ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Lの物語ープロローグー

2019-08-30 07:00:42 | 大人の童話
「愛の庭」と呼ばれた館があった。
裏に広大な薬草園を持ち、施薬院として代々の領主に引き継がれてきた、堅牢で美しい建物だった。
そしてその屋根裏部屋には、館と共に、大切に守られて来た、十六枚の絵画が、ひっそりと納められていた。

………………………………………………………………………………………………………………………………

薬草園には、様々なハーブがあります。
ラベンダーは主に精油にしますが、余ったものは、ドライフラワーにして、枕元に置くことを勧めたりもします。


ラベンダーのドライフラワーの作り方




我が家のラベンダーは今年、この通りの不作で、残念ながら作れませんでした。

1ー花が開ききらないうちに、ラベンダーを適当な長さで切る。

2ー葉を外す。

3ー一握り位の太さに纏め、茎の中程を紐で束ねる。

4ー風通しの良い日陰に、3、4日逆さ吊りにする。




Aの物語ー始まりー

2019-08-23 07:00:36 | 大人の童話
男と馬が厩舎を出ると、肩の丸い女が、大きな袋と小ぶりなリュートを背負って立っていた。
「さぁ、行きましょう」
男は暫し唖然として、女を見つめた。
「お前は私の気持ちはさっぱり分からぬ、勝手にしろ、と………」
「そうですとも」
女は胸を反らせた。
「分かられようが分かられまいが、自由になさればよろしいのです。私は貴方と共にある。嫁いだあの日に、そう決めたのだから」
女はそこで太陽の様に笑った。
「私は日頃から、蹴鞠で鍛えております。その上なんとリュートの名手!。お忘れでしたか?」
男は背負った荷物ごとぎゅうぎゅうと、女を抱きしめた。
そして存分に女の身の弾力と、匂いを味わった後、回りを見渡した。
「豹柄の彼女はどうした?」
「彼女は今朝早く、南の別荘の管理人お願いしました。自分が生まれたあの家で、兄妹達と暮らすそうです」
「寂しくはないのか?」
「寂しいですとも。ですが彼女は安定を好むのです。たった6年間でしたが、私達はお互いが大好きで、幸せな時間を過ごしました。そして二人の望みは別れた。だからこれで良いのです」
晴れ晴れどうした言った女の目から涙が溢れた。
「済まない……」
アザレアは首を振って促した。
「さあ、私達は」
アザレアの震える右手を、アンバーが握りしめて、胸に寄せた。
アラバスターが蹄を、軽やかに鳴らした。


                 完

...
...............................................

アザレアは思い出のペンダントを1つだけ選んで、城を出ました。
目立たぬように、服の中にかけています。




王妃のペンダントを模したビーズ細工のペンダントトップ

材料
3㎜のテグスー50cm
4㎜のスワロフスキー(シャム)ー6個
4㎜のビーズ(乳白色)ー6個
丸小ビーズ(シルバー)ー12個
淡水パール(小)ー6個
丸カンー1個
9ピンー1本






基本の花編みの6つ花を作り、9ピンと丸カンを付ける。






Aの物語ー本望ー

2019-08-16 07:00:33 | 大人の童話
昼の花火がいくつも打ち上げられたその日、厩舎では王座を下りた男が、愛馬に呼び掛けていた。
引き綱を着けようとすると、馬は一歩下がって悲しげに男を見つめた。
馬には三年分の衰えが、確かに刻まれていた。
「悪かった。待たせ過ぎたな。共に来たくはないのか」
男は馬の額に自らの額を当てて、目を閉じた。
「お前が残ることを望んだ時には、生涯世話をしてくれるよう、馬頭に頼んである。けれどもお前がもし、身の衰えを気にして身を引こうとしているのであれば………」
男は馬を抱き寄せた。
「私は戦に出るのではない。生きることを楽しみに行くのだ。何を急ぐことがあろう。並んでゆっくりと味わえば良いではないか。私に気兼ねも遠慮も無用だ。心が本当に指し示す場所を…選らんでくれ、友よ」
男はただ穏やかに馬を見つめた………見つめ続けた。
馬はやがて一歩前に進んで、男に頭を預けた。

..................................................

