軽井沢バイシクルライフ

10年以上のブランクの後現役復帰した中年サイクリストの活動と昔話

競輪グランプリ2020

2020-12-30 21:34:56 | 日記

(かつて世界選手権が行われたグリーンドーム前橋、現在は前橋競輪が行われています)
1レースの賞金としては、世界最高額の1億円をかけて行われる競輪グランプリが平塚競輪場(400m)で開催されました。
普段は車券が売られる公営競技の競輪にはさほどの興味がありませんが、ナショナルチーム短距離のエースである新田祐大選手と脇本雄太選手の二人が出走するのでテレビでレース観戦してみました。
9人しかいないS級S班の出走選手は、①郡司 浩平、②脇本 雄太、③松浦 悠士、④和田 健太郎、⑤清水 裕友、⑥森澤 太志、⑦平原 康太、⑧新田 祐大、⑨佐藤 慎太郎
スタート後の並びでは、注目している脇本選手は予想通りの最後尾でした。新田選手は中ほどの位置取りです。残り2周目で脇本選手がスパートして後方から上がり、そのまま先頭に出て逃げ切りを狙います。
後方では、通常の自転車競技なら失格になると思われる大きな横の動き、激しいブロックも展開されます。
脇本選手自身は大外から上がってくるときに、横の動きであおられて少しスビートが落ちてしまっています。
そして、前の進路が開けた伏兵の和田健太郎選手が、脇本選手を刺して1着ゴール!
1着 和田、2着 脇本、3着 佐藤 3連単の払戻金は221,650円とかなりの高額、2連単でも20,020円ですが、当てた人がどれぐらいいるかは分かりません。
ちなみに私は、車券は買いません。
またもう一人のナショナルチームの一員である新田選手は7着でした。
オリンピック代表、世界戦の「ケイリン」のメダリストも、「競輪」では簡単に勝つことが出来ないようです。

(現在の国際競技は250mインドアですが、前橋は335mと長く、建物も大きく立派な施設です)
あらためて日本独自の文化である「競輪」とその競争形態を参考に作られた国際競技の「ケイリン」の違いについて考えてみました。
以下、漢字表記の「競輪」が日本式公営競技、カタカナの「ケイリン」が国際競技です。
①先頭誘導員について、競輪はエンジンついてない自転車で引き、ケイリンはモーターペーサーで引く。
②競輪の誘導はゆっくり始めるが、ケイリンはスタート時は、時速30㎞で、離れる時は時速50㎞とかなり早い。
③押圧、ブロック、頭で進路をこじ開ける等は、ケイリンを含む普通の自転車競技では反則だが、競輪では結構許容範囲が広い。内線突破で走っても多少ならペナルティを受けない。
④250m走路で行われる国際競技のケイリンの出走は7名だが、競輪は通常9名の出走
⑤ケイリンはカーボンフームやディスクホイールが使用できるが、競輪は使用不可(ガールズ競輪では使用可能)
⑥競輪は公営競技として金をかけて行っているというのが、何と言っても一般の自転車競技との一番の違い。
⑦スタート後の並び順もケイリンは抽選で決められている。
⑧誘導員が離れるのはケイリンでは残り3周前で厳格に決まっている。競輪は走路の長さで決まっているようです。しかし、離れる位置は無線で指示を受けてなのでレースの展開で変わってくるようで、その辺もあいまいです。

(もし33バンクだったら脇本選手が勝っていたかもしれません)
今日のレースでは、脇本選手は得意の逃げ切りを狙いましたが、400m走路での逃げ切りはやはり厳しい。もちろんあおられたことも影響していますが、これが333m走路でしたら逃げを決めていた可能性もあったかもしれません。
ところで新たに建設中の千葉競輪場はインドア250mの国際規格になるとのことです。
250m競輪は、通常の競輪とは違ったものになると予想されます。

