マイmy巷話

マイMy巷話(かんわ)は「私にはそう見える!」ものを儘に書いているだけの話です。

かたつむりと苦い思い出

2020-02-27 | いきもの(かたつむり)
8年ほど前だったか、、


児童養護施設で家庭教師のボランティアをやっていたことがあるのです。
相手は当時4年生の男の子で、彼が3年生の頃から週1ペースで教えていたのです。

で、あるとき、勉強の合間にかたつむりの話題になり、彼にかたつむりを飼ってみないか?と、ふと口にしてしまったのです。
彼も小さな生き物に興味がある小学生ですから、うんと頷いたわけ。

施設の先生におはなしをすると、原則施設で個人が生き物を飼ってはいけないらしいのですが、その子にはいい機会との判断か、小さな貝を彼に託すことに許可が出たのです。
もちろん、しっかり自分が責任をもち世話をすると私と先生に固い約束をして。

それから、ひと月たったかたたないか、、
いつもの大広間のテーブルを挟んでいつものように教科書を広げていると、言いにくそうな表情を浮かべて、彼の口から小さく
「かたつむり死んじゃった」と聞こえてきたのです。

何故死んじゃったの?と聞くと、水もエサもあげなかった、、と、伏せた顔から小さな声の返事がありました。

あー失敗した。。


とその時私はひどく腹立たしい気持ちになりましたね。
でもこの腹立たしさは、この子にたいしてなどでは全くなく、いろんなことをこの子に体験してほしいと勘違いも甚だしく、勝手に押し付けて、罪もない貝らを殺してしまった、自分に向けてだと同時に思い直しもしました。
それ故に、彼にもこんなに嫌な思いをさせてしまったと。

そうなんです。
ボランティアとはその場で相手から必要とされることを自分が持っている力で素直に行うことが大切なんですよね。
それを自ら楽しめればこれに越したことは
ない。

自分がやりたい、やったほうがいいといった勝手な思いを相手に押し付けるのは、もはやボランティアなんかじゃないんですよ。
それは、有償もしくは自己満足のサービスそのもので、純粋な行為とは似ても似つかない。
勘違いも甚だしい。。

そんな彼とは小学6年生まで家庭教師を通じて繋がっていましたが、卒業するとそれきりに。
ハタチを過ぎて、一体何して生きているんだか、、

ま、ちょっとした苦い思い出なのです。




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