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「安かろう悪かろう」の教育が害を生む

2018年09月24日 | 政治・経済

国が財政赤字であるならば、ほかにも考えようがあるのではないでしょうか。

安倍首相が言うように、「子供の教育に費用がかかるので、少子化が止まらない」ということに対して、「幼児教育を無償化すれば、もっと子供を産むだろう」という考え方も、社会主義的にはあるのかもしれません。

 

しかし、国民の本音からすれば、もっといろいろな選択肢があって構わないと思うのです。もちろん、よい幼稚園や保育園があってもいいし、安いところがあってもいいし、タダのところがあってもいいでしょうが、「全部をタダにしろ」と言っているわけではないと思います。

 

お金がある家庭は、お金を払って、よいところに行けばよいわけです。そうすれば、国の借金にとっても、助かります。保育園にしても、幼稚園にしても、お金のある方はよい教育をお受けになればいいでしょう。

 

一方で、確かに、標準程度の家庭としては、ある程度の安さも必要でしょうし、「タダにしてくれないと、子供が産めない」という家庭にとっては、無償のものも必要だとは思います。

 

ただ、このあたりについてはそれぞれの問題であって、「学校等が、どういう教育方針で運営していくか、それが納得のいくものかどうか」ということを考えて選び、決めていけばよいことです。

 

公立の小学校や中学校だけでなく、高校もタダという流れになっていますが、それで家計が楽になるかといえば、そんなことはないでしょう。むしろ、塾の費用だけがどんどん増えているわけで、もし、「塾の費用を出すために、公立学校をタダにしてあげた」というような感じになっているのなら、これもまた、おかしい話だと思います。

 

実際、学校教育が充実していれば、塾に行く費用を節約しても構わないところを、学校教育が駄目だから、学校教育よりもはるかに高いお金を払って塾に行っているわけです。要するに、「悪いところには、タダでも行かない」ということでしょう。

 

例えば、うちの近所の学校も新しく建て直され、最近流行りの小中一貫校になりました。もちろん、タダです。それでいて、ものすごく立派な建物を建てています。

 

ところが、なかの様子を聞いてみると、すでに学級崩壊が起きているらしく、勉強にならないため、みんな塾に行くわけです。

 

結局、「お金はかかるわ、子供はダブルスクールで疲れるわ」、ということになります。子供にしてみれば、ダブルスクールなど、学校へ行きながら夜勤をしているようなものでしょう。それで、「せめて、学校に行っている時間ぐらい遊ばなきゃ損だ」、「寝なきゃ損だ」、「保健室へ行って寝よう」となるのだと思います。正直に言えば、「学校は寝るところだから、保健室に行って寝る」ということなのでしょう。

 

ともかく、「タダならよい」というわけではありません。内容がよければ、国民は優先度を変えて、自分たちのお金を使うのです。「悪いものには一円も出したくない」というのは当たり前だと思います。

 

やはり、いくら公立がタダであり、私立はお金がかかったとしても、よいところであれば、私立のほうに通わせたくなるのが親心でしょう。そのように、家庭には、いろいろと苦労しながら、進歩していったり、絆が深まっていったりするところもあるわけです。

 

---owari---

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