三浦俊彦@goo@anthropicworld

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訂正のお知らせ(思考実験リアルゲーム)

2014-03-23 17:12:00 | 活動メモ
二見書房から、『思考実験リアルゲーム』を上梓しました。
(全体・および章ごとの論述図式はここ

『論理パラドクス』シリーズの延長線上の作品ですが、「思考実験とは何か」という問題意識を軸として、少数の問題をじっくり論じたところが今までと異なっています。全体がひとつのストーリーになっている点では、『戦争論理学』と共通しています。
 「あとがき」にも書きましたが、『思考実験リアルゲーム』は、電子掲示板での多数の参加者のおかげで内容豊富なものとすることができました。御礼申し上げます。
 とくに次の部分です。
◆2011年 3月 2日~2011年 7月30日 【「多世界解釈」と「シュレーディンガーの猫」について】
◆2011年11月15日~2011年12月 7日 【「量子自殺」について】
◆2011年 8月 7日~2012年 4月 8日 【「2封筒問題」「サンクトペテルブルク・パラドクス」について】
◆2012年 5月12日~2012年 7月15日 【「抜き打ち試験のパラドクス」について】
とくに、
p.188には、この投稿を引用させていただきました。クリスティアンさんには遅まきながら深く御礼申し上げます。

ところで、ひとつ(場所としては2箇所)、ミスを発見してしまいました。
2封筒問題についての記述です。
訂正いたします。
全体の論旨には影響しない小さな注と、それに連動した本文内注釈なのですが、

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p.237, 注33
賞金の確率分布をこのように決めると、確率がペア総額と反比例するので、開封バージョンでも交換と非交換の期待値は同じとなります(未開封金額が開封金額の2倍である確率が1/2である確率の半分だから)。ペアの特殊な決め方ゆえにそうなったので、「開封バージョンでは交換が得」という一般的結論と矛盾するわけではありません。いずれにしても、期待値が無限大に発散したとしても賞金そのものは「必然的に有限」である、という先決め設定についての確認だけがここでは重要です。

p.238
選択した封筒内金額の方が大きければ参加費より賞金の方が大きくなるが、その確率は1/2。(正確には、開封前は1/2、開封後は2/3。いずれにせよ〔参加費と賞金の差額〕の期待値はゼロ)。したがって、・・・・・・
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p.237,「確率がペア総額と反比例するので、開封バージョンでも交換と非交換の期待値は同じ」というのは、交換かどうかの決断が問題となる場合(開封して目にしたのが最小金額2円でない場合)に限ってのことでした。全体で見ると、確率1/4で2円が来て、そのとき交換が得ですから、「未開封のとき交換は損得なし、開封すると交換が得」という一般的結論はここでも当てはまります。
p.238,「開封前は1/2、開封後は2/3」も、交換かどうかの決断が問題となる場合に限ってのことでした。全体で見ると、開封前も開封後も1/2です。

以上の箇所は、幸い本文の論旨そのものには影響ない孤立した注釈なので、以上の訂正で十分かと思いますが……
他に、間違いや問題点を発見された方は、お知らせいただけると幸いです!