美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

twitterフォロワー50,000人。つぶやき140字では伝えきれないことをこのブログに残していきます。

エスキース

2017年06月06日 10時19分11秒 | 日記
エスキース(効率:計画性レベルの高さ)
 「イメージを具現化する・思い描く理想を実現するための構想」

絵に描くと心が折れにくくなる。 サムネイルやアイデアスケッチは漠然とした「夢」を具現化するというより、 内なる欲求を吐き出す作業といえる。 目的やアイデアが視覚化されると積極的に行動できる。

ポテンシャルの高い人は、不安な点や分からないことは悩む前にすぐ調べて、集めた情報で洞察し予測し行動計画を設計する。後は迷わず問題を解決するための工夫を繰り返す。余計な心配や悩んでいる時間が少なく、目的に前向きな明快な生き方。

よく観てなくて、思い込みで判断していたことに 気づいた時にはすぐに見直す。 その想いが変わらないで、その強さが増していくことは 何度でも掘り下げて考え続けていく。 本当のことはごまかせないけどすぐには分からない。 考え続けるしかない。

”絵画や小説など芸術の手法は「異なった日付のさまざまな出来事や小さな事件を現在という時間のなかに呼び出し混合する」” by レヴィ ストロース ピカソだけが理解し評価していた画家アンリ・ルソーの植物園でのスケッチと動物写真集と知人の旅行記のブリコラージュで描いていた絵を思い出す。

パリの画家アンリ・ルソー 異国のジャングルや森の中を描いていることからナポレオン4世のアフリカ遠征に同行したなどとうわさされていたが実際には近所の植物園でのスケッチとお気に入りの動物写真集と旅行をしてきた知人の話を参考に描いていた。

未発表作品 目が覚めた後に夢の続きをみれないように 一瞬のひらめきは、見える化しておかないと その夢の意図を知ることはない。 ひらめきを写真に残すことはできないが 絵に描くことはできる。 頭の中の出来事は絵に描くしかない。

妻と子育て、家事をして共に働いているので、妻の行きたいところへ旅行にでも 連れて行きたいが、なかなかできない。 近場の散歩かドライブしかできないくても喜んでいる妻を見ると申し訳ない気持ちになる。 だけど、一緒に将来の計画を立てながら毎日、旅行していると思うと それはそれで楽しい。

「どうしよう」と漠然と考えると不安になる。 「どうしていこう」と具体的に計画すると楽しくなってくる。 同じ状況でもちょっとした捉え方、考え方の違いで、 未来に不安を感じるのか、希望を感じるかに分かれていく。

創造のコツは、それがどこから得たものかわからないようにすること。 個性とは、選択して構築してきた情報の違い。 独創性とは、心揺さぶられたこと、欲求、興味で選んで記憶している情報素材を新鮮な気持ちになれる組み合わせで再構成されること。

親が子供に望むことと子供本人が望むことは違う。 自分の思い込みと相手が思っていることとは違う。 相手をよく観て、相手を想う気持ちが 自分を生かすことになる。 独りでは生きていけない。 人はコミュニケーションを必要とする生き物だから 他人の反応よりは、自分がどう反応できるかが大切。

分かりやすく、普通に見えることほど凄い。 複雑で、分かりにくく感じるものは 芯、軸、骨格、システム、本質を見抜いて、シンプルに捉えればいい。

劣等感を感じたら何も考えないですぐにぼ~とする。 一度寝た後、自分のいいところを思い出して見直す。 劣等感を感じると空しくて悔しくて、辛いものですが、 そんな対象が具体的に存在しているほど 競って無理して乗り越える必要はなく、 自分にできることをよく見直してみる機会にすればいい。

面倒で無駄なものに思えていたことが 自分の成長に繋がっていくことを実感した人は 面倒や壁にぶつかるときこそ「チャンス!」と感じるようになる。 むしろ、面倒に感じなくなってきたこと、時ほど停滞している。 好き、楽しいと感じることもよく考えれば 手間をかけ工夫を繰り返す面倒なこと。

つい考えてしまう。休みたいのにやり残していることを考えて 過ぎたことまで思い出して、脳の回路が開きっぱなしで疲労していく。 寒い、きつい、眠い…、実は不快な思いをしている時に 脳を休めている。 不快なことを我慢している間は無心になっている。 そんな捉え方で過酷な状況を乗り越える。

人の心を揺さぶる音楽や言葉は、大切な人と過ごしている時間や自然の中を散歩しているような効力がある。 一瞬で人の心を変えてしまう絵の威力も運命の人と出会ったように凄い。

数十年前からずっと続いていること。 時たま思い出しそうになることが とても大切なことだということは分かるが どうしても思い出せない。 数十年前からずっと続いている。 全く異なる経験が少しづつ整理されてきて 接点が観えてきて繋がってくる。 そんな時、大切なことを思い出しそうになる。

