ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

回復は、家族の方こそ時間がかかる?

2019-08-16 06:15:29 | 病状
 アルコール依存症(アル症)の人は、断酒しても家族と離れて一人暮らしをしている人が多く、家族と同居できている人は少数派のようです。その点、一旦別居して離婚したにもかかわらず、再び連れ合いと同居している私などは珍しい事例だと思います。

 AAのミーティングでも、同居していた家族の話はよく出ます。一向に酒を止めようとしない自分に家族が匙を投げてしまったとか、家族と衝突を繰り返して散々迷惑をかけたとか、飲酒時代を悔やむ話がほとんどです。が、当然ながら現在同居中の家族の話をする人は希です。

 先日のミーティングでは珍しく、同居中の連れ合いの話をした女性仲間がいました。
「(断酒して丸6年が過ぎた)自分は落ち着いて来ていると思っているのに、夫はいまだにカリカリしていて話す言葉にトゲがある」のだそうです。

 この話で、亡くなった仲間から以前聞いた話を思い出しました。断酒9年で再飲酒、再び8年間(?)断酒を続けていた女性でした。
「夫はちっとも私の気持ちをわかっていない。全部私のせいにして小言ばっかり。家のことは何もしてくれない。」
こんな夫への悪口を、ミーティングでは言いたい放題でした。

 この手の話は、ブログ記事でもよく見かけます。結婚生活の長い老夫婦によくある、無理解な夫への妻のボヤキそのもので、何もアル症に特別な話ではなさそうですが、・・・。

 実は彼女らの言葉に、アル症ならではの問題が二つ、透けて見えています。本人は、アル症から順調に回復が進んでいると自認しているのに、それをなかなか認めて貰えない欲求不満が一つ。もう一つは、家族に依然として残る酒害トラウマです。

 アル症からの回復は、身近に居る家族の方が時間がかかると聞きます。飲酒時代に同居していた家族なら、酒害で受けたトラウマは尋常ではないはずです。そのトラウマが、たとえ断酒を何年か続けていても依然として残っているようなのです。これは当然のことだと思います。

 かく言う私も同じような経験を何度もしています。相方の言葉にはトゲがあり、しかも冷ややかな口調で言って来ます。私の方はと言えば、小バカにされた気分になって、どうしても頭に血が上りがちです。

 「何だ、その言い方は?!」と、つい言い返すこともたまにありますが、頭に血が上った状態では記憶が不確かです。生々しい言葉の数々を正確には覚えていないので、そのうち「まっ、いいか!」となってしまいます。

 先日、市役所であった水の飲み比べの際、職員の面前でアンケート用紙に記述することになり、久々に手が震えて字の乱れを経験しました。私にも依然として、飲酒時代の急性離脱症状・振戦がまだ生々しいトラウマの一つとして残っています。

 アル症からの回復を正確・冷静に判断できるのは身近に居る家族です。双方がトラウマを抱えていることは、お互い適当な距離感を保ててむしろプラスになるのかもしれません。

 こういう複数の歯止めがあってこそ、飲まない生活が続けられるというもの。私はそう考えることにしています。



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