『セクハラどスベリマジシャンさん。』

この前、本当に面白くなく、人間としても最低なマジシャンに出会った。

この事は、日記に書き留めておきたい。

簡単に言うと、俺が連れてった女の手にベタベタと必要以上に触るし、俺から借りたお札をジャケットの胸ポケットにしまうと言う、つまらなさの極みのような古典ギャグをやってのけたのだ。

俺は、一切笑わなかった。

既に、その人に不安感があったので、こっちが緊張していたから。

まず、いきなり、彼女の腕に灰を付ける、例のカード当て。

いきなりそんな事しないだろ？！普通。

その灰、おしぼりで、俺が拭いたよ。

で、何個目かに、スポンジボールを出し始めた時に、まさか「チ●コスポンジ」出さないだろうな？！と、俺のドキドキ感は止まらない。

また、俺の女に握らせるしさ。

流石に、チ●コは出て来なかったけど、ただボールは大きくなっただけ。

まー、素人さんにはウケてたっぽい。

俺と、彼女は全然受けてなかったけど。

それで、俺からお札借りて、ポケットにしまうギャグをした後に、ペンを突き刺してた。

俺はもう、イライラしてたんで、「それって、●●なんですよね？」と言ってやったね。（笑）

普通は絶対に、そんな事言わないけど、もうそのオッサンマジシャンが「観客の気持ちを踏み躙っている」と思ったので、俺の天邪鬼気質が止まらなかったのだ。


まず、男と女で来ている観客の、女に触るってのは、絶対にやったらいけないでしょう。

男が不快すぎるよ。

その場の男を敵に回して、ウケるはずがない。

女だって、「彼の前でベタベタ触られたくない！！」

俺が一緒に連れてったのは、付き合ってる彼女じゃないけど、そんな事は関係ないのだ。


少なからずマジシャンを目の前にすると「何が起こるのか？！」って言う緊張をしながら、観客はいるんだから、それを「最低な形」で表すのは、マジシャンと言うか「人として最低」

観客の気持ちが分かっていなさすぎる。

オゾマシイ。

オゾマジシャンです。


で、「お札をポケットに入れるギャグ」もね、ついつい、やってしまう人いるけどね。

あれも、本当に面白くないよ。

「チップを出さないといけないのか？！」みたいな、変な気持ちになるし、観客からしてみたら、「自分のお札を使えよ」と思うはず。

自分の財布から、お札をわざわざ出すのは【ストレス】になるから。

一瞬、ストレスを感じた後に、どんな現象が起ころうとも、100％の気持ち良さって起こらないと思う。

例えば「ペンスルー」にしても、お札は観客のものだけど、結局、その場にある「ペン」や「箸」で、出来ないなら【お札には仕掛けはないけど、ペンに仕掛けがあるんですね】で、終わっちゃうんですよ。


※お札を借りてポケットに入れるギャグは、その観客との関係がハッキリ良好で「会って、二回目、三回目以降なら、まだ成立する」とは思います。
自分の事を全然知らない初回の客に、そんな事するのは、本当にオカシイ。

図々しい奴、と認識されると思います。

やっていて、楽しいのは自分だけです、絶対に。


観客もバカじゃないし大人なんだから、少なからず「タネを推測しながら」見てるでしょ、【お札なんか借りる必要はナイ】と言うのが俺の持論。

こういう事する人がいると、マジックが嫌いな人が増えると思う。

「マジック？いや、要らない、見たくない」って。

マジックを見て、いい思いをしてないからなんですよね。


こういう事をする人は、マジック止めた方がいいと思う。

それは、自分が好きな「マジックの為に」止めた方がいいと思う。


マジシャンなら、観客の気持ちを当てましょう。

マジシャンなら、観客の気持ちを予言しましょう。

マジシャンなら、観客の気持ちを透視しましょう。

観客の気持ちが理解できないなら、マジックを止めましょう。

いや、止めて下さい。

お願いです。