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ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

やった~、AAのミーティングで司会を20回!

2019-08-23 05:59:57 | 自助会
 昨年の8月に初めてAAのミーティングで司会をやってから、早くも1年になります。この間、都合20回も司会の機会を与えてもらいました。最近は、挙手して積極的に発言してくれる人も現われ、司会が板に付いてきたと言ってくれる仲間もいます。

 司会をして思い知らされたのは、テーマがいかに大切かということです。出席者の記憶を呼び起こし、自ら経験を語り出すように仕向けられるのは、偏にテーマ如何によります。

 もちろん、司会者が導入のために話す内容もそれなりに大事なのですが、導入話の方は出だしの1、2分でテーマの趣旨をうまく説明できれば上出来で、後は出たとこ勝負でどうにでもなるようです。

 最初の頃は、会の進行上、どのタイミングでどんなことを言うべきか、私も理詰めでシミュレーションしてみたものです。が、当てにならない私の記憶力では、これも無駄な努力とわかりました。

 実の話、出席者の多くは司会者の導入話などあまり聞いていません。断酒歴が長いと目される人たちは、テーマに沿った自分の体験を思い起こすのに懸命です。精々、断酒歴1年ぐらいまでの人しか話に聞き耳を立ててはくれません。ですから、最初の1、2分が真剣勝負となります。

 司会者として私が出したテーマは、主に次の6つでした。いずれもAAミーティング・ハンドブックの内容に因んだ言葉で、私なりに少し工夫したものも入っています。

 ● 断酒を始めて気づかされた困ったこと/良からぬ考え(6回)
 ● 自分に正直になる(3回)
 ● 行動に移す(3回)
 ● ありのまま 受け入れる(3回)
 ● 古い考えを捨てる/手放す(2回)
 ● 転機(2回)

 これらのテーマに私は、私自身の断酒体験から得られたメッセージを込めたつもりです。クロスアディクション由来の性的妄想・“憑きもの体験”、“言語化” による “見える化”、正常化した “感覚” に従う行動、記憶ネットワークの機能的偏りによる “認知のゆがみ” とその対策、精神的 “底つき体験” などを意図したのですが、もちろん言い忘れたことも多くありました。

 断酒で引き摺る精神的ストレスは、続いても精々3~5年程度のようです。この時期は半分まとも、半分病的な精神状態だと言って過言ではありません。

 私の場合、最も辛く感じていたのが10ヵ月までで、その後に急性離脱後症候群(PAWS:アルコールの後遺症)というものを正確に知ったため、今ではやはり3年ぐらいまで続いていたかと考えています。

 この断酒を始めて3年までの期間は本当に危ない時期です。司会をしていて常に意識するのはこの時期にいる仲間たちです。これからも、「経験と力と希望を分かち合って共通する問題を解決する」というAAの精神に則り、少しでも私の断酒体験が役立つよう司会の立場からも励んで参ります。



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“人の振り見て我が振り直せ”

2019-07-26 06:00:06 | 自助会
 毎年6月末から7月にかけてのこの時期は、不安定な梅雨空のせいか気分的に調子が乗らない時期のようです。落ち込むほどではないのですが、とかく気が散って集中力も薄れがちです。

 感受性のアンテナもひん曲がっているらしく、妙に神経に障ることが多いようです。自助会AAのミーティングでも、そんな雰囲気が感じられます。この時期、自ら挙手して発言する人が多くなっているのです。

 ミーティングでは、“言いっぱなし 聞きっぱなし” 以外にもルールがあります。その日のテーマが司会者から出された後、司会者の指名を待って発言するのもルールの一つです。

 自ら挙手して発言する人は、それだけ胸にわだかまりを抱えていて吐き出す機会が欲しいのです。ですから挙手して話すのも、テーマ以外の話題となるのも別に問題ではありません。