昔、この馬は来訪中の幼い王女に気に入られ、ご自身の小物入れをプレゼントされました。
馬の世話係は悩んだ末に、甘いものはこの小物入れから手に取って給餌する事に決定。
彼の目論見は当たって、馬はこの器を好きになり、王女のことずっと覚えていました。


材料
小物入れ(柄が穴になっているもの)
PPシート
グラスペイント
グルーガンもしくは接着剤

道具
テープ(仮止め用)
カッター
定規


小物入れの内側に合わせてppシートを切る。
小物入れの外側にPPシートを仮止めし、柄より少し大きめにグラスペイントを直接塗る。
乾かす。
小物入れの内側にグルーガン、もしくは他の接着剤で貼る。

Aの物語ー伝達ー

2019-08-09 07:00:48 | 大人の童話
勅令は瞬く間に国境を越え、広まった。
『私達が祖先から四百十余年、王家であり続けられたのは、民に支えられてこそであった。私はそれに、言葉に尽くせぬ感謝をし、この国の王であれたことを誉れに思う。そしてこれから、私は優しく強く賢い民に政を返す。これからは皆一人一人が、この国を支える一員であるという誇りを胸に、政に関わって欲しい。戸惑うことも多いであろうが、きっとより良い国へと、導いてくれることと、私は固く信じている』
人々は驚き、国民の多くは憤り、悲しみ、嘆いたが、やがて誇らしく、受け入れて行った。

それには三年の月日を要した。

…………………………………………………………………………………………………………………………………
民主化を肴に酒を呑む男達の横で、女達は手芸に精を出し、レースとビーズを組み合わせたモチーフが大流行。
後に発展して、地域の特産品となります。



オヤを縫い付けたお散歩マフラー

お散歩時の気分が上がる予定です。
「ビーズを編み込むすてきアクセサリー」のカモミール&ビオラを参考に作りました。カモミールの花びらを太い糸にし、2種類の太さのかぎ針で編んで、大きさを変えてあります。

材料
レース糸ー20番、30番
丸小ビーズー96個

道具
かぎ針
ビーズ通し
ハサミ




Aの物語ー誘いー

2019-08-02 07:00:00 | 大人の童話
太陽が日に日に白さを増して、その力が圧力に可愛始めた頃。
王は愛馬と丘の上に並んで立っていた。
よく手入れされた白い体は、空の青と緑に映え、額の十字はプラチナ色に輝いていた。
王は右手で馬の滑らかな首筋を撫で、左で城下より少し遠くを指した。
川と畑の間に、ぽつぽつとくすんだ赤や灰色の屋根が見えた。
その屋根が連なる場所を繋ぐように、茶色い街道が走っている。
「私の祖先はこの丘で、人々に王となることを望まれた。農民が畑を耕すように、政を司ることを託されたのだ」
強い風が吹き上げている。
「王家は代々粛々と、その役割を務めて来たが、それも既に400年。世も変わり、民も変わった」
王は馬を振り返った。
「初めましての街を歩く、お前の足取りは軽かった。その日の宿どころか、食べることすらままならないかもしれないが、知らない土地をその蹄で踏み、その風を、匂いを、感じてみたくはないか?」

馬は嬉しげに、その額を王に擦り付けた。
‥…………...............…...............…...............….............

草花は、導く様になびきます。


丘の花をモチーフにしたステンドグラス風扉絵

材料
グラスペイントー各色
グリッターグルーーゴールド
PPシート
ガラス用目隠しシートーすりガラス風
仮止め用テープ
紙ー下書き用。少し厚みがあると使い易いです。
紙ー型取用

道具
鉛筆又は芯が太いシャープペンシル

カッター
ハサミ
パレット
爪楊枝

全てダイソーで購入出来ます。

型取り用の紙でガラス部分の型を取り、同じ大きさにPPシートと下書き用の紙、少し大きめに目隠しシートを切る。

下書きをする。

下書きにPPシートをテープで仮止めし、下書きの筋を黒、もしくは暗い色のグラスペイントで直接描く。

下書きした紙を外し、筋部分をよく乾かす。

筋の中を塗る。直接塗らない場所は、色々な筆、爪楊枝等を使い分けて下さい。
ガラスペイントは乾くと色が変わるので、混色する場合には、予め少量を混ぜ、乾かして色を確認しておくと安心です。

よく乾かす。

グリッターグルーを平筆に取り、余白を粗く塗る。

よく乾かす。

裏にガラス用シートを貼る。

扉に嵌め込む。