(250m国際規格の伊豆ベロドローム)
コーナーのバンクも急になるので、現在のような許容範囲が広い走りだと、競り合いになり速度が上がってからの落車は大きな事故につながる可能性があると個人的には考えています。
走路の幅員も狭くなると考えられるので出走は9人から7人になるのではないでしょうか。
45度にも及ぶコーナーのバンクを考えるとゆっくりの誘導はできないと考えられますので、モーターペーサーか、電動アシスト付き自転車で速めの誘導となり、落車事故の防止のためには押圧行為も厳しくチェックされるのではないでしょうか。ペーサーが離れるのも3周前で決められ、国際ルールのケイリンに近くなると思います。
もしそのような厳格なルールになったら、このようなレースを古くからの競輪ファンが受け入れてくれるでしょうか。
日本独自の文化である競輪と国際競技のケイリンは違いすぎますが、私が競輪を見ていてうれしいことは、現在も30数年前、私が競技に打ち込んでした頃と同じクロモリフレーム、スポークホイルールのトラックレーサーでレースが行われることでしょうか。
ペダルとシューズの固定も昔ながらのトウクリップ&ストラップ、ハンドルも昔使っていたのと同じタイプのスチール製です。懐かしい…

(1981製片倉シルクのクロモリフレームのトラックレーサー、当時の愛車です)
現在はあまりにも機材が進化しすぎています。
それに伴い、自転車もパーツも高額になり過ぎています。それはむしろ時として競技の普及の妨げになるのではと思います。
その昔は競輪の公益金で高校や大学の自転車競技部に「貸与車」といって、普及版のロード、トラックレーサーが貸し出されており競技入門者の負担を軽減してくれていました。
とても良い制度だったと現在も懐かしく思い出します。
コロナ禍の中で2020年が暮れようとしています。
先が見えない不安の中で、元旦のニューイヤー駅伝そして、箱根駅伝が開催されることは救いです。
しかし悲しいことに、箱根駅伝では「応援したいから、応援にいかない。」と観戦の自粛を訴えています。ニューイヤー駅伝でも同様です。私ももちろんテレビの前で母校の応援をするつもりです。
スポーツは希望です。
頑張っているアスリートの為にも、東京五輪の無事の開催を祈りましょう。
どうか良いお年をお迎えください。
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お詫びと訂正

2020-12-26 16:08:50 | 日記

(今年のトラック全日本選手権の会場グリーンドーム前橋)
前回の記事に誤りがございました。
今年のトラック世界選手権男子ケイリンの銀メダルは新田祐大選手ではなく脇本雄太選手でした。
お詫びして訂正いたします。
脇本選手の先行力は世界屈指ですが、力のある選手はマークが厳しくなります。
世界戦での新田選手は決勝には上がることができませんでしたが、十分メダルに手が届く力は持っています。
コロナウイルスの感染が深刻な状況ですが、何とか東京五輪が無事に開催され、トラック男女で金メダルが獲得できることを祈ります。
特に短距離出身の当方としては、ケイリン、スプリントでのメダルを期待しています。

(全日本選手権をやりながら、スタンド裏では、他の競輪場の場外車券を売っていたグリーンドーム前橋です)
普段は車券が出る「競輪」にはほとんど興味はありませんが、一発勝負で賞金1億円の競輪グランプリには、新田選手と脇本選手が出走します。
公営競技の競輪は国際競技のケイリンとはかなり事情が違いますが、ナショナルチームの活動と競輪選手を両立しながら頑張る二人が出走するので、楽しみにしたいと思います。
ちなみに車券は買いません。
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国内自転車競技界この1年

2020-12-20 13:52:56 | 日記
 
(全日本ロードは今年は中止になりました。選手にとっては大変残念ですが致し方ありません…)
コロナ禍の中、ロードの全日本選手権も中止となってしまいましたが、トラックやシクロクロスの全日本は開催することもできました。
国際的には、今考えれば危ない綱渡りでしたがトラック、ロードの世界選手権も開催できました。そしてツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ヴェルタ・イスパーニャの三大グランツールが開催できたのも奇跡だったかもしれません。
国内、そして日本選手を軸に今年の自転車競技界を振り返り、独断での10大ニュースを上げてみたいと思います。

(松本の大会でアジアチャンピオンジャージーを身にまとった梶原選手)
1位 梶原 悠未選手オムニアム世界チャンピオン
 東京五輪が今年開催されていれば、金メダルは確実と思われていただけに残念でしたが、世界選手権が開催されたことは不幸中の幸いでした。
 そして、圧倒的強さで日本の女子選手初の世界チャンピオンが誕生しました。
 本当に素晴らしい事でした。そしてコロナ禍の中で自転車ファンだけでなく多くの人たちに希望を与えてくれる快挙でした。
 大天晴れ!