 たとえそんな場合でも、しかるべきマナーは守って当たり前と思います。私が司会を務めた先日のミーティングでも、そんな挙手発言が相次ぎました。その中の一人は断酒歴14年の大ベテランで私と同い年の人でしたが、マナーの悪さが目に付きました。

 いざ話し出すや、テーマなどそっちのけ、プライベートな鬱憤を吐き散らし、喋り終えたと思ったら即、席を立って部屋を出たり入ったり、その挙げ句の果てにさっさと帰ってしまいました。

 言動に身勝手さが消え、落ち着きの見えることが回復の一番の目安とされています。彼の身勝手さと落ち着きのなさは誰の目にも明らかでした。断酒歴の長さは、このようにあまり当てにはなりません。

 私にも人の話の最中に、コーヒーを入れに席を立つことはあります。出来るだけ静かに動いているつもりですが、きっと周りの人の黙想をそれなりに乱しているにちがいありません。

 “人の振り見て我が振り直せ” 人は鏡だと改めて教わりました。



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ソーバー12年の仲間を悼んで

2019-06-07 07:57:33 | 自助会
 断酒歴丸12年の仲間・カメさんが、“がん” で亡くなりました。私がAAのミーティングに通い始めた頃に知り合った、ソーバー(飲まない生活)が7年も “先往く” 仲間でした。

 今回は私のメモの断片から、ミーティングで語ってくれた彼の半生をご紹介し、彼の死を悼みたいと思います。記憶力の定かでない私ですが、それだけ印象が強かったのでメモに残していたのだと思います。
         *   *   *   *   *
 土木関係の会社で現場監督をやっていたが、毎朝、酒を飲んで出社するようになり退社せざるを得なくなった。挨拶もせず逃げるような退社だった。

 千円を握りしめ一日中パチンコに明け暮れる毎日で、勝てばスナックで飲み歩き、負ければ大阪・梅田から実家の千里まで歩いて帰っていた。一時、扇町公園でホームレスをしていたこともあった。

 “最後の一杯”は、曾根崎警察の警察官3~4人につれられて実家に戻ったときのこと。母親にブランディを持ってこさせて最後の一杯を飲んだものの、直ぐ戻して結局飲めなかった。

 “転機” は何度もあったが、最初の精神科病院入院、大腿骨骨頭壊死、がん末期という診断を受けたことの3つが大きな転機だった。

 一般の精神科病院に入院したときは、最初の2ヵ月間は閉鎖病棟、しかもその何日間は拘束され、拘束されてもベッドを壊すほどだった。黄疸で黄色になった目がアルコールで血走っており、肌もどす黒かった。このとき自分がアル中だと自覚した。

 断酒して3年後、両脚に痛みを感じだし、それが(アルコール乱用による)大腿骨骨頭壊死の症状だった。年一回ずつ手術を受け、その結果、杖をつかねばならなくなって否応なしにソーバーが身についた。

 そして断酒9年後、肝臓の辺りに痛みを感じて検査を受けた結果、“がん” を宣告されてしまった。
         *   *   *   *   *
 アルコールの仕業とは言え、何とも彼は凄まじくも出鱈目な生き方をしていたものです。AAのミーティングに通い始めた頃は、彼も一般論でしか語れなかったようですが、不評と気づいたので以来、具体的な体験を話すように心懸けたとも言っていました。

 以下は、ミーティンの折々に語ってくれた含蓄のある彼の言葉そのもの(だったはず)です。いかに私がカメさんの影響を受けたのかがよくわかりました。

断酒7年8ヵ月頃
ネットの良からぬサイトに衝動に駆られて入ってしまった。そのときハッキングされたらしく、数十万払わないとメル友皆に秘密をバラすと脅されている。7年もの長いソーバーなのに、まるで飲酒欲求に駆られでもしたかのようなことを今でもしでかしている。

