ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Aの物語ー本望ー

2019-08-16 07:00:33 | 大人の童話
昼の花火がいくつも打ち上げられたその日、厩舎では王座を下りた男が、愛馬に呼び掛けていた。
引き綱を着けようとすると、馬は一歩下がって悲しげに男を見つめた。
馬には三年分の衰えが、確かに刻まれていた。
「悪かった。待たせ過ぎたな。共に来たくはないのか」
男は馬の額に自らの額を当てて、目を閉じた。
「お前が残ることを望んだ時には、生涯世話をしてくれるよう、馬頭に頼んである。けれどもお前がもし、身の衰えを気にして身を引こうとしているのであれば………」
男は馬を抱き寄せた。
「私は戦に出るのではない。生きることを楽しみに行くのだ。何を急ぐことがあろう。並んでゆっくりと味わえば良いではないか。私に気兼ねも遠慮も無用だ。心が本当に指し示す場所を…選らんでくれ、友よ」
男はただ穏やかに馬を見つめた………見つめ続けた。
馬はやがて一歩前に進んで、男に頭を預けた。

..................................................

昔、この馬は来訪中の幼い王女に気に入られ、ご自身の小物入れをプレゼントされました。
馬の世話係は悩んだ末に、甘いものはこの小物入れから手に取って給餌する事に決定。
彼の目論見は当たって、馬はこの器を好きになり、王女のことずっと覚えていました。


材料
小物入れ(柄が穴になっているもの)
PPシート
グラスペイント
グルーガンもしくは接着剤

道具
テープ(仮止め用)
カッター
定規


小物入れの内側に合わせてppシートを切る。
小物入れの外側にPPシートを仮止めし、柄より少し大きめにグラスペイントを直接塗る。
乾かす。
小物入れの内側にグルーガン、もしくは他の接着剤で貼る。