今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
皆さん、史上最強の【悪の天才】は誰だと思いますか?
これはもちろん、私の個人的意見ですが。
スターリンだと思います。
なぜ?
スターリンは1878年、現在のジョージアで生まれました。
ジョージア、1991年のソ連崩壊で独立をはたした。
しかし、スターリンが生まれた当時は、ロシア帝国の一部でした。
スターリンは1905年、27歳のときに、レーニンと知り合います。
スターリンは、レーニンに絶対的忠誠心を見せ、どんどん出世していきました。
1917年10月、いわゆる「ロシア革命」が起こった。
レーニンはその後、「新政府」にあたる「人民委員会議」のトップに就任。
彼には、側近が4人いました。
「赤軍の父」(=共産党軍の父)トロツキー。
カーメネフ、ジノヴィエフ、そしてスターリンです。
ちなみに「側近4人組」のスターリン以外は、皆ユダヤ系。
1922年、レーニンはスターリンを「党書記長」に任命します。
そして、この年、レーニンは脳卒中で倒れたのです。
その後回復したものの、アクティブに仕事をするのは難しくなりました。
レーニンは1924年1月に亡くなりますが、人生の最後近くに、
「スターリンが【超危険人物】であること」に気がつきます。
そして、遺書で「スターリンを排除せよ!」と同志たちに呼びかけたのです。
<「スターリンはあまりに粗暴過ぎる。
この欠点は、われわれ共産主義者の仲間うちやその交際の中では我慢できるが、
書記長の職務にあっては我慢ならないものとなる」>
<「背信的なスターリンを指導者にしてはならない」>
ところが、スターリンはこの時までに、党組織をがっちり掌握していて、
レーニンの遺言は、無視されることになったのです。
その後スターリンは、ライバルである
トロツキー、カーメネフ、ジノヴィエフを次々と排除し、
絶対権力者としての地位を確立していきます。
権力争いに勝利した彼は、ソ連国民を2000万人殺したといわれています。
そして、「第2次大戦最大の勝者」になりました。
なぜ?
第2次大戦の主な勝者といえば、アメリカ、イギリス、ソ連でしょう。
イギリスは、第1次大戦、第2次大戦で、ドイツに連勝しました。
しかし、二つの大戦で疲弊し、結果として世界中の植民地を維持できなくなった。
アメリカは、どうでしょうか?
たしかに2次大戦には勝ちましたが、その後、東欧、中国、北朝鮮などを共産化されてしまいました。
ソ連は逆に、第2次大戦後、東欧、中国、北朝鮮などを共産化することに成功。
つまり、スターリンは戦後、ソ連の勢力圏を大いに拡大することに成功したのです。
さらに、公開された「ヴェノナ文書」によると、ルーズベルト政権にはソ連のスパイがうじゃうじゃいた。
(@ヴェノナ文書は、アメリカ国内のソ連スパイと、ソ連本国の通信を暗号解読した文書です。)
そして、アメリカ政府内のソ連スパイは、ソ連を守るために、
日本とアメリカを戦わせるよう画策したり、
中国の内戦で、アメリカが国民党を助けないように画策し、成功したのです。
それで、「日米開戦の黒幕」について、
かつては「東條が」といわれていました。
その後、フーバー元大統領やマッカーサーの証言により、「ルーズベルトが」となった。
今では、「ヴェノナ文書」などによって、「スターリンが」となっている。
第2次大戦に勝利して、東欧、中国、北朝鮮を共産化した、【史上最強の悪の天才】スターリン。
もちろん、スターリンは、「非常に残酷な独裁者だった」ことで、知られている。
「史上最悪の独裁者をあげよ」と聞かれたら、だいたいヒトラー、スターリン、毛沢東などを挙げる人が多いでしょう。
スターリンは、数え切れないほどの自国民を「人民の敵」と称して粛清し、ソ連国民を2000万人殺したといわれています。
もちろん、現在のロシアでも、「スターリンは最悪の指導者だった」となっています。
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