美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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初めてのデッサン、スケッチ、クロッキー

2012年03月08日 20時29分58秒 | 日記
何かを、誰かを”みて”描くときにどのようなことを考えますか?「うまく描きたい。下手と思われたくない。はずかしい。素敵だと思われたい。驚かせたい。喜んでほしい…でしょうか?

「観方」を意識されてことはありますか?対象物は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、書物(文章)を「見る」のでは意味がなく「読む」「理解」する感覚と似ています。
「理解」する「観方」と「テーマ」に沿った「観方」があります。
モチーフを「写す」といった「見方」ではなく、「理解」する「テーマ(視点)」のある「観方」を意識してみると描く気分が変わりますので,試してみてください。
例えば,リンゴをただ見て描くのではなく,「丸くてかわいいリンゴ」「おとぎの世界の毒リンゴ」といった視点を持って観ると描きやすくなります。

さて、英語である「ドローイング」という言葉は、「素描」の意味での外来語として日本で最初に定着していたフランス語の「デッサン」に対し60年代に入ってから割り込んできて、一般的に使われるようになりました。
これは世界中の新進気鋭のアーティストが集まっていたフランス パリから、第2次世界大戦後の50年代ころ前衛アートシーンの中心がアメリカのニューヨークに移ってきたことに影響していると思われます。
余談ですがこの頃、フランスの「アンフォルメル」に対してのアメリカの「抽象表現主義」「アクションペインティング」に代表されるような主導権争いがはじまっていました。
しかし、パリのポンピドーセンターで紹介されているアート年表では、アメリカの「アクションペインティング」などの活動は単なるローカルアートとしてしか紹介されておらず、「アートの王道はヨーロッパから動かない」と言わんばかりの解説に”花の都 パリ”のプライドを感じました。

日頃、皆さんはデッサン、スケッチ、クロッキーと様々なアート用語を使っていますがスケッチとクロッキーの違いなど漠然としていると思います。
また、先ほどの「ドローイング」という言葉の概念が、50年代から60年代にかけて大きく変わりました。
その他にもエスキース、エチュード(習作)、下絵など知っていると美術館での作品タイトル(習作など)や画集をみるときにもタイトルの意味を理解することで見方も変わりますし、何かと役に立つと思いますので、そんな話もそのうちしたいと思います。

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