ぼ~っとしている時は、考えないで感じている。 何でもよく観たり感じたりするようにして 五感を磨く習慣がついていくと感動することが増える。 それは日常の中の奇跡に気がついているということ。 気づきが増えると人も物事も時間も大切にする。

誰かからすり込まれた知識や技術よりも 自身の先見の明やリサーチ力、分析力の差で 成果や精度、クオリティーの違いが出てくる。 そんな思考力を駆り立てていくのが 誰かへの想いだったり、思いやりだったり、 突き動かす衝動だったり、持ち続けている執着心だったり、 欲求の深さだったりする。

紙と鉛筆、手帳とペンさえあれば、いつでもどこでもイメージする無限の世界を可視化できる。 「僕らの仕事は技術的なことで成り立ってるんじゃない。アイディアってやつは、鉛筆描きのスケッチからだって生み出せる。いま、僕らがもっているいろんな道具がなくたってね。」  ウォルト・ディズニー

動物のしぐさに癒されることも心が揺さぶられて、 何かを好きになってしまう理由もなぜ出会うのかも解らない。 その答えも、自然の構造の中にあるのかもしれない。 意識も感情も宇宙の構造と同じ。

先の心配や行き過ぎた夢を持つと 無駄に悩むことになるから、今できることから着実にやることが 自信になる。 大きな夢を持って、一歩一歩、 少しでも前進することを毎日続ける。 自分らしく生きる。

ゲゲゲの鬼太郎は、リーダーシップを発揮している。 鬼太郎は妖怪から人間を守っているのではなく、身勝手な開発や自然破壊を続ける人間と風習や自然を守り伝承しようとする妖怪との間(文明と文化、開発と伝承)に立って最善の解決策を考えている。

人を想うことから始めるといい。 争い事は双方に正義があるので、善悪で判断している限りなくならない。 ルールも協定している関係でしか成立しない。 要は 協働か闘争かの選択になる。 協働していくためには相手を理解し双方の意見から最善策を導き出せる 創造性が必要となる。 創造は、想い。

視点を変えると世の中が新鮮にみえてくる。 名称で物事を決めつけないこと。 例えば『テーブル』は、平らな板に三、四本の足が付いている物体。 テーブルを初めてみる人にとっては、 ベッドになるし、 腰掛けられるし、 日よけにもなる。 横に倒せば壁にもなる。

必要なだけがいい、余ったものはお裾分け。 お金や物を新たに増やし続けていくことではなく 今、そこにあること、持っているもので上等。 有り合わせの料理のように工夫して 組み合わせ(ブリコラージュbricoleur)ながら 人も物も場も何度でも新鮮な心で 繰り返し活かしていく豊かさ。

役に立たないものはない。意外な組み合わせで誰からも気にされていなかった”もの”も”人”も新鮮に生まれ変わる。新鮮な視点をもつことで新しい価値が生まれる。



⑥アピール(個性:やりたいことを素直に表現できているのか。)
 「自分の原点を再認識する・他者に物事を伝える力」

大半の日本人が絵を描けないと思い込んでいる。 才能が埋もれている。 絵を描くことに苦手意識があったり、美術が嫌いになったりするのは 日本の美術教育の影響。 世界の中でも日本人は絵が描ける環境にいることに気がついていない。 日本人は日常的に良質なクオリティ画像に囲まれて育っている。

写実絵画 見えている表層だけを写しているのではなく 見えない情報(声や音、におい、味、感触、歴史的背景、思想など)も 五感で捉えて描かれている。

絵は五感を使って描く。 対象をただ写し描くことが写実ではない。 光の入り方、その時間帯、季節感など対象物を取り巻く(多角的)世界をどれだけ広く感じさせることができているかが重要。その視野の広さで伝わるリアリティが違ってくる。

行動も絵も文章も一緒で 想いを伝える意識がないと相手に響かない。 線や色を言葉に置き換えて絵を描くように文章を考えるようになった。 最初は言葉のリズムや構成の美しさや心地よさを意識していたが、 絵を描くことと一緒で伝えることを大切にし始めてから 想いを表現しやすくなった。

成功ばかりを主張する人を信じない。 「わからない」「間違うこと」は恥ではない。 自身への評価より、いつでも周りが動きやすくなることを考えて 仲間と共に失敗を繰り返しながらも 強い想いで行動している人は賢い。 尊敬できる。 そんな人が仲間からの信頼を得る。

