市役所の食堂で面白い人物と知り合いになりました。彼は私と同年配で、営業職として65歳まで在職していたと言っていました。元は管理職だったらしく、退職前、年下の管理職の下で仕事をしていた頃をしきりにぼやいていました。退職後の今は自由時間を持て余しぎみで、自宅に居れば居るで邪魔者扱いされるだけだそうです。どうやら私を同類と見ての声かけだったようです。
最初の話題が何だったのかよく覚えていないのですが、やはり景気の話が発端だったような。近頃の人手不足は求人倍率から見ても本当で、それならばもっと景気が良いはずなのに一向に賃金が上がらないのは何故なのかという話から、賃金上昇の抑制は外国人就労移民の増加も要因とする説へと移り、そこからさらに話が飛んでヨーロッパに殺到しているイスラム教徒の大量難民・移民問題の話となりました。
さらに話が転回して、全く同一の神を信奉しながら何故にイスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒それぞれが互いに排他的で反目し合うのかという素朴な疑問や、大自然を八百万の神々と畏怖する我々日本人にとって唯一絶対神を信奉する一神教は理解を超えるという宗教談義へと。この辺りまでは素人同士がよくやる当たり障りのない(?)話でした。
ところが、この宗教談義の流れから再び日本における難民・移民問題に回帰したのです。つまり、日本にも在日という元を質せば朝鮮半島からの難民問題があること。彼らが日本に帰化・同化しないのは、日本を下と見做す冊封体制に長年置かれてきた歴史と、人の上下関係だけに偏った儒教観の所為という説とか、果ては日韓問題(朝鮮半島問題)の近・現代史にまで広がりました。
ここに至って、彼が時系列に沿ってほぼ正確な史実を挙げてきたのには驚きました。例えば、伊藤博文が暗殺されたのは韓国併合前のことであって、併合後の職制である朝鮮総督ではなく当時はまだ朝鮮統監だったことなど、朝鮮半島問題の史実を実によく知っていたのです。負けん気がむくむく頭をもたげきた私は、つい向きになって張り合おうとさえしていました。
ざっと振り返ってみると、酔っ払い同士が居酒屋でやるたわいのない話と同じで、話題があっちへ飛びのこっちに飛びの、受け売り知識の見せ合いっこさながらでした。ただ私にわかったことは、お互いに時事問題にそこそこ関心があり、少しばかりその背景知識も囓っている者同士だということです。さすがに営業畑で鍛えただけあって、彼の話は私にとって久々にチョット刺激的でありました。
かくして昼食を終えると、彼は席を立つ際こんな言葉を残していきました。
「あなた、結構教養あるねぇ! 好き嫌い・・・、いや意見が同じ人だと思ったよ。」
口にはしなくても「意外だった」とハッキリ顔に書いてありました。話の大筋からして、少なくとも政治的な立ち位置は同じ者同士だとわかったらしいのです。これには私も苦笑いするしかありませんでした。
思えば、実際に喋っていたのはほとんど彼一人であって、私の方はその節目々々に合いの手を入れていただけだったような? そこで思い付いたのです。これは聞き上手になるための稽古になるのではないかと。合いの手を入れると言っても単に相槌を打つだけのもあれば、話を別方向に仕向けるものもあります。それら両方をもっとうまく駆使できるようになれば、聞き上手にもなれるのではと考えたのです。
たとえなけなしの知識でも、使わなければ錆び付いて用をなしません。そんな錆び付いた知識を磨くためにも、また、ひいてはボケ防止のためにも、これからは彼を恰好の稽古台としてみよう。退職後の “空白の時間” を持て余している彼にしてみても、私相手に話すことで少しは気晴らしになるのでは・・・。こんな虫のいい一石三鳥のことを企んでいる私です。
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最初の話題が何だったのかよく覚えていないのですが、やはり景気の話が発端だったような。近頃の人手不足は求人倍率から見ても本当で、それならばもっと景気が良いはずなのに一向に賃金が上がらないのは何故なのかという話から、賃金上昇の抑制は外国人就労移民の増加も要因とする説へと移り、そこからさらに話が飛んでヨーロッパに殺到しているイスラム教徒の大量難民・移民問題の話となりました。
さらに話が転回して、全く同一の神を信奉しながら何故にイスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒それぞれが互いに排他的で反目し合うのかという素朴な疑問や、大自然を八百万の神々と畏怖する我々日本人にとって唯一絶対神を信奉する一神教は理解を超えるという宗教談義へと。この辺りまでは素人同士がよくやる当たり障りのない(?)話でした。
ところが、この宗教談義の流れから再び日本における難民・移民問題に回帰したのです。つまり、日本にも在日という元を質せば朝鮮半島からの難民問題があること。彼らが日本に帰化・同化しないのは、日本を下と見做す冊封体制に長年置かれてきた歴史と、人の上下関係だけに偏った儒教観の所為という説とか、果ては日韓問題(朝鮮半島問題)の近・現代史にまで広がりました。
ここに至って、彼が時系列に沿ってほぼ正確な史実を挙げてきたのには驚きました。例えば、伊藤博文が暗殺されたのは韓国併合前のことであって、併合後の職制である朝鮮総督ではなく当時はまだ朝鮮統監だったことなど、朝鮮半島問題の史実を実によく知っていたのです。負けん気がむくむく頭をもたげきた私は、つい向きになって張り合おうとさえしていました。
ざっと振り返ってみると、酔っ払い同士が居酒屋でやるたわいのない話と同じで、話題があっちへ飛びのこっちに飛びの、受け売り知識の見せ合いっこさながらでした。ただ私にわかったことは、お互いに時事問題にそこそこ関心があり、少しばかりその背景知識も囓っている者同士だということです。さすがに営業畑で鍛えただけあって、彼の話は私にとって久々にチョット刺激的でありました。
かくして昼食を終えると、彼は席を立つ際こんな言葉を残していきました。
「あなた、結構教養あるねぇ! 好き嫌い・・・、いや意見が同じ人だと思ったよ。」
口にはしなくても「意外だった」とハッキリ顔に書いてありました。話の大筋からして、少なくとも政治的な立ち位置は同じ者同士だとわかったらしいのです。これには私も苦笑いするしかありませんでした。
思えば、実際に喋っていたのはほとんど彼一人であって、私の方はその節目々々に合いの手を入れていただけだったような? そこで思い付いたのです。これは聞き上手になるための稽古になるのではないかと。合いの手を入れると言っても単に相槌を打つだけのもあれば、話を別方向に仕向けるものもあります。それら両方をもっとうまく駆使できるようになれば、聞き上手にもなれるのではと考えたのです。
たとえなけなしの知識でも、使わなければ錆び付いて用をなしません。そんな錆び付いた知識を磨くためにも、また、ひいてはボケ防止のためにも、これからは彼を恰好の稽古台としてみよう。退職後の “空白の時間” を持て余している彼にしてみても、私相手に話すことで少しは気晴らしになるのでは・・・。こんな虫のいい一石三鳥のことを企んでいる私です。
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