美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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テーマ

2017年01月18日 07時47分57秒 | 日記
テーマ(構図:何を表現したいのか。)
 「テーマ(目的)とモチーフ(素材)を生かす・素材を使って目的を他者に伝える」

 光、感触、高さ、深さ、広さ、静と動、感情、情熱、神秘…のような、作品の視覚的な効果をねらうためだけが構図をとる目的ではありません。「構図をとること」は、制作の根本にある目的「テーマ」を他者に伝えるための手段として考えるべきでしょう。構図をとるという行為は、料理に置き換えると「季節の素材を使って、その季節の素材を生かす調理をし、その季節にあった料理を完成させ視覚と嗅覚、味覚を楽しませる、季節料理の盛り付け。」のような作業とこだわりと言えるでしょう。決められた場所と与えられた状況で、客人が満足する接待(持て成し)を考えることも「構図」を考える行為にちかいのかもしれません。「構図」は、表現のための要素(行為)すべてに一つ一つ関連しなくては機能したと言えません。制作する「テーマ」が家庭の基準となる家訓、学校の校訓、国家の憲法だとしたら、「素材」は家族、生徒、国民で、「構図」は家族の約束、学校の校則、国家の法律みたいな存在です。
 もし、あなたが「富士山を描いて下さい」と依頼されたらどうしますか?たくさんの画家が描いたモチーフ(対象)であり、日本人であれば大抵の人がその山の姿のイメージを思い描くことができるでしょう。「一般的」だからこそ、どんな富士山を描けばいいのでしょうか。そんな時、あなたの思い描く富士山の姿が「構図」に表れることになります。
 制作の「テーマや素材」を生かすも殺すも’構図’の完成度、またその構図を生かせる表現力が伴っているということが必要不可欠です。誰かに手紙を書く時のことを思い出して下さい。何かを知らせる、相手を喜ばせるなど「目的」があるはずです。’文字’あるいは’何らかの話題’という「素材」を使って文章(表現)にするわけですが、あなたの目的が相手に伝わったとしたらその手紙の内容を表現した「構図」は良いということが言えます。
 色んなことを述べてきましたが、結局あなたの考える「構図」とは何でしょう。ある意味、秩序がなくても感情の赴くまま自由に表現することが大切とも言えます。しかし、「私は努力をしている、なのに達成感がなく気持ちがスッキリしない(報われない)、充実感がない。」という人は、「構図」のような目標達成のための明確なプロセスがないことで、むやみに労力を消費している割には建設的な作業にならないで、フラストレーションが溜まっているのでしょう。「哲学を持つ」みたいに人にとって必要不可欠とは言えませんが、どちらかというとあった方が、人生を豊かにするもの(芸術もそうかもしれません)なので、行動するテーマをもってみましょう。

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