息子の自転車事故で学ぶ

息子が自転車通学中に危険運転車に轢かれた。その後の保険会社や加害者の対応、決着など綴ります。時系列になってます。

調停ー⑨.損害賠償の提示は

2019-08-26 17:43:59 | 息子の交通事故

加害者側と調停官らの面談が終わり、私ども(被害者の両親)が、調停室に案内されました。
(調停ですので、勿論、加害者側弁護士らは既に退席し別室で控えています。)




「いや~、我々も驚きました!」 開口一番、調停官が感想を漏らしました。


「”裁判”並の賠償額を提示してきました。 これ以上の数字はありません。」


言いながら調停官は、私にA4 サイズの紙片2枚を差し出しました。


相手方の弁護士事務所が、この日の調停に提出した書面です。


1枚は 損害賠償額計算書(物的損害)、もう1枚は 損害賠償額計算書(人的損害)です。


所謂、「リスト」です。


詳細をここで公開してしまいますと法に触れますので、差し障りのない範囲で、内容を説明させていただきます。


まず、損害賠償額計算書(物的損害)です。



上のヘッドラインの下に、被害者である息子の名前、事故の日付があります。


その下に、被害物ごとの補償額が計算され、合計額が出ています。


例えば通学自転車の場合。



被害物:自転車、区分:自転車、修理費用:空欄、購入金額:2✕,✕00円、
購入年月日:H29.2.✕✕、経過日数:2✕✕、(法定)耐用年数:2年、
最終残価率:10%、残価率:68%、損害額:¥17,✕✕0-


となっています。


他に制服ズボンと通学バッグについて、自転車同様に損害補償額が書いてあります。


そして末尾には・・・・




*本件示談提示は、円満解決を企図してのものであり、本提示に基づく調停が成立しない場合には、自動的に撤回されるものであることを申し添えます。


とあります。


他にも、通学用ヘルメットや、制服ブレザーなど物的損害はいくつかありますが、それらの損傷が、事故によって起きた事を証明するのも面倒だし、請求リストには加えませんでした。


何故なら、前にブログに書いたように、私の目的は、(少なくとも事故から1年が経過するまでは)加害者と保険会社を警察に訴える事、つまり民事でなく刑事で、そして刑事罰を与えさせる事でした。

つまり、保険会社の事故後の対応や、事故そのものを自分なりに分析し検証すると、「これは犯罪じゃないか?」という当初の疑念が確信に変わった(独りよがりかも知れませんが)からです。


ですから、示談にしておカネを貰うことなど、計算も期待もしていませんでした。


(次回、調停官が『驚いた!』と言った、損害賠償額計算書(人的損害)について書かせていただきます)













調停ー⑧.■■地裁にて2度目の調停

2019-08-20 09:38:56 | 息子の交通事故
2019年1月✕日、松も明けぬうちに2度目の調停がありました。


■■地裁の控室は、だだっ広く何の飾りもない、如何にもな感じで暖房が弱く、私は寒くて震え気味でした。


これから始まる調停に緊張しての、”武者震い”かも知れません。


この2度目の調停で『和解』しないと、調停不成立となり裁判になるかも知れないからです。


和解とは、相手側の”無条件降伏”です。


『損害賠償するから、(簡単に云えば)いくら欲しいか明細を出して』と言ってきた、加害者とその保険会社の弁護士らに対し、私が提出した請求書面に対し、彼らは調停官に(私の請求を)どこまで認めるか返答するのが、この日の調停です。


ですから、調停官3人は先に相手と面談するため、私ら被害者両親は引き続き、寒い控室で待ちました。






調停ー⑦.慰謝料(追記)

2019-08-18 08:46:18 | 息子の交通事故
話が逸れますが、先の参院選前に安倍総理が、ハンセン病元患者家族の訴えを認めて国に賠償を命じた判決を控訴せず、賠償に応じました。


私が驚いたのは、患者の家族や元家族まで補償範囲をを広げたことです。


日本では、犯罪被害者や事故被害者本人への賠償は有っても、その家族までというのは初耳で画期的です。


欧米先進国では結構一般的なのですが、それが日本でも認められました。


上は『悪い先例になる』と危惧した人も多かったらしく、政府は慌てて『(家族への賠償は)今回のみの特例とする』と追加発表したようです。






しかし、息子の事故の件で身に染みて感じたのですが、被害者本人と家族は個別の人間ではあっても、密接に結びついていて、痛みや苦しみを深く共有してしまうのが通常です。


犯罪や事故の被害に遭った際、被害者本人だけでなくその家族にも賠償請求権は認められるべきでしょう。


というか、いずれ日本の法曹界も、世界の流れに従う事になるでしょう。




さて、前回の記事に書いたように、私の慰謝料請求は控えめなものでした。


交通事故の慰謝料の算定基準は、様々と云うかランクがあるようです。

自賠責基準、任意保険基準、赤本、青本など、それぞれ金額が違ってきます。

ネットで調べれば、何百件も解説が出てきます。

ただし、これらネットサイトの多くは弁護士(&事務所)の営利目的の情報サイトですから、鵜呑みにしてはいけないし、ウラを取るべきと私は考えます。

それから、弁護士に依頼すれば、それ相応の出費を覚悟しなければなりません。

少額賠償見込みの案件であれば、弁護士費用に半分以上持っていかれるなんてあるし、それ以前に、弁護士は積極的に受ける事はないでしょう。

当たり前ですが、弁護士の多くは簡単で実入りの多い事案を好みますから。

そして、どう転んでも損はしないのが、民事の弁護士です。



調停ー⑥.慰謝料!(その1)

2019-08-13 20:13:41 | 自転車通学

“慰謝料”について、私は、加害者と保険会社の代理人弁護士に送った書面に、次のように主張しました。
(以下原文通りですが、例によって伏せ字があります)