断酒9年4ヵ月頃
1年2ヵ月前から通い始めたグループ作業所。その職種が変わって職場の人間関係がヒドいことになっている。殺してやろうかと思い詰めるほど強いストレスに悩まされている。スポンサーや医者に相談したら、自分の考えに囚われ過ぎと言われ、憑き物が落ちた気持ちになった。仕事をするにしても程々にし、人との間合いをとることが大切だと心掛けている。

断酒9年5ヵ月頃
最近、肝臓の辺りが痛いので検査してもらった。家族同伴で来いと言われ、ある程度覚悟して結果を聞きに行った。そしたら、S字結腸がんの肝転移でステージ Ⅳと言われた。ソーバー 3年の頃に大腿骨骨頭壊死と言われ、手術を3回受けた経験がある。そのお蔭でジタバタせず、ありのままに受け入れることが出来るようになった。

断酒10年1ヵ月頃
当初、原発巣の大腸 “がん” の手術からという話だったが、もうそんな余裕がなくなって化学療法を受けている。余命2年半と言われて、今でもう半年が過ぎた。(私の)スポンサーも “がん” 死したが、仲間からスポンサーがしたくとも出来なかった “がん” 闘病中の飲まない生活を語れと言われ、現在そのつもりで取り組んでいる。CT検査の結果、前頭葉の萎縮が元通りになったと言われた。

 死の1週間前、カメさんと同時期にAAに繋がった仲間がカメさんの入院していたホスピスに見舞いに行ったとき、彼はすでに目をまともに向けていられないほど衰弱していたそうです。
断酒12年0ヵ月
「酒と死ぬのとどっちが怖い?」最後にこう聞いてみたところ、
「酒が怖い!」
カメさんは、こう答えてくれたそうです。これがカメさんの語った最期の言葉だったと、その仲間は涙ながらに語っていました。

 死を目前にして自分をありのままに受け入れ、自分に正直に語った潔い言葉だと思います。12年前ソーバーを始めた丁度その日に逝かれたカメさん、どうぞ安らかにお休みください。合掌!



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これだからやめられないAAミーティング通い

2019-05-24 06:44:05 | 自助会
 常日頃女性って、どうして自分の気持ちをごく自然に言葉で表現できるのだろうと、その言語表現能力の高さに唯々舌を巻いてばかりいる私です。何の衒(てら)いもなく素直に言葉を紡ぎ出すのですから、これができずに難儀している身には悔しさで嫉妬を覚えてしまうほどです。

 何かにつけ「カワイイ!」などと、中にはあまりにスペクトラムの広い言葉を好んで使うところがやや難アリですが、ブログ記事にせよミーティングでの体験談にせよ、女性の語る話は私にとって良い刺激になります。今回は、そんなミーティングでの事例をご紹介します。

「スポンサーに、その日の自分の思いをLINEで毎日報告するように言われているのですが、いざ考えをまとめようとするとうまく言葉が出て来ないんです。
 人のことなら難なく(言葉で)表現できるのに、自分のこととなると全くダメ。しばらく寝かして置くとどうにか “言語化” できるのですが、・・・」

 スポンサーというのは、断酒歴の長い人が個人的に断酒歴の浅い人の相談相手になってあげ、AA “回復のプログラム” の実践を指導・助言をする人のことです。

 どうやら彼女のスポンサー、指導の手始めに自分の思いを言葉に託す “言語化“ を日課に課し、“回復のプログラム” のステップ4:棚卸しを実践させようと目論んでいるようなのです。

 ところで “言語化” を始めてみると、否応なしに味わうのが記憶・想起障害や思考プロセス障害です。喉元まで出かかっても言葉にならないもどかしさや歯がゆさ、考えが混乱してなかなかまとまらないなどというのがその症状です。今まさに、彼女はその真っ只中で足掻いているようなのです。

 これらの障害は、PAWS(急性離脱後症候群)という病名で一括りにされているものの一部です。断酒して3ヵ月後ぐらいから現われて長く続き、最も辛い思いをさせられる難儀な障害なのです。

