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あなたの忍耐力が試される三つのとき①

2020年09月17日 | 人生
(時折、シンプル化し、原点を見直してみると)
人は何であれ、いろいろと努力し、積み上げていくうちに詳しくなっていくものでしょうし、うるさくもなっていくものでしょうけれども、時折、シンプル化して、もう一回、原点を見直さなければいけないこともあるということです。

「自分の仕事や勉強は、そもそも何のためにやっていたのか」「最初はどういう気持ちで始めたのか」といった、初心のところを振り返らなければいけないのではないかと思います。

例えば、官僚答弁のように、「とにかく、言質を取られず、責任も取らされず、クビも飛ばされないように言い逃れる術」というものがあります。

これもディベードと言えばディベートですし、それによって生涯賃金を確保するという意味においては、「生産性がある」と言えばあるのかもしれません。正直に答えるとすぐにクビが飛ぶこともあるので、それを一つの“知的なゲーム”としてやっている人もいるとは思います。

しかし、マスコミや官僚、あるいは政治家などの言葉のやり取りが、そうした「責任逃れの技術論」になっているところが、政治に時間がかかりすぎて前に進まず、遅くなっている理由にもなっているのではないでしょうか。

(官僚政治で粘った佐藤栄作首相)
安倍首相の大叔父(おおおじ)である佐藤栄作が首相だったときにも、そういうことがありました。
若い人にとっては、もはや過去の人でしょうけれども、私はその現役時代を見ています。

佐藤栄作は、七年八カ月ほど首相を務めており、戦後の日本で在任期間が二番目に長い首相です(最長は安倍晋三首相)。官僚(かんりょう)政治家ではあるのですが、彼も「忍耐(にんたい)」ということを言っていたような気がします。「政治家を長く続けるには、とにかく、粘(ねば)れるだけ粘る。それも、判断しなくてもよいものは、できるだけ判断を先に延ばしながら粘る」というような感じで、長く首相を務めていたようです。

これは、「官僚型政治」と言えばそうでしょう。
確かに、ミスを出さないようにして判断を先延ばしにしていると、なかなかクビを切るきっかけもなく、国民が激昂(げっこう)して「辞(や)めろ!」というような感じにもならないので、彼の首相時代は、「何だかタラタラと長くやっているなあ」という印象があったのは覚えています。

物事をはっきりと言って対決を迫るようなタイプは、人気が出ることもあるものの、短い期間ですぐに終わってしまうことも多いのです。頭の回転が速く、ブルドーザーのようだった田中角栄(かくえい)も、首相だった期間は二年ぐらいで終わってしまいました。

反対に、はっきりしなかったような人が、意外に長くもったりしています。それが、「単に無能なだけ」なのか、そうではなく、「忍耐力の賜物(たまもの)」なのかは難しいところではありますが、その人の精神修行(しゅぎょう)のなせる業(わざ)かとは思います。

---owari---
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