何とはなしに手に取った雑誌の方の「文芸春秋」。
改めてじっくり目を通すと
うーん、かなりの人材、お人が執筆し、しゃべっている(2024年7月号)。
- ばったり目、耳にしなくなった人も出ているではないか。ほんとにお久しぶり。
2020年6月で終了したTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」の久米さんが映画監督の西川美和さんと語り合っている(「たかがテレビじゃないか」)。
西川さんらしく読者が聞きたいとりとめのない話も、そして考えさせる深い話もうまく平易に聞きだしている。
- サリンジャーって庄司薫の「赤ずきんちゃん~」をはじめとして伝説的に日本の若人に影響を与えているけど映像ディレクター実川真規(まさのり)氏が今の話として「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のドキュメンタリー番組制作に関連して息子さんとの交渉その他を書いている。これなど英米文学に関心を持つ人には必見ではないか。
「父は普通に外出し、近所付き合いをしていた。好奇の目から守るため、地域ぐる
みでその事実を伏せていたという」とのくだりは大谷翔平の新居をめぐる日本メデ
ィアとのごたごたを想起させる。
- 私が個人的に関心を持ったのは国宝級の発見に関する冷泉家25代当主冷泉為人(ためひと)氏の「直筆の藤原定家に仰天した」の記事だ。
全般に興味深いが、中でも共感するのが関大片桐教授に言われた「定家が存在し、古典の書写活動を盛んにやってくれたお陰で、現代の日本の古典文学が成立している」との発言。
そして為人氏が説明している「古今集はむろん、更級日記、伊勢物語、源氏物語、後撰和歌集、拾遺和歌集などもおおむね定家が書写した本が底本となっている。
彼が精力的に書写をしていなかったら、これらの作品が現在にまで読む継がれることはなかったかもしれない」との点だ。
しかし幅広い雑誌だ。理論物理学者で東大特別教授の大栗博司氏がオッペンハイマーや南部陽一郎のことについて書いている。(次回に続く)
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