には楽しめた。歌手の3人も非常に良い声で歌っていたと思う。テノールの高橋淳は出番が少ないが、台本無しで熱唱していたのは迫力があって、感情がこもっていて良かった。

さて、今日の公演で気付いた点を若干述べたい。

  • 公演の全部が修了した後、写真撮影OKであったのは評価できる。その旨、ホール入口のボードにも張り出してあったし、館内放送でも何回か案内があったのも良かった。
  • コバケンの指揮は初めて見たが、83才という年を感じさせないお元気な姿に感動した。公演の案内などで見るコバケンと実際のコバケンとは良い意味でかなりイメージがかけ離れていた。上品な老紳士という感じがして良かったし、指揮する姿に威厳があった。
  • 今回は、コバケンの指示で演奏開始前に楽団員全員が起立してコバケンとともに客席に一礼していた。演奏終了後にも同様な対応がされ、左右の2階席にもコバケンの指示で丁寧に一礼がなされていた。非常に好感が持てる態度だと感じた。
  • 日本フィルのホームページにはこの公演の解説YouTube動画が2つ、コバケンのインタビュー記事などがアップされていた。これは有難い。事前に予習ができるからだ。また、開演前に奥田佳道氏によるプレトークが15分無料で聞けたのも良かった。

さて、今日の公演前の食事はサントリーホール前のパン屋ではなく、地元の駅前の松屋に寄って、期間限定メニューからマッサマンカレー(タイのカレー、ココナッツミルクを使っている)、830円を食べた。

松屋のカレーは本当にうまいと思うが、やはりカレーに味噌汁は合わないので代わりにサラダをつけてほしい。

 

 

 



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