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豪雪国・日本の雪の恩恵

2017年01月15日 | 日本

日本は世界一の豪雪国です。

世界の都市で日本の豪雪地帯ほど雪が降るところは珍しいのです。1年に降る雪の量は、100万人を超える大都市・カナダのモントリオールでは年間平均2メートルを超える。

 

しかし、日本の札幌市では6メートル超、新潟市は雪国の中ではそれほど降らないが、それでも2.5メートルを超えている。日本の積雪量がいかに多いか物語っている。

 

世界で見れば、北欧やロシア、カナダなどの方が雪深い国というイメージが強いが、実は、新潟や青森、札幌の方が年間積雪量ははるかに多いのだ。

 

日本に於ける豪雪地帯の面積は全国土の約52%にあたる19万㎢。そこに人口の16%にあたる約2035万人が生活している。大量の雪が降る場所に、これだけの人が生活しているというのは、世界中を探してもないというのです。

 

青森などは、人口30万人以上の都市の中で、世界最大の積雪量です。豪雪地帯に人口195万人が暮らす札幌では、地下鉄が走り、きらびやかな繁華街を持ち、人々が快適で整然とした近代生活を営んでいる。札幌は「人類社会始まって以来の豪雪の大都会」などと呼ばれているのです。

 

もちろん、気象観測史上最高の積雪量記録も日本が持っている。1927年2月14日、滋賀県伊吹山での1,182㎝。約12mも積もったのです。当然これはギネスブックに登録済みです。

1日の降雪量の世界一記録もこの伊吹山です。1975年1月14日の230㎝。山岳地帯でなく平地での1日の降雪量世界一記録は、1946年1月17日新潟県中頸城郡関山村、現在の新潟県妙高市大字関山の210cm。降雪記録のオンパレードです。


では、なぜこのように多く雪が降るのでしょうか。
冬季は、シベリア高気圧が優勢となり北西の季節風が吹く。その通り道である日本海で暖流の対馬海流から大量の水蒸気が蒸発するため、大量の雪を降らせる。そのため、日本海側を中心に国土の約52%が世界でも有数の豪雪地帯となっているのです。

 

それでは、雪の結晶についてお伝えします。

雪の結晶は万華鏡のように多種多様で、大変美しいものですが、基本の形は六角形という共通点を持っています。

 

雪の結晶はなぜ美しい六角形をしているのでしょうか。

六角形の結晶は、別名「六花(ろっか、りっか、むつか)」と呼ばれている。冬の花にたとえて呼んだのですが、素敵な表現ですね。結晶は厳密にいえば、この世界に1つとして同じ形の物はない、まさに自然が作りだした極上のアートです。

 

雪の結晶が美しい六角形になっているその秘密は、氷の結晶を構成している水分子の配列にあります。雪の結晶のもととなる水の分子構造が、正六角形の組み合わせを基本にしているからなのです。

 

北海道大学の故中谷宇吉郎博士は、世界で初めて人工雪を作ることに成功し、それにより雪の結晶の形を決めるのは「温度と水蒸気の量」であることを発見しました。

 

雪の結晶は大きく分けて35の種類あるのですが、細分化するとそれ以上にのぼる。結晶の形は、基本的な種類はありますが、環境条件に応じて千差万別に変わるというのです。具体的には、上空の大気の「温度」と「湿度」で変わるのです。

 

マイナス10℃の空から落ちてきた白い雪に目を凝らしてみると、本当に「雪印」の六角形です。

この六角形は亀の甲羅、蜂の巣などに見られますが、六角形は「安定のシンボル」とされています。

 

いわゆるハニカム構造。これらは、「平面をすき間なく埋め尽くす図形の中で最も外周の大きい図形は正六角形である。」という数学的事実によって説明することができます。

 

ハニカム構造は、強度を減らさずに軽量化が図れるため、航空機などでは広く使われています。また、建築材料としても最近はよく応用されており、デジカメのCCD素子にもハニカム構造が使われているのです。

 

雪の結晶は私たちに自然の美しさとバリエーションの豊かさを教えているのだと思います。例えば、雪は肉眼では白く見えますが本来は無色透明です。特定の可視光を吸収する訳ではなく光の反射で白く見えているのです。

 

もし、雪が透明であったなら積もった雪が形として見えないために、交通事故が増え、雪かきが困難で、スキー場に行っても山肌が見えるゲレンデでは楽しさは半減することでしょう。神仏は私たちに白い雪というものを与えていただいたのです。これは素晴らしいプレゼントではないでしょうか。

 