 それにしても彼女の表現力のスゴさはどうでしょう。これら障害の真っ只中にあることをサラッとした言葉で見事に表現していました。

 このPAWSによる記憶・想起障害や思考プロセス障害について、体験談でこう話してくれた女性メンバーもいました。
「予め、こう言おうと思っていたことをうまく言い終えたためしがない。話している内にテンデンバラバラになってしまい、一体何を言おうとしていたのかわからなくなることがしょっちゅうです。・・・」

 これを聞いて、思わず私は膝を叩いてしまうところでした。私ならグダグダ言うところを、その女性はかくもスッキリ言葉にしてくれました。

 遺伝学的にいえば、女性は性染色体がホモ接合体であることがヘテロ接合体の男性とは違うのですが、これが言語表現能力の差となって幼い頃から現われているようです。2、3歳頃の女児のオシャマで口達者なこと、同じ年頃の男児と比べてみれば雲泥の差があること歴然です。

 “三つ子の魂 百まで”
ちょっと筋違いかもしれませんが、この法則は言語表現能力の男女差にも当てはまるのではないでしょうか。



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続、チェア・パースンを臨時代行

2019-03-29 06:27:35 | 自助会
 AAのミーティングについてです。ここ2週連続してチェア・パースンと司会の一人二役を何とかこなしてみました。正規のチェア・パースン(世話役)が休みを取りたいというので私が臨時代行に指名されたのです。司会の方は4回ほど経験済みでしたがチェア・パースンは初めてでした。

 指名されるまで私の抱いていたチェア・パースンの役割は以下のようなイメージでした。

 まず、会場の設営はグループメンバーの常連仲間が分担してやってくれるので、チェア・パースン(世話役)が出しゃばる場面はないということ。で、チェア・パースンの役割を極言すれば、初めに開会宣言と司会者の指名をやり、会の最後に閉会宣言と他グループからの連絡事項を促すぐらいのことで済み、その他の実質的な進行役は司会者がやってくれるので楽なもの。そんなふうに考えていました。

 実際に代行をしてみたら概ね想像していた範囲内のことで済みました。ただし、チェア・パースン本来の役割は、グループ内の会計処理(AAセントラル・オフィスへの献金、資料の取り寄せ、会場使用料、etc)を一手に引き受け、縁の下の力持ちで地味な役割ということです。このことを間接的ながら実感させられました。

 さらに重要な役割は司会者の指名です。お眼鏡にかなった人物が指名されるので、ミーティングの雰囲気もチェア・パースン色に染まるのは避けられません。こうして、チェア・パースンの人柄がミーティング全体の空気をも左右するわけです。これも私の実感です。

 それはさておき、改めて気づかされたのは司会者のあるべき心構えです。一言でいえば、唯々淡々と進行役に徹するということでしょうか。

 進行役ですから次の発言者を誰にするか、絶えず顔を見ながら考えなくてはなりません。黙想して話に聞き入るなんて、まず不可能です。

 聞き手でいたらまどろむこともあるので、健やかに眠れるからミーティングは良いとうそぶく人もいますが、そんな贅沢も許されません。黙想などはキッパリ諦める、このことを痛感させられました。

 次に、司会者が導入として話す内容です。決して講釈にならないよう、自分の過去・現在の体験をできるだけありのままに話すことを心懸けるべきと思いました。その一方で、聞き手が理解しやすいよう話に多少の脚色も必要で、その方がバカ正直に話すよりもわかってもらいやすいようです。

 言い換えれば、他人事みたいにチョット突き放し、距離を置いて自分の過去・現在を語ることでしょうか。ひとりの発言者として話すときは、自分の過去との対話だけに集中すべきですが、司会者としてはテーマの意図を理解してもらうことが一番なのです。こんなことも司会者の大切な心構えだと思い知らされました。

