ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

“ボヘミアン・ラプソディー”

2018-12-25 06:33:59 | 雑感
 先日、映画が公開されてから人気がうなぎ登りと評判のボヘミアン・ラプソディー(Bohemian Rhapsody)を見てきました。場所も今をときめく西宮ガーデンズのシネコンです。

 映画の冒頭場面で驚かされたのは時代背景でした。主に70年代中頃から'85年までの物語で、私が新入社員として製薬会社に入社し、同時に新婚生活を始めた頃と被っていたのです。

 当時の私は、Queenというバンド名もフレディ・マーキュリーというリード・ボーカリスト名も知りませんでした。そもそも私はロック・ミュージックに性が合いませんでした。抑えきれない感情の高まりをアップテンポの音律にぶつけているだけの印象が先立って、どうしても荒っぽい音楽としか思えなかったのです。

 そんな次第ですから、映画の中で “We will rock you”(1977)や “We are the champions”(1977)を聞いて、初めて、あれはQueenだったのかとビックリさせられたわけです。

 この映画の題名となった “Bohemian Rhapsody” は、風に吹かれてさまよう “根無し草の狂詩曲” という意味でしょうか。孤独で満たされない気持ちを歌に託して聞いてくれる人皆と連帯したい、そんなフレディ・マーキュリーの心情をテーマにした映画だったように思います。

 野心に溢れ小生意気だった彼は、名声を得るにつれ傲慢になって孤立感を強めました。そんな彼が心底欲しかったのは、心が虚しくなったとき黙って一緒に寄り添ってくれる人でした。それを満たしてくれるのが真の家族であり、真に気のおけない仲間だと彼は考えていたのですが、そんなナイーブな願いはなかなか叶えられるものではありません。

 満たされない彼のイライラをチェーンスモーキングや吸い殻の山、果ては乱痴気パーティーで描写していたのが印象的でした。彼にとっては結局、相手は異性でも同性でもよかったのです。それがよく演出されていました。

 “Good thought, good words, good deeds” 映画では、父親から刷り込まれたこの言葉をキーワードにしたかったようです。終盤の場面で、父親を前にして語った彼のこの言葉は少し浮いて聞こえたのですが、それを帳消しにしたのが最終盤のLIVE AID(1985)チャリティー・コンサート場面でした。

 数万人の観客で埋まったスタジアムで、彼は “Bohemian Rhapsody” を皮切りにメドレーで次々に絶唱を続け、その中には “We will rock you” や “We are the champions” もありました。
「We(われわれ、あなたたちと私は皆)・・・」という絶叫が、連帯と共感を呼びかける彼のメッセージなのだと爺々の私にも十分過ぎるほどわかりました。 以上が、映画を見ての私の感想です。

 映画を見終わってから一旦1階に降り、鯛焼きを買って4階屋上の野外ガーデンに出てみました。冷たい風の吹くベンチで頬張った鯛焼きの旨かったことひとしおで、その美味しさに思わずドンドンパッ、ドンドンパッと三々拍子で足踏みしたくなりました。

 日本では応援するときの定番、三々七拍子。日本贔屓だったフレディ・マーキュリーのことですから、“We will rock you” の足踏み三々拍子もやはり彼が一押ししたのでしょう。


モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら<41>ボヘミアン・ラプソディー』(桑原 聡:産経新聞 2018.12.21)も是非ご参照ください。深く掘り下げた解説です。


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2 コメント

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私も見に行きました。 (まーとん)
2018-12-29 12:06:23
私もボヘミアン・ラプソディー見に行きました。
とても良かったです。
不覚にも泣いてしまいました。(すぐ泣くんですが)
最後のライブシーンはライブビューイング(コンサートやイベントを映画館で観ることが出来る)のようで1985年「ライヴエイド」(20世紀最大のチャリティーコンサート)の中にいるような錯覚をおぼえました。
映画が終わったあと映画館なのに拍手がおきたり映画館を出たところのソファーで30代後半ぐらいの男の人がボロボロに泣いていたりとなかなかの作品だったと思います。
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Re. まーとんさんへ (ヒゲジイ)
2018-12-29 19:42:44
まーとんさん、お久しぶりです。
確かに評判通りの良い映画でしたね。
私は泣きはしませんでしたが、
鯛焼きを頬張りながら余韻に浸っていました。
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