ようちゃん@ちばらき

ちばらきは千葉県と茨城県の県境地域。利根川と地平線の向こうに見える筑波山が郷愁を誘う今日この頃。

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2006年01月28日 | つぶやき
医療の値段―診療報酬と政治

岩波書店

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医療政策に関する本です。
国民医療費は約31.5兆円にのぼります。おおよそ毎年1兆円ずつ上昇しており、
このまま制度改革なしに推移すれば、2025年には65兆円になると厚生労働省は
試算しています。そして、中長期的な改革によって49兆円にまで抑制すること
が目指されております。

昨年の総選挙で自民党圧勝により、小泉内閣の政治基盤が強まったためか
2006年診療報酬は史上2度目のマイナス改定されることが決定いたしました。

この30兆円を超える国民医療費をめぐって2004年日本歯科医師連盟(日歯連)
と診療報酬の値段を決定する中央社会保健医療協議会(中医協)の
贈収賄事件が発覚しました。
その後政治献金の問題に発展、政界を巻き込んだ事件となり、医療費をめぐる
政治との関係の深さが改めて社会に浮き彫りとなりました。
しかし、どれだけの国民が関心を抱いていたのでしょか。
この事件は疑惑の残ったまま曖昧に終わってしまうのではないでしょか。

医療を受ける私達が医療費に対する意識を高めていかなければ
膨張する国民医療費を抑制していくことは出来ないのではないかと思います。
現制度では診療所や病院で治療してもらうと医療費の3割の支払いで
済んでおります。(高齢者1割)
これがもし償還払い(いったん窓口で医療費の金額を払い、
後日、保険給付分7割が自分の口座等に振り込まれる)という制度だったら
検査や薬などの「医療サービスに対する価格」について1つ1つの意味を
考えるのではと思います。
例えば風邪で診療所へ行って診てもらうと検査を含めても窓口の支払いは
3,000円程度です。これが1万円を支払うことになったらどうでしょうか?
コンサートで1万円のシートを取れた時、レストランで1万円の料理を食べた時、
相応の対価に満足したり、納得できなかったりするのではないでしょうか。

政府、政治家や利益団体に全てを委ねず、最終的に税金や医療費を支払う
私達の関心が高まらなければ根本から制度改革が実現するのは先のことに
なってしまいます。


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