誠意が伝わればいい。 できることをやるだけ。 相手の反応を気にする前に 自分が、相手に反応できることが大切。

ハート型が装飾されている江戸時代の絵師 伊藤若冲の「老松白鳳図」は、 様々な心にヒットする。

面倒が起らないように、先に気づいて面倒くさいことをやっておくことと 面倒が起きてから面倒くさいことをやらされることとは違う。 積極的な「面倒くさい」は「やりがい」に代わる。 積極的に動いたことだけ身につき、いずれ自分を救ってくれる。

3代続く絵描き一家。アンドリュー・ワイエス 、息子のジェイムズ・ワイエス、父親のNC.ワイエスといった画家親子。アンドリューが最も有名で下絵となる水彩スケッチも自立した作品として売買されている。ポイントを捉えたスケッチが参考になる。

不快な雨も風情にし、快に変える日本人。脳を休める情緒思考文化を代表する浮世絵師 広重の雨の表現。当時、線で雨を視覚化する発想はなかった西洋を驚かせた。今、当たり前のものとしてみている、気がついていない画期的、革命的なことがまだある。

雨も風情に変える日本人。西洋の画家を驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。今、当たり前のものとしてみている、感じていることは先人が気づかせてくれた。気がついていない画期的、革命的なことがまだある。

江戸時代はプチ氷河期だった。 現代のような暖房設備もない中、今では考えられない薄着で過ごしていた。 極寒の中、粋に生きていた。 不快に感じてしまうことが、実は自分を守ってくれている。 そんな不快を風情にして、快に転じる価値転換文化を 日本人は、長い時間と手間をかけてつくってきた。

プレゼンテーションに苦手意識を持つ人が多い。 相手に喜んでもらえるために心を込めたプレゼントを贈る気持ちになればいい。 思いが伝われば下手でも相手は喜ぶ。 プレゼンテーションは、プレゼントを送るようなもの。 そう考えれば楽しくてワクワクする。 ワクワクすればプレゼンは上手くいく。

鮮烈な色彩で絵を描いた画家オディロン・ルドンは若い頃、印象派の画家たちの色彩表現に惹かれながらも、あえてモノクロの版画を制作し、想像力を磨いた。 ルドンが色を使い出したのは、50歳を過ぎてからである。

意外な人が、守ってくれたりする。 意外なところで、味方だったりする。 自分の思い込みが、一番の敵だったりする。

知識で武装して身を守ろうと考えている人は過去に生きている。否定されようがバカにされようが、自分の直観を信じて捨て身で生きている人は未来に向かっている。

思い出す大切な言葉。 「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。」 「型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?」  立川談志

日本文学も俳句もビジュアル的な言語。 生け花も茶道もビジュアル的な文化。 日本の文化は映像文化。 日本人はクオリティーの高いビジュアルに囲まれて育ってきた。 ビジュアルを巧みに操る民族。そのDNAをもっと教育や仕事に活用できる。

落款が押されていない絵 『風神雷神図』 何を手に入れたかより、どれだけ与えられたかでその価値がみえてくる。 時代を超えて支持されている作品は、その表面的な美しさや技巧だけではなく むしろ作者の思いが、観る人の心に響いているといえる。

歌舞伎もオペラも伝統文化を五感を使って伝承していくシステムの一つ。中世西洋の教会も布教のためのシステムとして捉えると天を見上げさせるための天井画やステンドグラスのように五感を使って教えを認識させるための伝達技術を駆使した建造物。

新しいって感じるものほど脳の隅っこに隠れていたもので 古いな~って感じるものほど未来がある。

できないことが、伸びしろ。 何かができたら、褒める。 できていなくても伸びしろが分かったから、それも良し。 できることが今の実力、伸びしろが将来の可能性。

脳を休める情緒思考文化である日本の絵巻物、浮世絵、漫画・アニメのルーツといえる『鳥獣人物戯画絵巻』。 平安時代後期から鎌倉時代までの800年間をかけて、無名の僧侶たちによって庶民の日常生活が、擬人化された動物キャラクターで描かれた。

西洋は『人が自然までも支配する』、現実を科学的な目で捉えて研究し解明してきた論理的思考文化の歴史。 日本は『自然の一部として共生する』、人として生き物として最善のかたち、考え方を模索してきた情緒的思考文化の歴史

大人としても夫婦、家族としても決められた形があるわけではないので、自分たちのスタイルをつくっていけばそれでいいと思う。

平安貴族と鎌倉武士の違いが、その時代の彫刻の表情にも表れている。 どの時代も人の考え、思いを伝えている。 顔の表情があまりないギリシャ彫刻 これは古代ギリシャ人の『人間的感情を公で出すのは野蛮である』の考えに基づくもの。

日本や東洋的な考え方が、西洋に影響したことも多々ある。日本の寺社の庭園などの円や曲線は人間の心の中の宇宙を表現している「一円相」「円相図」と呼ばれている 。実は西洋で生まれたアールヌーボーなどはここから影響されている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。