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慰謝料
・被害者本人
被害者本人の肉体的且つ精神的苦痛による損害。
中学生として勉学が本分であるにも拘わらず、事故当日、翌日、調査会社の調査日の3日間は休校を余儀なくされました。また外傷の傷みのみならず、事故後2018年3月✕✕日までは事故による”不安恐怖症(■■医師診断書による)”(←心療内科の医師です)の為、自転車通学ができず過酷な徒歩通学を強いられ、一時は過労と心身衰弱に追い詰められ部屋にこもり、結果1日は不登校になってしまいました。 通院により学業も妨げられました。
長期に渡り本人が受けたこれら心身の苦痛は、被害者が12歳である事も鑑み予見できた事で、金銭の授受により解決したいという保険会社と加害者の意志であるならば、贖われるべきと考えます。

・保護者
現在のわが国では、交通事故の場合、保護者や家族の精神的苦痛は未だ考慮されないようですので、今調停では提起を控えます。

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私は甘いのです、金銭に関しては。

何故なら、元からして、「この事故はオカシイ!」「保険会社の対応は間違っている!」「カネの問題じゃない!」というスタンスで、1年以上事故を調べ、証拠を見つけ、反証を挙げて反論してきました。

相手が白旗を上げ調停にかけ、「お金払いますから」なんて言われても困るのです。



私は「息子は、何も悪い事はしていなかった」事を証明したいだけ、だからです。

事故の半年前に、小学校を卒業し、中学に進学し、指定の重たい自転車に乗り、不格好なヘルメットを被り、1列縦隊で自転車通学していた。

希望の部活に入り、朝練に一所懸命だった。

息子に全く非は無かった。

私は、息子の名誉の為に戦った、だけだからです。

いくら相手が旧財閥系の大保険会社で、カネが幾らでもあろうと、札束で横っ面を叩かれて、嬉しい親はいないと思います。



『謝るのはダメだけど、カネは払う』って、オカシイと思いませんか?







調停ー⑤.休業補償

2019-08-08 19:52:13 | 息子の交通事故
医療費や通院交通費、自転車や衣服、持ち物などの物損は、全額賠償されて元々、『チャラ』です。


私は、”休業補償”と”慰謝料”にフォーカスしました。


まずは、保護者(=母親)の病院付き添いで発生した”休業補償”です。


加害者と保険会社の代理人弁護士に送った書面に、私は次のような主張を付け加えました。
(以下原文通りですが、例によって伏せ字があります)



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・・・(途中からです)・・・


通院交通費の保護者付き添いに関し申し上げます。

事故の翌々日(2017年11月✕日)、■■■■■■(←保険会社の名前)のM(←最初の担当)氏(敬称略)は私どもに電話を寄こし、なんの証左も根拠もないにも拘らず『お宅の息子さんが悪いから、ウチは払わない』『救急車に同乗する必要なんか無いのに、仕事を休んで乗ったのは勝手にしたこと』と決めつけました。
事故による心身の傷みに苦しんでいる12歳の息子を、徹夜で看病していた母親に向かってです。

後日の電話も含め、M(←初めの担当)氏の不適切な発言の追及は別の機会に委ねるとして、被害者は半年前まで小学校6年生です。 充分に保護や付き添いに値する子供であります。
また、その後の通院の付き添いに関し申し上げますと、
例えば『(吐き気やめまいは)脊髄損傷で 髄液が漏れている(=外傷性低髄液圧症候群)可能性がある』・・・(11月✕✕日 ■■■■■総合病院の医師分析)とか、2018年の■■心療内科での医師との面談(病状と治療法の説明など)は、保護者が聞くべきであって、当人である12歳の子供に聞かせる話ではないと考えます。
歯が痛いやら、風邪かも等で近所の医者に行く場合とは異なり、保護者が付き添う必然性は争う予知さえないと考えます。
現に■■心療内科で治療方針が決まり、加療目的で通院した日はリハビリも兼ね本人だけで行かせています。

                   
休業損害
ご指定の用紙に(母親の)勤務先で記入してもらい、前年度源泉徴収票と共に同封いたしました。

先に明記した被害者通院の付き添いの為、止むを得ず被害者母親が仕事をキャンセルし、或いは主婦業を止めて、救急搬送と通院に付き添い致しました。
尚、被害者母親は当初当該勤務に就いて間もなく、また専業主婦との掛け持ちであります。
調査会社の呼び出しに応じたり、車で被害者を■■心療内科に送迎した父親の休業損害は、請求を控えます。

被害者の母親分(被害者12歳の病院付き添いと看護、調査会社応対の為)10日間

平成29年
・11/✕ 事故当日朝、呼ばれて救急車に同乗し〈■■■■総合病院〉検査、治療
・11/✕ 事故翌日朝、〈■■■■総合病院〉に付き添い、検査、治療
・11/✕ 丸2日間夜通しの看護疲れで、仕事に行けず
以下続きます

平成30年
以下続きます

以上合計11日間です。

*通院は被害者の登校日を避けるため、主に土曜日にしました。■■■(←母親)は被害者の通院に付き添うため、平成30年1月以降、土曜日の勤務を辞めました。
従って、2/✕✕と 3/✕✕は勤務はなく、専業主婦を休業いたしました。

・・・・・・・
                  
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『払いたい』と向こうが言っている以上、しっかり請求しました。

ちなみに、”主婦業”も仕事ですから、相応の金額が支払われるべきです。

つまり、会社勤務とかない専業主婦でも、20年前ならともかく、今は休業補償されるべきですし、通常は休業の”損害”として認められます。


(慰謝料については、次回にさせてください)