軽井沢バイシクルライフ

10年以上のブランクの後現役復帰した中年サイクリストの活動と昔話

大河原峠

2020-09-22 09:40:20 | 日記

昨日9月21日、今年初めて2,000m級の峠、大河原峠を登りました。

登り口には室町時代開山の曹洞宗の古刹である貞祥寺があります。

境内には島崎藤村の旧宅や三重塔があるとのことですが、いつも峠に登るだけの自転車バカで拝観させていただいたことがありません。

ここがスタート、いきなり10%の激坂区間ですが、体がフレッシュなのでこの辺りは難なくクリアできます。
このコースはいきなりキツイ勾配になるので、スタート前にストレッチをしたり、周辺のフラットな道を走りウォーミングアップをしておく必要があります。いきなり登り始めるのは、パフォーマンスの面でも、体にかかる負荷を考えても避けた方が良いと思います。

(コースは蓼科スカイラインの愛称がつけられています)
激坂区間が終わり美笹付近はフラットになりますが、ここでベースアップすると、私のような貧脚は後が辛くなります。

コース途中にある巨大なパラボラアンテナです。

深宇宙探査用地上局です。

すでに稼働しているらしく音が唸っていますが、外構工事は途中のようです。
美笹のフラット区間を過ぎて、別荘地を抜けると厳しくなってきます。
この辺りは結構辛い。今年は走り込みが足りていませんので…
気候は涼しすぎるぐらいで汗もあまり出ません、年のためと、自宅を出る前に飲んだコーヒーの効果で何回かトイレタイムを取りつつ、ゆっくりと登ります。

高度を稼ぐにつれて寒くなり、ガスも出てきます。この辺りは標高2,000mはあると思います。枝からは地衣類がぶら下がっています。
しかし、こんな高い所に別荘地があります。気候の厳しさからか使わなくなった別荘は倒壊しているものもありました。

やっとの思いで頂上に到着。晴れ間があり思った以上に暖かい。
連休なので駐車場は登山者の車で満車状態でした。

頂上から白樺湖方面は昨年の台風の影響でいまだに通行止めでした。

来年の3月頃まで復旧工事を行っているようです。

頂上直下に咲いていたトリカブトの花です。猛毒で恐れられている植物ですが花は美しいと思います。

大河原峠は水場がありません。ボトル2本の携行をお勧めします。
ウインドブレーカーを着て、そろそろ下ろうとする時に下から一人サイクリストが登ってきました。
「お疲れ様でした!」と声掛けしてから下りましたがなかなか寒い。グローブから出ている指先が冷たい!

先ほどの別荘地の辺りで高校生ぐらいの若者三人が登ってきました。学校ジャージらしい短パンを履いています。バイトに励み何とかロードバイクは買えたけれど、ウェア類はこれから少しずつ…といった感じです。かつての自分の姿と重なり合います。
このような若者を見ると嬉しくなります。
「あともう少し、頑張って!」と声掛けしました。軽いギアでケイデンスを上げて登っていく姿は小野田坂道君のようでした。

下る途中でアケビを発見!実を採って口に入れると、種がほとんどなのですが、ほんのりした穏やかな甘さです。
栗が落ちていたりもするので、山育ちの私はキノコ採りしたい、栗拾いしたいと誘惑に駆られていました。
写真を撮ったり、アケビを食べたり…そんなことをしていたら頂上で会ったサイクリストが追い抜いていきました。
アケビはいくつかをサドルバックに入れて持ち帰りました。お彼岸ということもあり、他の野菜と一緒に皮をてんぷらにしましたが苦い!
しかしこの苦さが大人の味、なかなかいいものでした。

頂上では何も見えない状態でしたが、下り終わるころには下界も青空が広がっていました。佐久市内の街並みが一望できる場所があります。

安全第一、オーバースビートにならないように慎重に下り、ようやくスタート地点に戻ってきました。下りも長いので疲れます。
ツール・ド・フランスも終了しました。初優勝のタディ・ポガチャルはなかなか良い青年です。これから大記録を打ち立てるのではないかと期待されますが、それにしてもツールに参加するような選手はつくづくすごいと思います。
大河原峠はUCIレースでも通用する立派な超級カテゴリーの山岳コースですが、彼らは超級、1級山岳を複数含む、獲得標高4,000mにも達するコースをかなり高い平均速度を維持しつつ走り切っています。超人ではないかと思います。
いずれにしても、トラック短距離出身の私にはロードレースは、一番遠い世界です。

気持ちの良い、秋空が広がっています。
本日は、私にとっての「自転車道」というステージレースの中では、今年のクイーンステージでした。
肌寒いぐらいの気候でも、水分はしっかり取って、下山後は食事もしました。
しかし、驚いたのは、帰宅後体重を測ると、自宅を出る前より2㎏近く減っていることでした。
水分摂取と栄養補給の重要性を改めて感じました。
本日の走行距離は中身の濃い50㎞でした!