 さて、肝腎の参加者数ですが、一回目は18名、二回目は19名でした。二回目に一体何人参加してくれるのか気がかりでしたが、まずまずの盛会でホッとしたのは言うまでもありません。



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チェア・パースンを臨時代行

2019-03-22 06:10:26 | 自助会
 AAのミーティングで私が初めてチェア・パースン(座長)を臨時代行したときの話です。

 正規の座長がいつもするように開会の辞から始め、注意事項の伝達、『アルコホーリクス・アノニマス』ハンドブック序文と第○章の朗読、テーマ設定、それから導入にと私の体験談の順に進め、どうにかメンバーの体験談に繋げることができました。

 トップバッターに指名した人が話していたときでしょうか、遅れて会場に入ってきた男性がいました。一瞬躊躇っていたようですが、私の左前の席が空いていたのでその席に着きました。

 席に着いても落ち着かない様子で、首に巻いたマフラーを結び直してみたり、それを解(ほど)いてテーブルに置いてみたりしていました。明らかに初参加の新人さんに見えました。

 ただし、断酒したての人とは目が違っていました。断酒を始めた頃なら普通、何か不安に怯えてオドオドし、どこか虚ろな目をしているものですが、いかにも興味津々といった目でマジマジと発言者を見ていました。どう見ても健全な好奇心の持ち主であることがアリアリなのです。

 周りにいるのが皆アル中ですから、健常者なら当然のことと考えればいいものを、迂闊な私はこんな珍しい新人さんも中にはいるぐらいにしか思っていませんでした。まぁ、これも “思い込み” です。ただ、顔に陰りがなく肌も艶々していたことに違和感がありました。

 会も半ばとなったとき、献金箱を回す際に全くの初参加かを彼に尋ねてみました。その通りと言うので初参加者に配る資料セットを渡し、簡単に説明もしました。彼は黙って聞いているだけでした。

 会も終盤になったとき、いい頃合いだと思い彼に発言を促してみました。
「実は、私の友人がアル中になってしまい、友人宅の近所にある患者自助会とはどういう所か参考のため見学しに参りました。・・・」
「もっと早く言えよ!」思わずこう呟きそうになりました。

 臨時代行を引き受けたとき、私が一番に懸念していたのは初参加者への対応でした。新人用にと資料も揃えてくれていましたし、周りのベテランメンバーが “あんじょうよく” 支えてくれるからと言うので引き受けたのですが、まさか健常者参加するとは考えもしませんでした。

 この時も周りのベテランメンバーと目配せしながら応対したのですが、健常者とわかってからも彼らはケロッとしたものでした。こんなイイカゲンさがAAの良いところです。先ずは結果が一番、メデタシ、メデタシでした。



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参加し続けられるか否かの分岐点 “私も同じ”

2019-03-15 06:25:57 | 自助会
「アルコール依存症(アル症)の回復には自助会が一番です。是非、自助会に参加してください!」

 1クール3ヵ月のアル症治療が終わる頃から、専門クリニックで口酸っぱく勧められたのがこの患者自助会への参加でした。私もその言葉に素直に従い、断酒6ヵ月目から定期的に自助会AAに参加するようになりました。

 ミーティングに参加してみて最初に感じたのは、「何だ、この禅問答みたいな会合は?」でした。“今日一日”、“第一のことは第一に” など、出されるテーマが公案みたいでしたし、それに即座に応じてメンバーの人々がそれなりに発言できていることにも違和感がありました。

 語られる体験談の内容にもビックリさせられました。私も酒には散々酷い目に遭ってきましたが、体験は人それぞれで「私とは違う」と思わされることがしばしばありました。そんな場違い感が募って、中には急に来なくなった人もいたのかもしれません。

 それが1年ぐらいしてからでしょうか、人の体験談に「あるある、私も同じ」と思えることが多くなってきました。どうやらアル症者の体験には芯の部分に共通したものがあり、それが埋もれていた記憶を呼び起こして共感させるようなのです。そして、その共感から一歩飛び越えて連帯感を持つに至るまでは一直線です。この過程で “仲間” 意識が生まれるのだと気づかされました。

