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プリウスと風景

私にとっての「銀河鉄道」プリウスで旅へ、そして自由な思考表明をと考えています

週刊誌でない方の「文芸春秋 -- 最後に残る雑誌かも ー-

2024年06月27日 |  エッセイ
何とはなしに手に取った雑誌の方の「文芸春秋」。
改めてじっくり目を通すと
 うーん、かなりの人材、お人が執筆し、しゃべっている(2024年7月号)。

  • ばったり目、耳にしなくなった人も出ているではないか。ほんとにお久しぶり。
 2020年6月で終了したTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」の久米さんが映画監督の西川美和さんと語り合っている(「たかがテレビじゃないか」)。
西川さんらしく読者が聞きたいとりとめのない話も、そして考えさせる深い話もうまく平易に聞きだしている。

  • サリンジャーって庄司薫の「赤ずきんちゃん~」をはじめとして伝説的に日本の若人に影響を与えているけど映像ディレクター実川真規(まさのり)氏が今の話として「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のドキュメンタリー番組制作に関連して息子さんとの交渉その他を書いている。これなど英米文学に関心を持つ人には必見ではないか。
  「父は普通に外出し、近所付き合いをしていた。好奇の目から守るため、地域ぐる
 みでその事実を伏せていたという」とのくだりは大谷翔平の新居をめぐる日本メデ
ィアとのごたごたを想起させる。
  • 私が個人的に関心を持ったのは国宝級の発見に関する冷泉家25代当主冷泉為人(ためひと)氏の「直筆の藤原定家に仰天した」の記事だ。
 全般に興味深いが、中でも共感するのが関大片桐教授に言われた「定家が存在し、古典の書写活動を盛んにやってくれたお陰で、現代の日本の古典文学が成立している」との発言。
 そして為人氏が説明している「古今集はむろん、更級日記、伊勢物語、源氏物語、後撰和歌集、拾遺和歌集などもおおむね定家が書写した本が底本となっている。
彼が精力的に書写をしていなかったら、これらの作品が現在にまで読む継がれることはなかったかもしれない」との点だ。



しかし幅広い雑誌だ。理論物理学者で東大特別教授の大栗博司氏がオッペンハイマーや南部陽一郎のことについて書いている。(次回に続く)

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CCSCモデルファン (オノゴロベアリング)
2025-06-16 01:05:39
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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