そして、この美しい雪の結晶がなぜ温度や湿度によって結晶の形が変わるのかは、現在でも詳しいことは明らかになってないのです。

 

雪の恩恵はこれだけではありません。

雪は春になれば雪解け水として、山や田畑をうるおし、作物を育て、人々の飲料水として供給されています。

 

「雪解け水は寿命を伸ばす」と言われています。黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方、南米のアンデス地方、山梨県上野原市の棡原地区など、世界には、長寿で有名な地方がいくつもありますが、いずれも共通しているのが、山々に囲まれミネラルの豊富な雪解け水を一年中飲める環境があることです。

 

日本の長寿ナンバーワンの県は、1位長野、2位福井ですが、雪や雨が直接水源になっている県なのです。空気もいいですが、雪解け水が多くあるところです。雪解け水だけが理由とは言いにくいかもしれませんが、東京や大阪、名古屋は、全国平均以下なのです

 

また黒部川扇状地湧水群の水も長寿と関係がありそうで北陸各県も長寿県とされています。氷河が溶ける時に生命を活性化する何かが水に作用し特異な働きが付与されるとの説もあり、長寿と言うくくりで辿って行けば近くに氷河がある地域に行きつくことは不思議です。

 

雪解け水は生物を活性化する力があるというのです。北極では氷が解けた海水の中でプランクトンが異常に増殖することが認められており、旧ソ連の研究では雪解け水が種子の発芽を早め植物の生長を促進させたりすることが研究報告されています。

 

また、「秋田美人」に代表される雪国の女性たちの肌がつややかで若々しいのも、雪解け水に豊富に含まれた炭酸ガスと酸素の効用、そしてなにより雪解け水の持つ若返りの作用であると言われている。

 

寒さが厳しくて、農業に適していないと思われる東北地方が、日本有数の「米どころ」であるのも、雪解け水の効果を上手に利用しているからだとの説もあります。私は、雪は厳冬の季節風から田畑の微生物を守る布団になっていると思っているのです。

 

雪解け水などの「若水」が実際に「若返りの水」であることが多くの科学者によって確認されています。雪解け水や氷が溶けた水が生物を活性化させる作用があることが確認されたのは北極だったのです。氷の溶けたばかりの水の中でプランクトンの異常な増殖が見られたからです。

 

調べてみると、氷や雪が溶けた水は農作物の収穫率を1.5倍から2倍に引き上げており、若鶏の成長やニワトリの産卵率、牛の乳量を増やしていたのです。ことわざに「雪少なければ千害あり」とあるように、雪が少なければ貴重な水資源が枯渇するという意味以上に、雪解け水には不思議な力があり、雪が多ければ農作物の収穫が増え、若木の成長が早くなり、鶏はよく卵を産むようになるというのです。

 

日本は太古より、降雪による恩恵を大いに受けているのです。米どころの地域では美味しいお米が多く収穫できています。新潟の魚沼地方は雪解け水が豊富で、とてもおいしいお米がが穫れているのです。

 

それは、雪解けの水が山を下っている間に、山の豊かな無機ミネラルを溶かし、平野部の田畑にミネラルや栄養分を供給しているおかげだと思っています。

 

雪という存在が、山に降り、スキー場として私たちを楽しませ、雪解けの水は田畑をうるおし、飲み水として与えられ、その上に寿命まで伸ばしているという、ミラクルな存在が雪であり、水の本性なのです。これは、神仏が私たちに与えた貴重なプレゼントだと、感謝したいと思います。

 

---owari---

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そう思います (ニセコのおぢ)
2017-01-15 11:38:37
ニセコの雪に魅せられて、札幌から移住したニセコのおぢです。

今年は雪が少なくて、雪かきが少ないのはいいのですが、スキー場の雪がイマイチです。

オーバーヘッドの深雪を楽しめることから、世界中からニセコに大勢やってきますが、雪が少ないとヤバイのです。

羊蹄山に降り積もった雪が、数十年だか数百年年で我が家の水道水になります。

自然の恵みに感謝です。
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初めまして (このゆびと~まれ!です。)
2017-01-15 12:31:01
ニセコのおぢさんへ

早速にコメントをいただき、有難うございました。
北海道のスキー場として、ニセコや富良野はとても有名ですね。
特にニセコはスケールが大きく、極上の雪質のため、外国の人々にも大人気ですね。私も憧れの地です。
岩手の安比高原スキー場には行ったことがあるのですが、ニセコにはまだ行けていません。
素敵な北国で楽しい人生をお過ごしください。
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