 “私とは違う” から “私も同じ” への転換、これがミーティングに継続参加できる分岐点ではないかと思います。元々が身勝手で、人が思い通りにならないと不満や不安を募らせるのがアル症者です。そんなアル症者にとって、連帯感は不安を払拭して安心感をもたらしてくれるものです。

 記憶機能と社会参加意識の回復、これがアル症者の回復には不可欠だと思います。人としっかり繋がっているという連帯感は社会参加意識の第一歩です。こんなところにも自助会の存在意義があるのでしょう。

 医学は、アルコール依存症(アル症)からの完全回復には無力のようです。回復は患者自助会に委ねているのが現実です。

 酒を断った直後2週間ほどの急性離脱期や内蔵機能の回復に要する3ヵ月ぐらいまでの間なら医学も十分力を発揮するのですが、その後の急性離脱後症候群(PAWS)に有効な手段を医学は持ち合わせていないのです。その医学の弱点を補い、アル症者の回復を担っているのが患者自助会なのではないでしょうか。



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感覚の回復が進めば “勘” が働く?

2019-02-08 06:25:13 | 自助会
 先日、AA のミーティングで断酒歴4年の、まだ若い R 氏がこんな話を語ってくれました。

「感覚の変化にビックリしています。酒を飲んでいた頃は朝メシなど摂ったことがなかったのに、今は毎日しっかり食べています。美味しいんですよ、これが!
 自分のところはアル中家族なんで、母親と諍いがしょっちゅうあるんですが、自分的には怒りを翌朝まで引き摺らなくなりました。イザコザがあったら、以前ならいつまでも怒りを引き摺っていました。それが今は “まっ、いいか!” でサラッと流せるようになっています。」

 普通の人には何の変哲もないごく当たり前の話としか聞こえなかったでしょう。が、私にはとても意味のある話でした。

 R 氏は、断酒を始めてから家族と離れ一人暮らしをしているそうです。一人暮らしの20代半ばの男性で、かつて酒飲みだったときたら朝メシ抜きが当たり前かもしれません。そんな彼だからこそ断酒後に味わった感覚の変化は驚きなのでしょう。感情のコントロールについても感覚の変化に伴うものと捉えていました。

 思えば私も、断酒を始めて最初に気づいたのは体調の回復でした。体調の回復は感覚ですから当然、感覚の方もそれなりに回復が進んでいたのでしょうが、そんなふうに意識したことはありませんでした。

 実際は、視力が改善したとか、嗅覚が戻ったとか、体調の回復という変化に並行して感覚にも色々変化がありました。

 感覚の劇的変化と言ったら断酒して10ヵ月目にあった “憑きモノ” が落ちた体験でした。この体験で脳からアルコールが抜け切ったと実感しましたし、その直後から道のポイ捨てゴミが目障りになってゴミ拾いを始めることにもなりました。それにもかかわらず迂闊にも、感覚の変化が認識の変化をも齎(もたら)すとは考えてもみませんでした。

 感覚の変化に意味がありそうだとはっきり意識に上ったのは断酒して4年経った頃でした。ひょんなことから “勘” がよく働くようになったのでは(?)と気づいたのです。これにはブログ記事の執筆で記憶機能を鼓舞していたこともプラスに働いていたと思います。

 当初、五感を統合した体感の変化かも(?)と考えていましたが、直感的に感じ取ったり、判断したりする心の働きということなので “勘” の方がより相応しいと考えました。
(なに、“勘” という言葉が思いつかなかっただけの話ですが。)

 ところで、AA の『アルコホーリク・アノニマス』第6章にこんな一節があります。

「心の落ち着きという言葉がわかるようになり、やがて平和を知る。・・・(中略)・・・かつては私たちを困らせた状況にも、直感的にどう対応したらいいのかがわかるようになる。」

