平成16年10月23日(土)17:56に新潟県中越地方を襲った未曾有の地震から2年2ヶ月。全壊した庫裏の改築(ほぼ新築)が完了し、寺としての新たなスタートを切ることができた。
復興における家屋の再建について言えば、寺の庫裏がこの地域では最後となった。平地の復興は家屋の建築から始まるが、山の上にある庫裏の建築は、まず崩落した裏山の土砂の撤去と急傾斜地崩壊防止工事から着手しなければならなかったからだ . . . 本文を読む
上棟が終わると、本格的な木工事が始まった。その工程はかなり複雑かつ多岐ににわたり、さすがに素人の草鞋には詳述しきれない。今回は写真だけ紹介して、完成していく様子を見てもらうことにする。
◆写真1:2階部分、前から裏山の方向に斜めに見る。
◆写真2:2階部分、前から裏の池の方向を見る。左下の床が空いている部分が階段になる。
◆写真3:2階部分、前から左手、平成6年完成の住居を見る。右上が室内ロフト . . . 本文を読む
「立ち上がりコンクリート打設」が完了すると、「土台入れ」が行われた。立ち上がりコンクリートの上に土台がアンカーボルトで固定されていく。
この作業が終わると後は非常に早かった。まず大型、小型のクレーンが設置され、次々と柱が立っていく。柱の組み上げの中で大切な作業の一つに「建て入れの調整」がある。これは、柱が垂直になるように調整することで、基準になる柱を決めて『下げ振り』という道具を使って、垂直を確 . . . 本文を読む
基礎が完成するとまず「根伐り」(所定の深さまで土砂を除去すること)され、「床付け」(設計図書に要求されているような状態に根伐り底を整えること)が行われた。その後、「砕石地業」(砕石を均等に敷設して平滑すること)に続いて厚さ5センチほどまで「捨てコン」(捨てコンクリート)が流し込まれた。
この「捨てコン」は構造的に必要なものではなく、そのあとの基礎工事の作業を容易にするために行うのだと言う。基礎工 . . . 本文を読む
寺の土地の下は2メートルの土砂を経て厚い岩盤になっている。そのお陰で中越地震の際にも、地震の揺れそのもので庫裏が損壊することはなかった(全壊となったのは裏山が崩落したため)。
今回の新庫裏建築にあたっては、岩盤の上に載っている土砂の土質改良工事を行うことになった。直径60センチのコンクリートの柱を計48本埋設する。と言っても、実際にはまず「オーガ」という重機で直径60センチの穴を掘削し、その穴に . . . 本文を読む
5月27日、中越地震から1年半を経てようやく庫裏改築の起工式を迎えることができた。
滝谷町の1丁目、2丁目の旧国道沿いの被災した家屋では、すでに改築、新築のラッシュは終わり、多くの新しい家々が軒を並べている。しかし、滝谷町の本村(自坊のある滝谷の山)では今年の2月にようやく避難勧告が解除されたため、新築が始まったのはようやくこの春になってから。わが庫裏の改築起工式は、その中でも最も遅くなった。
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