ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

映画「箱男」を観る(2024/8/27追記あり)

2024年08月27日 | 映画

2024/8/27 追記

昨日、吉祥寺のUPLINK吉祥という映画館で映画を観た際、映画館のロビーで先日観たばかりの「箱男」のプロモーションであろうか、本物そっくりの段ボール箱が飾ってあり、しかも、映画のようにそれをかぶってよいというサービスをしていた、その場にいた人は次々と面白がって「箱男」、「箱女」になって写真を撮ってもらっていた

また、映画館は地下2階だが、そのエレベーターのドアにも「箱男」が描かれていた

2024/8/24 当初投稿

封切直後の映画「箱男」を観た、シニア料金1,300円、120分、監督石井岳龍、比較的広い部屋だったが30人くらいが来ていた

作家・安部公房が1973年に発表した同名の小説を映画化したもの、この映画は1986年に石井監督が安部公房から映画化を託され、1997年に製作が正式に決定、スタッフ・キャストが撮影地のドイツ・ハンブルクに渡るも、クランクイン前日に撮影が突如頓挫、幻の企画となってしまった経緯がある

今回、悲劇から27年経って、奇しくも安部公房生誕100年にあたる2024年、石井監督は遂に「箱男」を完成させた

映画のパンフレットには、「箱男」それは人間が望む最終形態、ヒーローかアンチヒーローか、とある

ストーリーは、オフィシャルサイトによれば、

「ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、一方的に世界を覗き見る『箱男』。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏、1966年生れ)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、遂に箱男としての一歩を踏み出すことに。しかし、本物の『箱男』になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信、1973年生れ)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市、1960年生れ)、 “わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈、2002年生れ)・・・果たして“わたし”は本物の『箱男』になれるのか・・・)」

鑑賞した感想を述べてみたい

  • 安部公房の小説は「砂の女」だけは読んだこともあるし、その同名の映画を観たこともあり、面白い作家だなと思っていたところだ
  • 何も予習しないで観に行ったら、ストーリーがよくわからなかった、帰宅後、オフィシャルサイトやレビューコメントを見て、「ああ、そういうことなのか」と何となくわかった
  • アマゾン(本)の「箱男」の説明の中に、本の解説を書いた平岡篤頼氏(文芸評論家)の解説が載っており、そこに「箱男」の狙いのようなことが書いてあるので引用してみると、
    「考えてみればわれわれ現代人は、隅々まで約束事や習慣や流行や打算に支配され、その上、この小説の主人公がかつてそうであったように、「ひどいニュース中毒」に罹っている。「自分で自分の意志の弱さに腹を立てながら、それでも泣く泣くラジオやテレビから離れられない。」もしもそういうものをすべかなぐり捨てたら、世界はどう見え、われわれはどんな存在になるだろうか。風景が均質になり、いままで大切に思っていたものも、無価値と思って無視してきたものも、同等の価値をもって目にはいって来る。それと同時に、こちらの方向感覚、時間感覚も麻痺し、われわれ自身でなくなって、「贋のぼく」が現われる」
  • なんだか難しいが、そんなことを描こうとした映画なのかと、理解したが、実際の映画では前後関係が時系列では描かれないので、ストーリーがわかりにくいのだと思った
  • 結局、この箱男というのは、安部公房の時代では、ラジオやテレビから離れられない「ひどいニュース中毒」になっている人、現代では、スマホ/SNS、ネットから離れられない生活をしている孤独な、匿名な存在の人たちである、ということなのでしょうか、この先、AIやロボットが発達してきたら一体どういう「箱男」、「箱女」が出現するだろうか

  • 映画では冒頭に箱男を、完全な孤立、完全な匿名性な存在であり、一方的にお前たちを覗く、と説明されている、この箱男には孤独で匿名なスマホ中毒という面と、箱の窓から外界を覗き見、という要素がある、そして主人公の本物の箱男は元カメラマンだから覗いて写真を撮ったり絵を描いたりしている、本作はラストで、実は「箱男はあなたです」と言い、社会はその箱の窓からお前(視聴者)を覗いていたのだ、という逆説が強烈なパンチとして効いてくるというオチがあったように感じた、違うかもしれないが
  • 安部公房の問題提起自体は深刻だろうが、映画では本物の箱男と偽物の箱男の戦いなど、滑稽な場面や謎の女のエロスなどもあり楽しめるところもある映画だった
  • 映画のエンドロールの中で、音楽「マーラー交響曲第5番アダージェット」と出ており、エンドロールの時にそのアダージェットがピアノ独奏でが流れていたように思われた、普段聴くオーケストラの音楽とだいぶ違って聴こえたので勘違いかもしれないが(映画の途中で流れていたとすれば、気付かなかった)、なぜマーラーなのかはわからなかった

難解な映画でした


ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前に行く、帰りにパンのペリカン

2024年08月27日 | カフェ・喫茶店

蔵前にあるカフェ、ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前に行ってみた、初訪問、場所は以前訪問した喫茶半月の裏にある

ダンデライオン・チョコレートは、webページの説明によれば、「2010年に創業したBean to Barチョコレートのファクトリー&カフェ。現在サンフランシスコのミッション地区にあるファクトリーでは、カカオ豆の選別から、焙煎、摩砕、テンパリングを行い、ひとつひとつのチョコレートバーを手作業で型に流し入れて成形し、包装までを行っている。チョコレートを丁寧に製造することによって、それぞれの豆の独自のフレーバーやニュアンスを引き出している。蔵前が初の海外出店の場となった」

この場所も半月などと同様に、以前は別の用途に使っていたビルを改造してチョコレート工場とカフェに変えたのでしょう、外観は普通のテナントビルのような印象がある、ガラス張りの正面から1階の中に入ると、奥の方はチョコレート工場になっていて、焙煎機などの生産用の機械があり、中ほどではチョコレートの成型などをやっているように見えた

1階の受付兼レジで飲み物とチョコレートを使ったスイーツを注文して、2階にあるカフェスペースで飲んだり食べたりする仕組みのようだ、1階は工場があるせいか、結構ある種の匂いが強烈に漂っていた、多分カカオの匂いか

受付で飲み物リストを見るとホットチョコレートなどチョコレートを使ったメニューが多かったが、今日はアイスラテ600円とスモア620円を注文した

2階に上がってみると、広々している、テーブルや椅子など木目調の落ち着いた雰囲気、二人掛けの座席はほとんど埋まっていたので、大きなテーブル席に腰掛けた、こちらはすいていた、来ている客はすべて若いお嬢さんたちだ、男性はカップルで1人だけ来ていた、オジサンは私だけ、場違いな感じがしたが、私の子供よりも若そうな娘さんたちは話に熱中しているせいか、私を女性専用車両に間違えて乗ってきたオヤジを見るような視線で見たりはしなかったのにはホットした

アイスラテはおいしかったが、よくわからないでたのんだスモアというスイーツは甘すぎてダメだった、ブラウニーやチョコチップクッキーをたのめばよかったと後悔した

コーヒーを飲みながらゆっくり本を読めた、窓が大きいので室内は明るく、読書をするのには好都合であった

ここはやはりチョコレート好きの女性に人気のトレンディー系カフェであるように感じた、チョコレート製造とセットになっているところが洒落ていて、ユニークで、人気なのかなと思った

ゆっくり寛げました

さて、この日は、近くのパンのペリカンに行って、ロールパン5つ入りを買って帰った、翌朝の朝食で食べたが、相変わらずおいしいパンだった