 これは AA の説く、アルコール依存症(アル症)者の回復のイメージです。“心の落ち着き” も “(心の)平和” も言ってみれば感覚です。特に下線部分は、理屈で考えていては絶対にあり得ない話です。第六感とも言われる “勘” 以外に考えられません。

 どうやら、感覚と記憶機能の回復が進んでまともになれば “勘” が鋭くなるようなのです。“勘” は大自然からの賜物ですから、人為的な “認知のゆがみ” に左右されることはありません。物事が自然に、ありのままに見えるようになるのももっともなのです。

 これはほぼ1年前から私が考えてきた仮説です。R 氏の話を聞いて益々意を強くしました。この仮説を検証しながら生きて行くのだと思えば、好奇心も楽しみもいや増します。そうそう、私ばかりか R 氏の今後も楽しみでなりません。

         *   *   *   *   *
 ものはついで、アル症者の自己中傾向について一言。

 酒はコルチゾールなどのストレス・ホルモンの分泌を亢進させます。これらによって交感神経の緊張が続いたら、わけのわからない危機感から自分以外の周りが見えなくなるようです。

 視野狭窄という言葉がありますが、謂わば “思考狭窄” を起こして自己中になってしまうのがアル症なのでしょう。“認知のゆがみ” が顕在化するのもまた然り、だと思います。


こちらの記事もご参照ください。
回復も感覚が導く?』(2017.12.15投稿)



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“棚卸” は “棚下ろし”?

2018-12-14 06:57:16 | 自助会
「・・・2回目の棚オロシをしていたとき、問題を棚アゲしていたことにやっと気づいた・・・」

 先週のAAミーティングでのこと。司会の Y 氏が言ったこの言葉が妙に印象に残りました。カタカナ表記にしたのは語呂合わせの音感を強調したいためです。

 私は、自分で商売をしたことがないので商い言葉に疎く、“棚卸” という言葉には馴染みがありませんでした。早速、ネットで調べてみると、“棚卸” と “棚上げ” はどうやら室町時代に語源あることがわかりました。

 当時のお店は見世棚と呼んでいたそうで、客に見せないよう商品を棚に上げて隠して置くことを “棚上げ”、その逆のことを “棚下ろし” と言っていたようなのです。両者の語源は同じで、後年 “棚下ろし” が “棚卸” になったというわけです。

 AAの回復のプログラム『12のステップ』の要の4番目にこうあります。

「恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行い、それを表に作った。」
 “Made a searching and fearless moral inventory of ourselves.”

 当初、“棚卸” が英語のinventory の訳語で在庫の明細表という意味だったことから、その意味するところが今ひとつはっきりしなかったのですが、これでやっとその真意がわかりました。意図してのことなのか無意識なのかを問わず、心の奥底にしまい込んでいるもの(問題)を正直にさらけ出すこと、畢竟こういう意味だったのですネ。

(因みに、「さらけ出す」という言葉が最初思い出せず、「暴き出して晒す」などの諄い表現しか浮かんで来ませんでした。まだまだ想起障害は健在のようです。)

 果たして英語のinventoryにも同じような寓意が込められているのか私は知りません。が、恐らくは同様な解釈がなされているのだろうと思います。

 “棚卸” と “棚上げ” この対の言葉を使った語呂合わせは、意図したものか偶然だったのかはわかりません。唯このわかりやすさは、いかにもY 氏ならではの年季を感じさせる言葉ではありました。



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司会者デビュー

2018-09-14 06:18:01 | 自助会
 なんのことはない、AAのミーティングで初めて司会を務めたという話です。“思考プロセス障害” を抱えている私ですから、今まで打診があっても渋っていました。が、もうじき断酒歴5年を迎えます。それで、ワガママもいい加減にしなければと反省して受けたわけです。

