美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

twitterフォロワー50,000人。つぶやき140字では伝えきれないことをこのブログに残していきます。

日光東照宮 アートとサイエンスの狭間

2018年04月29日 12時35分39秒 | 日記
アートとサイエンスの狭間で生きている感覚が面白い。
芸術を愛するフランス人の働くこと、トラバーユ【travail:仏】は痛み、労苦、苦悩を意味する。
フランス人の社会人類学者クロード・レヴィ=ストロースは日本人の仕事に対する考え方に興味を持ち、
日本の仕事をtravailと訳せないと言った。


修復されている日光東照宮に家族で行ってきた。



わが子の将来を遠く眺めている親ざるの姿。



「聞かざる、見ざる、言わざる」は、まだ2,3歳の子供には親が将来の悪いことを聞かせない、見させない、言わせないことらしい。幼いときに悪い影響を与えないといった教え。



自我が芽生え始め、自分で気づき成長していく姿。



自分の目標をみつけていく姿。



チャレンジに失敗して挫折しそうな若いさるを友達が励ましてくれている姿。



その後、パートナーを見つけ結婚し、夫婦で世の中の荒波を乗り越えていく姿。そして子供が生まれわが子の将来を遠く眺める姿につながるエンドレスな物語になっている。


薄い空間の中で奥行きのある表現になっている水鳥と水。


その場所でしか響かない鳴き龍の音も良かったー、眠り猫も可愛かった~などなど修復される前には気づかなかったことがたくさんあった。

その後、家康公に挨拶をして願いをかなえてくれるご神木にいくつか願い事をしてきました。





社会に必要とされる美術、デッサンの効用

2018年04月29日 12時28分00秒 | 日記

美術の基礎力をつけるためには、まずデッサンを描きます。
デッサンする対象を「モチーフ」と呼び、描く目的意識(モチベーション)を意味します。デッサンの基礎は、モチーフをよく観ることからはじめます。描きながらよく観るとモチーフについて新しい発見が生まれます。「絵に描ける」ということは「モチーフを理解できた」ということが実感できるのです。そういった気づきが増えていくことでモチーフへの印象が変わり関心が深まっていきます。
対象への関心が深まり、さらによく観つづけることで“答えのない問題(悩み)”の原因が分かってきて対処(解決)の糸口も発見することができます。このようにデッサンの基礎を学ぶことで「描くコツ」だけではなく「見方のコツ」も身についていきます。
よく観る習慣がついて観察力が向上してくると観る対象への着眼点が劇的に変わってくるのでモチーフや身の周りのモノ・風景だけではなく、絵画の観方も変わってきます。それまで知っているつもりだった絵画をよく理解していなかったことに気づき、それまで関心のなかった作家や時代の絵画までも新鮮な魅力が観えてきて鑑賞作品への興味の幅が広がっていき、作者の制作意図の理解も深まっていくのです。
たとえばルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナ・リザ」もそれまでは”名画“という捉え方だけだったのが、見えてくる視点が増えていきます。
・なぜ「モナ・リザ」を持ち運びやすい小さいサイズのキャンバスに描いたのか?
・依頼された大切な仕事でも途中で投げ出すほど飽きっぽい彼がこの絵だけ執着して、なぜ何度も加筆していたのか?
・この絵のために開発した絵画技法や左右を違う表情で描かれた顔、大きく描いている右手、背景に描かれている風景の謎?
彼自身が「私の作品を理解できるのは、数学者だけだ。」
と言っているようにこの絵にはたくさんの仕掛け(意図)が潜んでいます。よく観察することで作者の意図に気づいていけるとそれまでとは全く違う絵として目に映り、違った興味が生まれてきます。

デッサンの基礎を学ぶとモチーフや絵画の見方だけではなく、日常の感じ方、五感の使い方が変わってくることに驚くはずです。

自分で気づいたこと、実感できたことが身についている。

2018年04月29日 11時53分22秒 | 日記
自分で気づいたこと、実感できたことが身についている。

「学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。」 アインシュタイン

誰かの出した答えを目指す必要はない。 答えはいつも自分で創造していくもの。
ピカソの凄さを改めて感じている。
作品性といったところよりも芸術活動の視点を変えたところに興味をそそられる。戦争の悲しみ、憎しみ、悔しさ、苦しさ…が表現された『ゲルニカ』 ドイツ兵から「この絵を描いたのはお前か。」と聞かれた近代美術の巨匠ピカソは 「この絵を描いたのは、あなたたちだ。」と答えた。

美術だけではなく学校教育での評価の問題は本当に難しいですね。現在、文部科学省が未曽有の教育大改革(高大接続など含み)に取り組んでいますけど、”評価”の問題が大きなカギを握っていると考えています。
企業研修でもプログラム内容よりも成果・成績をどういった視点で判断するかなど社会においても人材育成の評価について見直しが必要とされています。

アインシュタインが残した言葉
「直観は聖なる授かりものであり、理性は誠実なる従者である。私たちは従者を敬う社会をつくり、授かりものを忘れてしまった」

人の脳に備わる本当に大切な能力、知覚・直感・想像力・創造力を 近代社会や教育で、ないがしろにしてきたことが現代社会に影響している。


教育者のコピーでは枠に閉じ込めてしまうかもしれないので、どんな場面でも教育者ではなく、共育者でありたいと思う。社会でも教育より、共育が求められていると感じている。その方が相互に成長する喜びがあると思う。

なぜアートなのか

2018年04月29日 11時51分42秒 | 日記
なぜアートなのか

目で見ているのではない。脳で観ている。
視覚情報を処理するときに脳の25%、神経経路の65%以上が使用され、
これは他のどの感覚よりも使用率が高い。
絵を観るだけで脳が活性化され、神経が磨かれる。
絵を鑑賞(読み解く)することは、観察力を磨く。
すべてに関わる。

普段、目にしている物事を絵に描くつもりで観てみるといろんなことに気づきだす。
絵は、思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。
物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、
書物と様に「読みとく」「理解」する感覚が大切。

アートに触れることで日常を非日常に変えるのではなく
あまりにも日常的で普通のこととして見過ごしていることに視点を向けたり
気づいたりすることで考え方や意識が変わる。
アートに触れることで五感が機能して、結果的に今までの日常が変わる。

プレゼンテーション

2018年04月29日 11時47分08秒 | 日記
よどみないスピーチのような授業に学生はついてこない。
学生と一緒に模索しながら、たまに本当にそれでいいのか確認しフリーズし、感情が揺らぎながらも、「相手のために」といった気持ちが入っている授業の方が一体感が生まれる。
相手が入り込める隙を与えない授業やプレゼンテ―ションは伝わらない。

プレゼンテーションに苦手意識を持つ人が多い。
相手に喜んでもらえるために心を込めたプレゼントを贈る気持ちになればいい。
思いが伝われば下手でも相手は喜ぶ。
プレゼンテーションは、プレゼントを送るようなもの。
そう考えれば楽しくてワクワクする。
ワクワクすればプレゼンは上手くいく。