このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

高貴なる一時(ひととき)

2017年01月31日 | 人生

あなたがたは、朝の静寂の素晴らしさを忘れてはいまいか。

夜が明けるときの、あの素晴らしさを忘れてはいまいか。

暗闇のなかから、東に太陽が昇りきたって、次第しだいに地平から照らす、

あの情景を見ることがなくなって久しいのではないだろうか。

幼いときに見た記憶はあるであろう。

しかし、成人してよりのち、

そうした情景を見ることもなく過ごしているのではないか。

 

新たな発見をしたいと思うのであるならば、

さあ、一度、目を覚ませ、

朝の静寂のうちに。

朝日が当たる前に目を覚ませ。

きょうの一日が始まる、その瞬間を眺めてみよ。

庭に出でよ。

道路に出でよ。

公園に出でよ。

田畑に出でよ。

そこに、生命たちが目を覚ましてゆく姿が見えるであろう。

そこに、田園の交響楽を感じることがあるであろう。

そこに、

あなたがたが創られたことの意味と、

あなたがたの生命の意味とを、

見いだすことができるであろう。

それは、忘れて久しかったものであるのだ。

 

そうして、あなたがたは、一日、汗を流して働きなさい。

一日、汗を流して働き、充実感を味わいなさい。

あの充実感を忘れて、また久しいのではないだろうか。

都市のストレスのなかに、

みずからの充実感を失って久しいのではないだろうか。

そう、あなたがたは、あの充実感を忘れてはならない。

額に汗し、そして夕べを迎える一時の、

あのうれしさを忘れてはならない。

高貴なる職業にみずからを就けよ。

もし高貴なる職業がないとするならば、

みずからの仕事のなかに、

高貴なるものを見いだしてゆけ。

聖なるものを見いだしてゆけ。

聖なる汗を流せ。

そして、夕べの満足感を取り戻せ。

それは素晴らしいものであったのだ。

 

その夕べの満足感のうちに、家路に就き、

素晴らしき団欒を持て。

それもまた、最高の幸福であるはずなのだ。

あなたが充実した時間を過ごすときに、

家族はまた、それをいち早く察知することであろう。

あなたの喜びの表情を見ることであろう。

あなたの、きょうの成果を聞いては、

共に喜んでくれることであろう。

その妻の笑顔を見たときに、

あなたの一日の疲れは、必ずや癒されるに違いあるまい。

 

語らいのうちに夕食を終え、家族の団欒を過ごしたのちに、

さあ、一時を取れ。

その一時を、高貴なるもののために。

その一時を、たぐいまれなる叡智の書物を読むために。

その一時を、魂を揺さぶる詩を読むために。

その一時を、偉大なる人の人生を知るために。

その時を持て。

その魂の時を持て。

素晴らしい一時を持て。

 

そして、安らかな眠りに入ってゆくのだ。

あすには、また素晴らしい夜明けが待っている。

大宇宙と一体となり、天地創造の時を知る、

その朝が、また訪れてくるのだ。

そのときの目覚めが素晴らしいものであることを祈って、

深い深い眠りに就いてゆくのだ。

 

(仏法真理) 

---owari---

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