 普段のミーティングでは、その日のテーマだけが関心事で、司会者の話はBGMのようにしか聞いていませんでした。ですから、司会を引き受けることになって改めて、司会者のやるべきことを考えさせられたというのが正直なところでした。

 改めて考えてみると司会者のやるべきことは、出だしをスムーズに運ぶことと、テーマが誰にでもわかりやすいこと、この二つに尽きるのでは(?)というのが私の辿り着いた結論でした。そんなの当たり前と言われれば至極当たり前のことですが・・・・。

 普通、司会者は以下の手順でミーティングを進めます。(手順の内 1)、2)についてはミーティング・ハンドブックを利用します。)

 1)序文の朗読
 2)『アルコホリック・アノニマス』3章、5章、6章いずれかの抄出の
   朗読者を指名
 3)テーマの設定
 4)自らの体験談でイントロ
 5)発言者を順次指名

 先ず、“出だしをスムーズに” が最も大事なのですが、上の手順で進行させる際は必ず、次の三つをその間に入れなければなりません。

 ● まったく初めての参加者がいないか確認すること
 ● ミーティングの途中で献金を募ること
 ● テーマ以外のことを話したい人がいないか確認すること

 恥ずかしながら、これらの項目で上の二つをどのタイミングで入れたらいいのかに迷ってしまいました。それでシミュレーションをしてみたのですが、序文の朗読の際はミーティング・ハンドブックが必須なのに新規参加者はそれを持っていないこと、その序文には献金の件も書いてあることに改めて気づきました。

 となれば話は簡単で、新規参加者の確認は序文の朗読前がよく、献金の件は序文の朗読直後がよいとわかりました。なお、三つ目については何時でも可です、念のため。

 次の問題は、テーマが誰にでもわかりやすいこと、でした。新規参加者には、とかく禅問答のように聞こえてしまうのがAAのミーティング・テーマです。私は、文字通り経験の分かち合いが目的と思っていたので、“断酒して大分経ってから気づかされた困ったこと” をテーマに選びました。

 断酒して3ヵ月後ぐらいから現われるPAWS(急性離脱後症候群)を念頭に、なかなか自覚しにくい厄介な諸症状に悩まされた体験が語られるよう意図しました。私自身、PAWSの知識がなかったばかりに随分不安に駆られた経験をしたからです。

 そして、イントロで紹介するエピソードの焦点を、PAWS の “思考プロセス障害” に当てることにしました。考え方(思考)がくどくどと遠回りしがちな障害のことで、かつてミーティングで大幅に時間超過した体験を話せば私の意図がわかってもらえるものと踏んだのです。

 そう意図したところでシナリオ通りに行かないのが体験談です。一旦、テーマが出されたら司会者の話などそっちのけ、出席者は自分のことに没頭するのが普通です。

 それを見越してテーマの補足説明にと、私の体験を語る前に  “思考プロセス障害” の徴候を具体的に挙げてみました。このように補足説明をする例は少ないのですが、ややこしいテーマならこんなこともいいのではと秘かに自負しています。

 指名に際し、発言者については主に断酒歴の長いヴェテランを意図的に選びました。彼らの話の内容からみて、結果的に私の意図が大凡汲んでもらえたのではと思われました。

 私の意図がドンピシャリ伝わっていたことに司会者冥利を味わうこともできました。なかには、“認知のゆがみ” に悩まされた体験を具体的に話してくれた仲間もいたのです。やはり納得できるまで事前にシミュレーションを繰り返しておくのが保険になったようです。

 いざミーティングが始まるまでは、緊張してないと言ったらウソで、やはり緊張していました。案の定、司会をしていて肝腎なことを言い忘れたことも多々ありました。それでも八割方、目標を達成できたのではないかと満足しています。

 以上、まぁまぁの成功体験に恵まれたお陰で、再び司会の声がかかったら今度は気楽に受けようと思います。今回の記事が、これから司会を予定している人に何かの参考になれば幸いです。



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