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寝不足 ~ツール・ド・フランス~

2020-09-20 11:58:32 | 日記

(一昨年のさいたまクリテリウムにて、ゲラント・トーマス選手のマイヨ―・ジョーヌカラーのピナレロドグマ)
コロナ禍の中で開催されたツール・ド・フランスでした。なんとレースディレクターがPCR検査で陽性、一時的に現場から退いたものの、選手は全員陰性でした。

(さいたま市から送られた千羽鶴も今年のツールを後押ししてくれたかもしれません)
どうやら無事シャンゼリゼにゴールできそうです。
選手が陰性なのは当然かもしれません。ツール期間中はレース出走、ゴールしたら、移動して、マッサージなどので身体のケアをして、食事して、寝て、後やることはミーティングで監督の指示を聞くぐらいで、夜の街に遊びに行くなど悪いことはできません。
昨夜は午前1時過ぎまでJスポーツのツールの中継を見ていました。眠いけれども「これを見ずして眠れるか!」という気持ちでした。
マイヨ―・ジョーヌ(総合1位)のログリッチとマイヨ―・ブラン(ヤングライダー賞)のポガチャル、スロベニア人同士のタイムトライアル対決です。
個人タイムトライアルでは不調であってもチームメイトの力を借りることは出来ません。

(ユンボチームといえばビアンキ、チェレステカラーのフレームは私も大好きです)
ログリッチの個人の実力プラス、ユンボビズマチームの見事な鉄壁のサポートを受けてここまで来ましたが、ログリッチは失速、驚異の走りで21歳の超新星ダディ・ポガチャルが57秒差を逆転してマイヨ―・ジョーヌを奪取しました。
後一日残っていますが、何もなければ順位は不動と思われます。

(昨年のさいたまクリテリウムでのプリモシュ・ログリッチ選手)
気持ちいいのは、ログリッチは後輩のポガチャルの勝利を祝福していたことでした。スポーツマンシップですね。

(昨年のさいたまクリテリウムでのエガン・ベルナル選手)
100年以上のツールの歴史で東欧圏の選手が総合優勝というのは初めてではないでしょうか。今年は惜しくも途中棄権しましたが、昨年はエガン・ベルナルが南米勢として初の総合1位に輝きましたが、30年以上前にはグレッグ・レモンがアメリカ人として初優勝、2011年優勝のオーストラリアのガデル・エバンス等、ヨーロッパ圏以外や、ヨーロッパ圏でもフランス、イタリア、ベルギーなど自転車競技強国以外の地域の選手の活躍を私は期待しています。
フランスの人たちには気の毒ですが、自転車競技を今以上に世界のメジャースポーツにするには、西ヨーロッパ諸国の選手だけが表彰台に登り続けるようであってはいけないと考えています。
人口200万人、長野県と同じぐらいの人口のスロベニアから若いチャンピオンが誕生しようとしています。トレビアン!

(ベルナール・イノーさんの顔がプリントされたマイヨ―・ジョーヌ)

別府史之選手はツールで敢闘賞を受けています。

新城幸也選手はツールで敢闘賞を2回受けています。

そして、いつかは日本人がマイヨ―・ジョーヌを着る日が来ることを私は信じたいと思います。ベルナルやポガチャルのような才能を持った選手は日本のどこかにいると信じたいです。そしてそれは案外小野田坂道君のような少年かもしれません。

ツールが開催できたのは奇跡のようなことかもしれませんが、日本ではUCI公認レースは中止になってしまいました。「泥の祭典?」南佐久郡南牧村でのシクロクロスも中止が決まり、レース観戦の楽しみもなくなりました。

泥のコースを走るような困難な日々が続いていますが、いつかはコロナウイルスが収束する日が来ることを信じましょう。

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雨が降る前に! ~最近の出来事~

2020-09-13 18:06:39 | 日記

(この林道も走ることが多いのですが昨年の台風災害から復旧せずいまだに通行止めです)
天気が悪く、なかなか走る機会がありません。本日9/13も天気が崩れるとのことなので、
雨が降る前に町内を走ることにしました。

 茂沢地区の農地の中にある、縄文時代の遺跡です。小学生の頃の遠足のコースに入っていました。
 
 茂沢地区を流れる茂沢川です。以前はヤマメが泳ぐ姿も見えたのですが…。

 道端にツリフネソウが咲いています。初秋の頃に咲きます。

赤紫が一般的ですが、黄色の花もあります。

軽井沢では珍しくありませんが、なかなか可愛い花です。

茂沢から森泉郷まで登りですがここはアウターギアで登りましたが、走り込みが足らないのでいつもよりしんどい!

