美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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両方が必要、両輪の連携が大切

2019年10月06日 09時35分59秒 | 日記
 19世紀に産業革命が起こった近代社会以降これまでは、今いるA地点からB地点をめざし「効率」を第一に考えてB地点という正解に速くたどり着くことが求められてきました。現在のサイエンスやAI(人工知能)が発達してきた情報社会では、今いるA地点から先に見えているB地点をめざすのではなく、まだ存在しないB地点を創造するための思考力が求められはじめています。

 「効率」よりも何を実現したいのかといった「想い・新しい価値観」が大切になってきたのです。

 クライアントからの「○を描いてくれ」といった依頼に対して、専門知識とスキルで完成度の高い○を描くのがデザイナーですが、「○ではなく△の方が良いと思いますよ」と創造性と高い思考力でクライアントの意識と満足度までも向上させていくのがアートデェレクターです。最近では、どんな仕事にも指示で動くデザイナーよりも新しい価値観、独創性を持って動けるアートデェレクターが必要となってきているのです。

 美意識、文化を日常的に感じていると生活に張りがでます。理論物理学者のアルベルト・アインシュタインが「直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会をつくり、授かりものを忘れてしまった」といった言葉を残しています。
人の脳に備わる本当に大切な能力、知覚・直感・創造力を近代社会や学校教育でないがしろにしてきたことが現代人、社会に影響しているのです。

 現代社会の仕事や生活の中では記憶力、計算力、語彙力、情報処理力などの能力が求められていますが「可愛い、美しい」と感じたり感動したりする情動をつかさどる前頭葉が機能しなければ、家族や友達と幸せな日常を過ごすことはできません。人にはアートとサイエンスの両方が必要なのです。


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