⑳今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、豊臣秀吉についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――天正十一年(一五八三)正月、秀吉は山崎宝寺城で鶏鳴(けいめい)とともに起きた。彼は四十八歳の春を迎えた。宝寺城の内外は、前年夏の合戦で敵味方の命が多く失われ、付近の山野には行く先をわきまえぬ怨霊(おんりょう)がさまよっているかと思える、荒涼とした気配がただよっていたが、秀吉は . . . 本文を読む
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