(「ものの見方は人によって違う」ということを知る)
ここまで述べてきたことを、おさらいしましょう。
最初に、「『ものの見方や考え方は、人によって、それぞれ違う』ということを、基本的に知らなければならない。なぜなら、『みな、自分と同じ見方や考え方をするものだ』と思うところに、人間関係の不調和は起きやすいからだ。そして、『自分とは異(こと)なる見方や考え方をする人がいる』ということを知ることが、寛容(かんよう)さや包容力につながっていく」と述べました。
(できるだけ長所を見るように努力する)
次に述べたのは、「人の欠点や弱点を中心に見るのではなく、できるだけ、長所やよいところを見るように努力しよう。『欠点や弱点を指摘(してき)することで、自分の頭のよさを誇示(こじ)しよう』などと思わないようにしよう。これは、『そうしよう』と決意したときから、できるようになっていく」ということです。
もちろん、人を使う立場や、人に影響(えいきょう)を与えるような立場に立ったときには、人の欠点や弱点をまったく知らないと困(こま)ることもあるので、それについても本当は知っているほうがよいのです。
ただ、それを相手に教える場合には、遠回しに注意を与え、自分から気づくように持っていったほうがよいでしょう。
相手に、自分で気づいたかのように思わせた場合には、誰も傷つきません。しかし、相手を厳(きび)しく叱(しか)り、無理やり欠点や弱点を直させたりすると、相手も子供ではないので、その人との人間関係がうまくいかなくなることがあります。
したがって、全般的には、「人の長所を使う」ということを心掛け、いろいろな人のよいところを見てあげるようにしたほうがよいでしょう。
なお、いろいろな人の長所をほめていると、「自分は、ほめられた」と思う人同士の人間関係の調整がうまくいかず、その人たちが喧嘩(けんか)をするようなこともあります。次には、こうした問題が出てくるわけですが、この場合には、優先度を上手(じょうず)に決めていかなければいけません。
例えば、「この件に関しては、Aさんを中心にして考え方を合わせていくべきだ」と思うならば、Aさんを起用することです。やはり、取り組む物事に応(おう)じて、「どの人の長所を使うか」ということを考えていったほうがよいと思います。
(独立した個性を認め合い、一定の距離を取る)
それから、三番目として、「人間は、独立した個性を持った存在である。したがって、最後は、お互(たが)いに、その独立した個性の部分を認め合わなければ、人間関係はうまくいかない。お互いを独立した個性として認め合いながら、一定の距離を取りつつ、人間関係を上手につくっていくことが大事である」ということを述べました。
ここまでは、一般的な人間関係についての話です。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます