エントモ考える野球

弱者の戦いを駆使するチームアドバイザー。当たり前の実践で土台を作り、具体性のある弱者の戦略で弱者が強者に勝利する。

亜細亜大学から学ぶ

2008-08-18 13:03:03 | Weblog
幌町にて、亜細亜大学野球部の夏キャンプを見てきた。
町が「亜細亜大学歓迎」という看板で迎えている。
二週間程度のキャンプの後半。
亜細亜大学と東海大学旭川の練習試合。
アドバイスをしている東海大学を見るのは、春ぶり。

亜細亜大学は日本一にもなっている大学。
野球界では「全力疾走」が有名。
高校野球より、社会人より、素晴らしい「全力疾走」が当たり前。
本気の声を全員が発し、練習や試合では活気がある。
厳しい練習姿勢も大きな特徴で、人間力を高めているチームだ。

練習試合を見ながら、亜細亜(日本一)と北海道の違いを考えた。
簡単に言えば、「サバンナと町中」
亜細亜はサバンナ。北海道は町中。

サバンナは、生と死が隣り合わせの環境。
だからひとつのミスが致命的。「抜く」という言葉は「0」
そういう環境だとすると、当然動き方、振る舞い、すべてがサバンナ。
持ち味の全力疾走、声の大きさ、機敏さ、どれをとってもサバンナ。

町中だと、さほどの危険もなく危機感もない。
だからひとつのミスに対し、「次があるさ」の考え方。
動き方も、言動も、すべて緩くなる。
緩いという気持ちはないにしても、「質」に大きな差。

まずは、自分の目で見て、「気づく」こと。
素直に受け入れ、そして行動に移すこと。

王者が、サバンナで頭髪も大学生なのに丸刈り。死角なし。
追う立場が、町中で頭髪も長めでスキありあり。勝負の土俵に立てない。
技術の前に、当たり前基準でどこまで肉薄できるか。
土台の部分では、エリート、エリートじゃないのは関係なし。
いかにして「人として」の差を縮めるか。

技術の部分では戦略を駆使して、同じ土俵で戦わない。これ上等策。
誰にでもできることで、いかに差をつけるのか。
まさに、鍵山さんの「凡事徹底」の世界。

野球を引退し、社会のカテゴリーで考えた。
どっちの選手を、企業は必要とし採用するのか。
明らかに亜細亜イズムの学生を選択する。

こう考えると、「野球 即 人間道」となる。
野球の技術だけ追い求めるのではなく、土台の部分が芯の部分。
これをチームの組織内、全員で大切なことと認識し指摘し合えるか。

日本一は厳しい。
厳しさを差し置いて、日本一を考える組織。
これは甘い。届かないであろう夢。
厳しいという環境の中から、鍛錬し積み重ねる。

楽 ⇒ 負への道

楽な道での成功は、簡単に揺らぐ成功。
苦の道で勝ち得た成功は、永続的な成功。

亜細亜大学野球部から、素晴らしいヒントをいただいた。
北海道に「日本一の心」をいかに植えつけられるか。
これからは、エントモの手腕。
野球選手、ビジネス界、そして教育界に伝えていこうと思う。

<試合の経過>

東海は初回2本の本塁打を打たれ、圧倒的な波に飲まれる。
1番打者と、3番の中田君(明徳義塾出身)が二打席連続の本塁打。
大差で亜細亜が勝利。

その中で特筆すべきは、練習試合ではなく公式戦に見えたこと。
一撃必殺の「心」を持ちながら動いている姿勢を感じる。
1点の重みも感じる。
乱世の中で勝ち抜く武士道と野球道の融合。
東海が大きな波に飲まれての大差。いわゆる名前負け。
選手が「質」の違いに気づいたに違いない。


負けることから大きな一歩を踏み出す。
東海大学にとっては素晴らしい価値ある敗戦だったに違いない!

http://www12.plala.or.jp/endou27/