ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Lの物語ー遺言ー

2019-10-25 07:00:00 | 大人の童話
大丈夫。私は今まで以上に、貴方の傍らにいます。そして自由に、街のあちらこちらも、巡っているのよ」

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夫人が子供の頃、熱を出して、楽しみにしていた草原の花摘に行けなかったことがありました。
その時、乳母が編んでくれた春の草原のラリエットは、ずっと夫人の宝物。
棺に納められました。





春の草原をイメージしたラリエット。


「トルコの伝統手芸『オヤ』でつくるビーズを編み込むすてきアクセサリー」の「フルーツボールラリエット」の、材料を変えて作りました。

材料
レース糸 #40 黄緑 25m
丸小ビーズ 黄色、黄緑、緑色をミックスして167個
丸小ビーズ 透明 360個
さざれ水晶 48個
プラスチックビーズ 6㎜ オパール色 49個

三つ編み、細編み、引き抜き編みの組み合わせなので、慣れるにつれて楽に進んで行きました。

入力

Lの物語ー画家ー

2019-10-18 07:00:00 | 大人の童話

春近い冬の寒い日、公爵は画家の部屋にいた。
アトリエを兼ねた寝室と、簡単な水事場があるだけの質素なアパートだった。
絵は納期の四日前に納められていた。
けれども内輪で行う誕生祝いの前日に、風邪で出られないとの、手紙が届いたのだ。
「寝てるところを済まない。床に戻ってくれ」
見舞いの食料と、薬草茶をテーブルに置こうとし、その上のスケッチに、公爵は目を見開いた。
立ち姿、座る姿、歩く姿、前から横から斜め右から………………。
何十もの公爵夫人がそこにいた。
捲り始めた手が止まらない。
事態に気付いた画家は、息を詰めてその様子を見守っている。
公爵の強張った顔は、青ざめ、やがて赤く膨らんだ。
握った右手を震わせて、激情を逃がす。
「家には、来ないでくれ。もう二度と」
画家は口を開け、直ぐに閉じて、目を瞑った。

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画家がウェイトにしていた小物入れ。





中の花は紙を切り抜いて丸めたものです。
ダイソーで購入、そして折り紙で自作したものです。

材料
石灰粘土
卵の殻 (鶏、うずら、烏骨鶏  膜を剥がし、乾かして、荒く砕いたもの)
木工用ボンド

道具
ピンセット
ハケ
ヘラ


1ー台の上で粘土を浅い小鉢状にする。
丁度良い型があれば、それに張り付けると楽で綺麗に出来ると思います。
2ー1にヘラで柄を描く。
3ー2にハケでボンドを少しずつ塗り、殻を貼っていく。
4ーよく乾かす。
5ーハケでニスを塗る。
ニスを塗ると殻は剥がれにくくなりますが、風合いは損なわれます。


Lの物語ー商人ー

2019-10-11 07:00:00 | 大人の童話
落ち着いた色をした絹張りの馬車の中、宝石商は靴の中身を、頭の中で反芻していた。
「沢山入り用な訳ではないのだが、なるべく多くの種類の櫛を見せて貰いたいのだ」
公爵の注文を、宝石商は二つ返事で引き受けた。
遠い港にわざわざ買い付けにも行ったのだ。
公爵は、病弱な夫人の為に作り始めた薬草と、その知識を、惜しみ無く周囲に分け与えていて、宝石商も、その恩恵に預かった一人だった。
長年悩まされてきた、鼻炎と頭痛が治まって、日常が嘘の様に快適なのだ。
その公爵の役に立てるのが、嬉しくて堪らなかった。
馬車は四個の重いケースを乗せて、軽快に走り続けた。

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宝石商は、とにかく多様な櫛を集めました。
その中の一つ、遠方の民芸品をイメージして。





材料
柘植の櫛
貼れる布テープ
レジン液(ハード)

道具
ハサミ
彫刻刀
爪楊枝
シャープペンシル
消しゴム
テープ
櫛を置く台


1ー好きな形に布を切り取る。
2ー櫛の上に1の配置を決め、シャープペンシルで形を写す。
3ー2の形を、彫刻刀で2㎜の深さに、底面を平らに彫る。
4ー布を貼る。
5ーテープ等で櫛を台に固定し、レジン液を流し込む。泡や盛り上がりは爪楊枝等で潰す。
6ー日光(紫外線)に当てて、レジン液が固まるまで待つ。




Lの物語ー民話ー

2019-10-04 07:00:00 | 大人の童話
「櫛の歯が五穀に変わったのでしょう?特別な種が封じられた、木の櫛ではいかがですか?」
公爵夫人が二月ぶりに動き回れるようになり、早めの晩餐の席を、画家は共にしていた。
豆のポタージュ、鳥肉のパテ、根菜の煮込み。
消化の良い献立が並ぶ。
夕陽の差し込む食卓では、宿屋の主人から伝え聞いた、民話が話題の中心だった。
公爵が上機嫌に返す。
「銀細工に五色の石でも美しいね」
「島なら、貝細工も盛んかもしれません
「獣の角や骨で作っても面白いよ」
二人の推測をにこにこと聞きながら、夫人はゆっくりと、スプーンを口に運んでいる。
「ところで、その櫛は村長の家に代々伝わっていたものなのですよね。持ち主が殺されて一緒に埋められると、五穀豊穣になると知った上で、息子は恋人に送ったのでしょうか?」
公爵は僅かに顔をしかめた。
「そんな物騒な物だと知っていたら、贈るわけないよ
「そうですね。そうでなければ、恋人ももっと気の毒ですしね
「あら、私なら」
夫人が首を傾げて口を挟んだ。
「全て分かった上でも、愛する人の贈り物なら嬉しいわ。そして自分の命が基になって、村が豊かになったのなら、幸せなのではないかしら」
公爵の眉間に皺が寄った。
「死んでしまったのに幸せだとか、承知出来ない」
夫人が少し困ったように微笑んだ。
「大丈夫。私は貴方に全てを預けて、長生きさせていただきます」
公爵の不機嫌は柔らかに、夫人に絡め取られた。

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ひよこ豆と南瓜のポタージュ

栄養たっぷり。
私は大好きです。

南瓜 1/4個
ひよこ豆 ドライパック  80g
牛乳 300cc
玉ねぎ 1/4個
バター 1Og
塩 少々
胡椒 少々
パセリ 少々

1ー南瓜は皮を剥き、細かく切って、電子レンジに500Wで5~6分かけ、火を通す。
2ー玉ねぎはみじん切りにし、バターをしいた厚手の鍋で、焦げないように炒める。
3ー南瓜、炒めた玉ねぎ、ひよこ豆、牛乳をミキサーにかけ、滑らかにする。
4ー鍋に戻して火を通し、塩、胡椒で味を整え、器に盛ってパセリを散らす。

ミキサーの後、裏ごしすると滑らかです。
牛乳を増やし、塩を効かせてさっぱりと、蜂蜜を加えて甘く、等々。気分で作っています。