(東京五輪の無事の開催を祈るのみです)
2位 東京オリンピック延期
 残念でしたが、致し方ないことではあります。しかし現在のような感染状況が続くと最悪中止になるのではないかと個人的には心配しています。

(東京五輪ロードレースゴールの富士スピードウェイ)
3位 増田 成幸選手、チームのサポートによりオリンピック代表を奪取!
 経緯
①東京五輪の延期に伴い、二枠しかない五輪代表の選考期間が延長
②UCIのポイントが取れるツアー・オブジャパンやジャパンカップロードレース等、国内公認国際大会がすべて中止となり、増田選手など、国内チーム所属選手が条件的に不利になる。
③増田選手はスポーツ仲裁機構に、仲裁の申し立てを起こす。
④仲裁機構の裁定は訴えを却下、ただし日本自転車競技連盟は代表選考について配慮するようにとの一言が付け加えられた。
※それ以前に女子の与那嶺 恵理選手が男子に比較して選考基準が厳しいとスポーツ仲裁機構に仲裁の申し立てを起こしている。(却下)
⑤新城 幸也選手に続いて、選考ポイント2位だった増田選手はポイント対象の国際大会に出場できなかったため、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス所属の中根 英登選手がポイントで逆転する。
⑥増田選手の所属チーム宇都宮ブリッツェンは、増田選手を東京五輪に送り出すため、スペインのUCI公認レースに参加。
⑦増田選手は20位でゴールして、UCIポイントを獲得した。同じレースにエントリーした中根選手は完走できず、ポイントで増田選手が逆転。五輪代表内定を勝ち取った。
※NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスのサイモン・カー選手はこのレースで優勝、チームとしては勝ったが、アシスト役の中根選手は自由に動けなかった。
 チームと宇都宮市民のサポート、願いを受けての大逆転は見事でした。
 痛快です!
 しかし、中根選手も力のある立派な選手だと思います。
 増田選手も今回スポーツ仲裁機構への申し立てという手段を選択しましたが、与那嶺選手はこれまでも連盟批判を行ってきました。
 連盟からするとうるさい選手、嫌な選手と思います。
 しかし、競技団体はアスリートの声を真摯に受け止めることも必要と考えています。
物言う選手が出てきたことは、日本のスポーツ界の発展のために、私は悪いことではないと考えています。

(今村選手の記録挑戦を支えてくれた伊豆の走路)
4位 今村 駿介選手 日本初のアワーレコード挑戦
 全日本トラックに参加できなかった今村選手のため、クレイグ・グリフィン日本ナショナルチーム中距離ヘッドコーチの提案で日本初のアワーレコードに挑戦。
 1時間ただひたすらトラックを走り続ける過酷な記録挑戦です。
 そして、52.468kmの好記録をたたき出しました。
 日本選手でも、世界に十分通用する走力があることを示すことが出来ました。
 快挙です!

(サイクルスポーツセンターに展示されている、かつてのスプリント世界チャンピオン中野 浩一さんのトラックレーサー)
5位 新田祐大選手世界選手権男子ケイリンで銀メダル獲得
 残念ながら金メダル、世界チャンピオンでなければ評価されないのです。
 本業の競輪とナショナルチームの活動は大変だと思いますが、東京五輪での金メダル獲得を信じています!

6位 中根 英登選手ワールドツアーチーム入り
 2部相当のUCIプロチームのNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスに所属している中根選手が1部相当のUCIワールドチームEFプロサイクリングに移籍が決まりました。
 東京五輪代表は増田選手に逆転を許しましたが、ワールドチーム入りは彼の実力が評価されてのことです。
 おめでとう!
7位 株式会社NIPPOがワールドチームEFプロサイクリングの共同スポンサーとなることが決定今季は、NTTがワールドチームのスポンサーになりましたが、1シーズンで撤退になり残念でした。
 しかし、来期からNIPPOが、EFプロサイクリングの共同スポンサーになるというニュースが飛びこんできました。
 2部相当から1部に昇格です。
 強烈なピンク色の派手なユニフォームのEFプロサイクリングチームですが、NIPPOがスポンサーとなりどう変わるのでしょうか?
そして、ワールドツアーに復帰した別府 史之選手と、新加入の中根 英登選手の活躍も楽しみです!

