末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

汚れたミルク/あるセールスマンの告発

2017-04-25 08:22:47 | 映画のはなし
職場で今の部署に異動してから、1年以上が経ちました。
いい加減、普通なら慣れ、落ち着いても良い筈なのですが、
異動後、半年の時点と、1年が経過したタイミングとで、
部内担当替えが立て続けにあり、未だに、
業務に慌ただしく追われている感が、拭えません。
基本的に、月の前半にメイン業務が集中している部署なので、
その期間を、どう効率的にやり過ごすかが要なのですが。

・・ という訳で、今月も見るだけ見て、
ため込んでいる映画のレビューを、ぼちぼち書いて参ります。

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某大手グローバル企業による、強引な粉ミルク販売が原因の乳児死亡事件。
パキスタンで起きた実話であり、現在も、赤ん坊の犠牲が続いているこの事件について、
告発のための映画企画が持ち上がり、しかし、とある疑惑から映画化が挫折するまでを、
事件の経緯を追う興味深さと、かなりの強かぶりな構成とで、一気に見せていく作りです。

ベースとなった実際の事件については、"パキスタン" "粉ミルク" 等をキーワードに
検索をかければ、"○○○・ボイコット" がすぐにヒットします。
私は本作をきっかけに、このボイコット運動の存在を初めて知りました。

映画本編でも一度だけ、当該企業の実名が示されますが、
以降は、偽名での表示が徹底されることで、訴訟回避と同時に、
業界最大手のN社以外にも、同様の問題を引き起こしている食品・飲料メーカーがあること、
更には、倫理的な側面よりも利益追求が優先される事態は、この時代、
他業界でも起こりうるという警告にもつながる普遍性を、持たせているように思えます。

いくつかの国際映画祭での上映を除き、
日本での劇場公開が "世界初公開" となるこの作品は、
首都圏での上映は、ほぼ終了してしまいましたが、
5月の連休明けに、川崎にて1週間の上映が予定されています。

プログラムには、主人公のモデルとなった男性へのインタビューも掲載されており、
映画館で見ることができて良かった1本でした。

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   映画 『汚れたミルク / あるセールスマンの告発』

  ◇原題:Tigers
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ
  ◇鑑賞日:2017.4.4. 映画館にて