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「バラマキ型」と「緊縮財政」の間で苦しむEU

2018年05月07日 | 政治・経済

かつて、日米のGDPを合わせたら世界の50パーセント近くの経済を占めていたときがあります。そのときの力はそうとうなものだったでしょう。

 

そのため、実は、ブロック経済としてEUができたようなものなのです。それは日本に潰されないためにヨーロッパ諸国が連合してできたものだったと言えます。今、そのEUも“ばらけて”きつつありますけれども、そちらが本来の姿なのではないかと思います。

 

国によって、勤勉に働いているところもあれば、そうでないところもあるので、やはり、自分の国の運営について、もう一段の責任を持つべきです。

 

それを、EUの統合政府のようなかたちで、政治も経済も一緒にできるかといえば、結局、「バラマキ型の政治」しかできないということになります。

 

しかし、その中心であるドイツが緊縮財政の親元であるならば、バラマキ型もできない状態になってくるので、結局は、お互いの首を絞める関係の連合にしかすぎないと考えられます。

 

したがって、TPPについても、理念としてはよろしいものであり、全体が発展している状況においてはよい方向として出てくる可能性もあるのですが、その中心国であるところうのアメリカや日本が経済的にまだ、もうひとつ厳しい状況であるので、もう一段の発展をしないと、なかなか難しいものがあります。

 

あくまで、中国の統計が正確であればの話ですけれども、「今のままであれば、あと5年もしないうちに、アメリカは経済的な面で中国に抜かれるかもしれない」と言われています。日本については、中国に抜かれたかと思うと、あっという間に二倍の差になったなどと言われています。

 

これは嘘か本当か分からず、狐につままれたような状態ではありますけれども、「中国の経済力が日本の二倍になった」などというと、急に戦意がなくなってくるところがあるかもしれません。

 

さらに、アメリカのほうが中国よりもGDPが多いうちはまだよいものの、数年後、中国に抜かれるようなことになれば、中国は「軍事的にも経済的にも世界一だ」などということを宣伝し始め、もっとわがままになってくるでしょう。ですから、この経済的な面で、どういう楔(くさび)を打ち込んで抵抗するかということは、大きな戦略であると考えます。

 

そのようななかで、オバマ前大統領とは違い、トランプ大統領は、「TPPによって環太平洋諸国が連合したところで、強くはならない」というように見たのでしょう。これは、経済的なばらつきや、モチベーション、社会的インフラ、道徳律、いろいろなもので落差がありすぎるため、うまくいかないということなのです。

 

現実に、アメリカ大陸、北米・中米・南米地域を見ても、特に南米では反アメリカになっているところが多く、あまり発展もしていません。そのように、現実に足下でうまくいっていない部分があって、誰もが「国対国で連合を組むよりは、アメリカに逃げ込んだほうが勝ち」「移民としてアメリカに流入し、アメリカ人になったほうが儲かる」などと考えている状況であるならば、「自由なEUのようなものつくったとしても、結局、アメリカは損するだけだ」と考えたのではないでしょうか。

 

これは、一見、エゴイズムにも見えるかもしれませんが、やはり、“巨大タンカー”としての、あるいは“司令塔”としてのアメリカが立ち直るということは、非常に大きなことではないかと思います。

 

したがって、TPPには賛成でありますが、「トランプ革命」によって、これが違う方向を取るのであれば、日本もいちおうこの意を汲んで、同じような考え方を取っていたほうがよいのではないでしょうか。

 

その結果、これまでは努力せずして、利益を得ていた国々の一部に不満が出てくることもあるかもしれません。

 

また、そういうところに対し、中国がお金をちらつかせることによって取り込もうとする動きも、当然ながら出てくるでしょうが、この中国の利益のもとであるところを、兵糧攻めで“締め上げ”、外貨を稼げない体質にする必要があるのです。

 

要するに、元のレートもずっと“緩い”ままなので、これを“締め上げ”ていくことによって「適正なレベル」にまでしなければいけないわけです。

 

そうすることによって、中国もそのようなことをできなくなってくるのではないでしょうか。

この考え方のなかにあるのは、「平等」ではなく、「公正とは何か」という考えだと思うのです。

 

こうした考えは、世界全体で共通認識を得るところまではまだ行っていないでしょうが、トランプ大統領が狂っているわけではありません。彼の考え方のなかには、何らかの天才的なものがあるのではないかと思っています。

 

---owari---


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