(圧倒的な力を見せる全日本選手権での梶原選手)
8位 トラック全日本選手権 梶原選手6冠 完全優勝
 オムニアム、スクラッチ、エリミネィション、ポイントレース、マディソン、個人追い抜きとエントリーした6種目すべて優勝。
 しかも、オムニアムにはスクラッチ、エリミネィション、ポイントレースの3種目が含まれているわけで、短期間の間にこれだけの中長距離種目を走り切る体力が信じられません。その強さにただただ驚くしかありません。

(昨年の全日本選手権での別府選手、新城選手)
9位 別府 史之選手ワールドチームに復帰
 2部相当のNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスに所属していた別府選手でしたが、来期から1部相当のEFエデュケーションNIPPOに移籍です。
 日本人ワールドツアーライダーが3名になります。
 楽しみです!

(来年の明治神宮外苑クリテリウムは中止でしょうか…、箱根駅伝が開催されることは幸いです)
10位 国内UCIレース中止
 コロナ禍のため国内のUCI公認国際大会がすべて中止…
 毎年楽しみにしていたさいたまクリテリウムも、ロードレースだけでなく、これまた楽しみにしていた南牧のシクロクロスもすべて中止!
自転車好きにとってはこの上なく辛い年でした。
 しかしその中で梶原選手の活躍には力づけられました。
 ロードでもワールドツアー選手が3人になるなど、明るい話題もあります。
 そして、コロナウイルスの収束と、東京五輪の無事の開催を祈りましょう。
 
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初雪・日本初アワーレコード

2020-12-05 10:51:12 | 日記

(朝の浅間山、上の方は雲の中ですが積雪が確認できます)
浅間山に3回雪が降ると里にも雪が降ると言われています。朝起きると庭にうっすらと雪が積もっていました。

 初雪です。寒い!もう軽井沢でのライドは無理です。
 若い頃は真冬も走っていましたが無理は出来ない年齢になっています。

(オリンピックが開催ができることを祈りましょう)
 軽井沢では初雪ですが、伊豆ベロドロームでは11月23日に元ジュニアのポイントレース世界チャンピオン今村 駿介選手が日本で初めてのアワーレコードに挑戦しました。

 1時間ただひたすらトラックを一人で走り続け、どれだけの距離を走れるかという、記録挑戦がアワーレコードです。
 現在の世界記録はヴィクトール・カンペナールツの55.089kmですが、今村選手の記録は何と世界歴代5位の52.468kmです!
 しかもカンペナールツは高地のメキシコでの記録ですから今村選手の記録はかなりすごい!
 アワーレコード挑戦は誰にでもできるという代物ではありません。好記録が期待できる力のある選手が、周囲のサポートを受けながらでなければできません。
今村選手の場合は在学している中央大学の都合で全日本トラックに出場できなかったので、ナショナルチームのクレイグ・グリフィン中長距離ヘッドコーチの提案で実現したとのことです。
グリフィンコーチが語っていましたが、この記録はロードレースのプロチームからの評価を得るに値するものであると。日本人でもこれだけの記録が達成できるのです。
女子の梶原選手もそうですが、決して日本の才能ある選手の運動能力はヨーロッパの選手に比較して劣ってはいないと私は信じ続けていました。
そのことを今村選手や梶原選手が証明してくれました。
天晴れです!
ところで、アワーレコードの最高齢記録はなんと105歳のフランス人ロベール・マルシャンさんの22.547kmとのことです。
あり得ないことですが私がアワーレコードに挑戦したらどのぐらいの記録を達成できるでしょうか?
105歳の人の記録は上回りたいと思うのですが…

(グリーンドーム前橋)
場所はどこがいいでしょうか?伊豆は250mの国際規格、コーナーの角度が急なので私には無理かもしれません。では標高は低いですがインドアで風などの外力の影響がないグリーンドーム前橋か、アウトドアでも標高1,000mの松本かどちらかになるでしょうか。

(日本で一番標が高い松本自転車競技場)
しかし、挑戦させてやると周囲がおぜん立てしてくれたとしても多分遠慮させていただくことになるでしょう。1時間高負荷で速度を維持し続けるというのは大変なことです。
アワーレコードは、選ばれた人類だけに許される記録挑戦といえるでしょう。
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