最近は熊の出没が増加しています。注意!

 軽井沢地町民のふるさとの山、離れ山も上の方は雲に隠れています。
 帰宅して1時間もすると雨が降ってきました。一周して18㎞ほどのコースでしたが、天候不順の中では貴重な時間でした。
~最近の出来事~
①弱虫ペダル
 先週、映画弱虫ペダルを見てきました。漫画として見れば楽しい作品です。あくまで漫画として見なければいけません。
 私が幼少の頃には荒唐無稽感が強いスポーツ漫画が多かったので、その頃の作品に比較すればまだ良いのかもしれませんが、現実と比較すればもちろん突っ込みどころはあります。
☆新入生ウェルカムレース:交通規制していない公道でレースをやってはいけません。漫画として見ていただきたいです。
 私の場合、高校時代は自転車競技部のない高校で、一人で活動していましたが、部がある高校でも、自転車競技の場合、高校から始めるケースが今でも少なくないはずですから、下手をするとスポーツサイクルの乗り方から始めるはずです。また、多くの高校はトラック競技も並行して行っています。
 固定ギアの自転車の乗り方から始めて、タイムトライアル、個人追い抜きなど危険のない種目から始めて、集団走行の練習をしっかりしてからロードレースというのが一般的だと思います。2007年には千葉県京葉工業自転車競技部員が、路駐していた車に練習中に激突して二人の若い命が失われています。ロード練習はトラック練習以上に注意が必要です。
☆インターハイの県予選で鳴子君に50㎞一人で先頭を引かせたこと:無理ではないでしょうか?そもそもローテーションしないとスピードの維持ができませんので非効率です。
 鳴子君に機関車役をしてもらうのは良いとしても、他のメンバーよりは頑張って長い距離を引いてもらう程度が普通だと思います。
☆坂道君のハイケイデンスクライム:軽いギアでケイデンスを上げるのも良いのですが、回転が上がり過ぎでなんだか全力でスプリントしているような感じでした。これでは長い距離は持たないと思うのですが…。
 しかし、オタクでスポーツと無縁な少年が、実はロードレースの大変な才能を持っていたというのは面白い設定です。長瀬君の坂道君なかなか良い味です。ママチャリでのヒルクライムのシーンは大変だったと思います。
 伊藤 健太郎君の今泉君や橋本環奈さんの寒咲さんなども漫画のイメージとぴったりで楽しめました。

(さいたまクリテリウムのチームプレゼンテーションです。山岳賞ジャージーの姿があります)
 丸眼鏡で貧弱そうな坂道君が、将来ワールドチーム入りをして、水玉のジャージを身にまといアルプスの峠を登っていく姿を想像するのも楽しいものです。
②ツール・ド・フランス ~毎年この時期はフランスの少年になる~

(一昨年のツールチャンピオンのゲラント・トーマス選手ですが今年はツールには不参加です)
 まだ十代の頃、何の映画かも忘れましたが、フランス映画でバカンス中の滞在地で、少年が兄に「今日は誰が勝った?」と聞き、兄は「自動車レースなどに興味はない!」というシーンがありましたが、真実は「自転車レース」です。映画で流れているラジオの放送は日本語に訳していてもはっきりとツールの山岳ポイントの通過シーンであることが分かりました。その頃1970年代では、この世界的なスポーツイベントは、日本ではまだ一般的ではありませんでした。
ツールは単なるスポーツイベントではなく、フランスの伝統文化です。長らくフランス人のチャンピオンは出ていませんが、それでもツール開催期間中、フランスでは「今日のステージ優勝は誰?」、「マイヨ―ジョーヌは?」とフランスの子供たちは友人と会話をしているかもしれません。
今年は、コロナ禍の中で2か月遅れ、しかも、綱渡りのような運営ですが、私もフランスの少年のように楽しんでいます。
そしてツールが終わるとしばらくは「ツールロス」になっていることでしょう。
コメント (2)
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